コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 能力少女【完結しました】
- 日時: 2017/04/02 01:39
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
- ろろ と、申すものです。 
 初投稿で、まったく文がなっていません。
 そして、1部グロイ表現があります。
 あと、超能力もんで、なんかと戦ってたりします。
 それでもいい人だけ、みてください。
 なるべく続けられるように、がんばります!
 あと、誤字脱字が激しいです。
 基本、楽しんでかいでます(=ハッチャケてるのがほとんどです)
 超能力者の応募ありがとうございました。多少物語の都合上キャラが変わってしまうことがありますが、そこらへんは許してください・・・。>>63
 応募してくださった方
 ・フェンリル3325様
 ・椎名様
 ・綾香様
 ・くりぃいむぱん様 イラスト描かせていただきました!!>>59
 ・黒い月様
 ありがとうございました!
 話しかけてきてくれた人
 ・フェンリル3325様
 ・てるてる522様
 ・SINODA KEIN(ユキ)様
 ・*紗悠*様
 ・ほるた様
 ・渚キボウ様
 ・せいや様
 お知らせ?
 作者プロフィールというものが出来ていたので、そこに私のプロフィール書きました。完全にふざけて書きました。興味がある方は、見てみると面白いかもです。
 それでは、
 まあいろいろ気にせず、楽しんでみてくれたら幸いです。
 それでは、はりきってどーぞ!
 ユリ、とばっちり >>1>>2>>3>>4
 どんまい! >>6
 はじめまして >>7>>8>>10>>11>>12>>13
 『魔法の聖剣』とコラボ >>20>>21>>23
 (汚いけど、20と23には私が描いたユリと、玲のイラストあります)
 玲の心境 >>33>>37
 アジトに行くぞ! >>38>>39
 アジとでの事 >>49>>62>>69>>77>>78>>79
 ユリの過去>>82 >>83>>86>>88
 どんちゃん騒ぎ >>89 >>91>>95>>102>>104>>105>>106>>108
 始まりの時 >>109>>110>>111>>112
 君は大丈夫 >>114
 不安と後悔 >>115>>116
 繋がり >>117
 戦いの始まり >>119>>120>>121 >>123 >>125
 やっと会えた >>126 >>127
 能力少女 >>128 >>129
 取り戻したもの、生まれたもの >>130
 人物紹介 >>5>>17
 ろろのたくらみ(参照が突破したときのやつ) >>9>>40>>53>>57>>59>>66>>76>>80>>107>>113>>118
 (40に参照突破して嬉しくなったのでイラスト描いたものを載せてます。あとなんか会話してます)
 感謝!! >>87 >>92
 お知らせ >>103
 いらないかもしれないけどあとがき >>131
 番外編
 ☆HAPPY HAROWEEN☆ >>50
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- Re: 能力少女 ( No.114 )
- 日時: 2016/04/02 20:35
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
- 一方そのころ、ユリはちょっとした混乱に陥っていた。電話を切ったと思ったら、いきなり甘那が『全員、いつでも戦闘に行けるように! 各自準備を!!』といきなり大声で告げてきた為だ。 
 多分起きてはいけないことが起こってしまったのだろう。表情に焦りが見える。
 ユリは今玲たちがどういう現状にいるのかを整理するために聞いてみることにした。
 「ねえ、玲」
 「ん? どうした、ユリ」
 「玲たちってさ、今アニメとかで例えるとどこら辺にいるの?」
 その答えは完結的で、ユリの予想以上のものだった。
 「ん? 次週が最終回ってところかな? いや、それよりも1個前の回か」
 「…………もう終盤じゃない!」
 ユリは驚きを隠せなかった。これなら自分は正体をばらさずにひっそり生きればよかったのではないのか? という考えが脳内をべビに締め付けられているような感覚で支配していく。
 「そうだよー。終盤だよ。ユリちゃんでてこなけりゃ結構穏便にことが済んだかもしれないのに」
 「そうそう、どっかのアニメみたいに主人公が来た時が事の始まりとか思っちゃいけないよ。現実はそんなに甘くないよ。あ、かりんとう食べる?」
 レオとイアのカタカナコンビがユリの傷口をえぐっていく。
 「ううう……」
 そんなときだった。何かの通信機を耳に当てていた誠仁が口を開いた。
 「あ、やっこさん来やがった! 場所はこの間玲君たちが担当した市役所近くのビル街! 見回りしてる二人が交戦中だけれど、人数が多い! 璃柚ちゃんと紺くんは揺動のの為に、華理奈ちゃんは移動用と戦闘で行って! 応援が必要ならば要請を出して! ちゃんと戦闘能力がない人は武器を持って! ちゃんと戦闘服にも着替えてってね!」
 「了解です!」
 「承知しました!」
 「かしこまりました!」
 三人ばらばらのオーケーサインが室内に響く。どうやら、もう大騒ぎしている時間は終わってしまったらしい。しかし、ユリはこの事態を同行する権利は持っていないので、持っていた料理をせん滅するために、ご飯を頬張り始めた。
 しばらくすると、ユリと、あと一人を残して室内はもぬけの殻になってしまった。
 残ったあと一人とは、まだ中学にもあがっていないであろう少年だった。ショタだった。
 ユリが大人たちを少年を置いていく時に聞いていた会話からすれば、まだ少年にとっては危ない環境で、少年の能力は不安定だから生かせるわけにはいかない。というものだそうだ。
 小さい子に対しての配慮というものだろうか。それとも足手まといを置いていったということだろうか。たぶん前者であろう。
 ユリは目の前の料理を食べきった後、少年に声を掛掛けようとした。が、
 「ねえ、咲乃——ユリ、さん……」
 その前に少年が声を掛けてきた。
 ユリは即座に反応する。アニメでよく出てきそうなショタボだった。
 「ん? えっと……」
 「ああ、僕の名前は里上 子葉(さとうえ このは)です。この際だから話しますと、年齢は11歳で小学6年生です。能力は空間から物を取り出すことができる能力です」
 ユリは目を見開いた。こんな少年がそんな能力を持っていていいのだろうかと思ってしまった為だ。
 少年の見た目は絵にかいたようなショタ。ちょっと長いような黒髪に童顔。すっごくかわいくて、女装させても男だとわからないと思うようなひ弱さを体から醸し出していた。
 「え、凄い能力持っているんだね」
 「!? 僕の能力がすごい!?」
 子葉は驚く。というか、ものすごくオーバーリアクションだった。内気な少年だとユリは思っていたが、どうやらそうでもないらしい。手の動きが偉大だった。
 「え、そんなの驚く!? 凄いよ、使い方によっては最強能力だよ。あと、名前は咲乃ユリってフルネームで呼ぶんじゃなくて、ユリでいいよ」
 「!?!!?!?」
 ユリのその言葉にまたもや少年は驚く。ユリは確信した。この子はとても面白い子だ、と。
 「え、でも僕は全然この能力は使い物にならないと思っていますし、それにユリさんってなんでも、森羅万象能力が使えるんですよね」
 「おお、その年で森羅万象という四字熟語を知っているとはやるな。ん、っと、えっとね、まずさ、子葉くんはさどの感じまで能力が使えるの? よかったら私が日常に役立つその能力の使い方を教えてあげるよ。そうしたら、能力の性能だって上がるかもしれないし」
 子葉の目は見開かれた。そのあと、喜々とした言葉が子葉の口から出された。
 「本当ですか! マジですか! お願いしてもよろしでしょうか! 僕、みんなの役に立てるようになりたいんです!!」
 この様子だと、熱意は相当のものだとユリは瞬間的に察することができた。
 「じゃあさ、どういうものまでならば出せる?」
 「えっと、最大でドールハウスぐらいなら」
 そうして、子葉は何もなかった空間から突然現れた青白い光の中に手を突っ込み、本当にドールハウスを出してきた。大きさに例えるのなら、勉強机によくついている椅子を横にしたぐらいの大きさだろうか。
 「かわいいね。あ、結構でかい」
 そしてユリは思った、なぜドールハウスを出したのか、と。結構煌びやかな飾りが目に映るが、この細かさを見るあたり、結構な威力も物のはずである。これが弱いのならば、どこ基準で弱いと思っているのか気になるのが人間のさがみたいなものである。
 「ははは、いや、でもあれですよ。甘那さんに比べたら全然の威力なんです。あの人はやろうと思ったらアジア圏から人間を一人取り残さずいなくさせることができますからね」
 「ああ、なるほど……」
 それは比べてはいけないことだ。
 「まあ、あれだね。わかった。子葉くんは結構な欲張りさんなんだね。みんなの力になりたいってことは、武器みたいのが出したいってことなの?」
 「……はい。できれば」
 「じゃあ、カッターとかはどうかな。結構地味に効くよ」
 「大きさちっさくなってません?」
 「うぐっ、だってこんなちっさい子に殺傷なんてさせたくないよお姉さんは! それか麻酔銃を出しなさい! 殺傷なんてダメ、絶対!!」
 子葉に的確なところを指摘されて涙目になりながら、ユリは凶器を断固拒否した。あと、だすならば、日常的に使える文房具を出せとも言った。
 「さっきと言ってることがめちゃくちゃです……」
 ユリはそのあと少年に麻酔銃の打ち方を伝授したのだった。当初の目的など思い出せないほどの鬼教官になって……。
- Re: 能力少女 ( No.115 )
- 日時: 2016/04/06 16:18
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
- 「ただいまー」 
 ユリが麻酔銃を子葉に仕込み終わった後、少ししてから玲たちはとてもくたくたに枯れていると表現ができるほどに疲れ果てながら帰って来た。
 「「……お疲れ様です」」
 その姿にユリと子葉はただただ押されるだけだった。
 外傷は見当たらないものの、全員顔が暗くまるでお葬式状態だった。
 「玲、そういえばさそのさ、なんで無傷なのになんでそんなお葬式状態なの?」
 それは、玲ではなく、別の人間によって答えられた。
 「ふっ! 愚かな人間よ、玲の代わりに俺が答えてやろう。それはだな、ただただ相手が能力だけに頼らなくなったのだ」
 「あっ……」
 ユリはその玲の代わりに勝手に答えてきた風馬の態度と言い方にとてもムカついて、最初の一言ですべてを察せられたものの、おとなしく聞くことにした。
 「そう、奴らはもう能力だけでも厄介なのに爆弾やら拳銃やらもうやりたい放題なんだよ。あの戦闘用スーツを着てなきゃ全員即死だ」
 「戦闘用スーツ?」
 「ああ、そのスーツは子葉が能力で作ってくれた服なんだが、着ると負傷しても血も出ないし、脱いだら負傷していたのがうそのように治っているという凄い代物なんだ」
 それは私があの時あった玲が着ていたものだろうか。たぶんそうだ。あれは、あの異様な光景は——そうでしか考えられない。
 「……そうなんですか。凄いですね。でも、なんでみなさんそんなに顔が暗いのですか?」
 「それはだな」
 「それはね、ユリちゃん」
 その時、風馬の言葉をまた違う人が遮った。甘那だ。
 「落ち着いて聞いてね」
 「? はい」
 甘那の顔は帰って来たメンバーの中で一番暗くなかった。予想の範囲内とでも言いたげな表情だ。まるでこうなることを知っていたとでも言いたげな、表情だった。
 「ユリちゃんの存在が、敵対してる組織にばれた」
 「それまた面倒な」
 しかしユリは驚かなかった。これもまた予想していたとでも言いたげなものだった。
 「驚かないんだ」
 「私地獄耳なんで」
 ユリは目を遠くにどこに視線を向けているのかわからない、雲のように掴みどころのない表情と声を表に出した。その反応はさすがに予想外だったのか、あたりに異様な雰囲気が出てくる。
 そして、甘那はあることに気が付いた。
 「もしかして、電話、聞こえてたの……。あの距離で」
 まさか、ありえない、と甘那は呟く。
 あの時途中からではあったが甘那は部屋を出て廊下で電話をしていたのだ。そんな状況で聞こえるなんてありえない。
 「はい。私は地獄耳なんですよ。自分でも嫌気がさすくらいに。能力なんて使わなくても、いろんな音が聞こえてきます。まあ、私の歩んできた道がちぐはぐで歪過ぎたのが原因でしょうね」
 「体制みたいのがついてしまった、と。そういうこと?」
 「はい」
 「あなたはすごいね」
 「化け物だ、と言ってもいいんですよ? この言葉は言われ慣れていますから」
 ユリは悲しそうに、不敵に笑う。とても悲しく、憂いをまとって、笑う。とてもその表情は齢15の少女が出せるような表情ではなかった。
 この娘はいったいどういった人生を送って来たのだろうか。リナに話してもらった以上に辛いことがこの少女の身には起こっているのかもしれない。そう甘那は思わずにはいられなかった。
- Re: 能力少女 ( No.116 )
- 日時: 2016/04/06 18:10
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
 「……孤立した」
 そうユリは溜息と共にその言葉を吐き出した。
 「こういうことはよくあるんだけれど、初日からやらかすだなんて思わなかった。やってしまった。一応甘那さんはそのあとに私が今いる状況を話してくれたけれど、少し怯えている風だったし、そのほかの人たちも……。やっぱり、私は、要らないのかな……化け物なのか」
 言葉に出して思いを吐いてもユリの後悔は募っていくばかりだった。
 (リナ……。怖いよ……自分が、怖いよ)
 自分はそんなに強い人間ではない。この性格のせいで何人もの人間を傷つけ、逆に傷つけられてきた。
 人間不信になったのは親が私のせいで私の目の前で殺されそうになったから。瀕死の状態の親は見るに堪えないものだった。嫌だった。自己嫌悪。
 こんな状況でもユリは涙は流していない。ずっと瞳で虚ろを捕らえているだけで、瞳には何も映していない。
 「玲もさすがに今回の私には気味悪がるかな」
 まだ組織に建物内にはいるものの、ユリに周りには人間は1人もいなかった。
 ——化け物
 この言葉はユリの胸に刺さったまま消えはしない。ずっとそこに刺さったまま生きて行かなければならない。レッテルを張られたようなものだ。
 「……辛ぇ。これから何をしようか。姉の居場所は解ったから取りに行くか。そして私は——私は」
 ——どうしようか。
 そう思った時だ。
 「ユーリーちゃん!」
 ある女性の声が聞こえてきた。
 ユリが見上げると、そこにはイアがいた。
 「すっごいなんとも言えない顔してるね。にしてもすごいね、超能力使わなくても超能力を使ったみたいにいろんなことができるなんて。完璧超人じゃん。ね、愁哉」
 「そうだな。というかお前どんな顔してるんだよ。しけた面しやがってよ。これだからガキは」
 その言葉にピクッと眉を動かす。どうやら何かが気に障ったようだ。
 「ねえ、愁哉さん? 今なんか余計な言葉が聞こえましたよ?」
 「んだよ、元気じゃねぇかよ。こんな隅っこでソファーにも座らずに壁に寄りかかって黒いオーラを醸し出しているから心配したじゃねーかよ」
 「……?」
 ユリは愁哉の言葉に首を傾げた。愁哉はとてもめんどくさそうにしかし少し優しい顔つきをしていた。隣のイアはとても楽しそうだ。
 なんで楽しいのかは謎だ。
 「何お前首傾げてるの」
 「私心配されるようなことしてない……っ痛ったぁ! え? なんで私今拳骨されたの!? え!? 私何かしましたか!? 言いましたか!?」
 「言ったよー。ユリちゃんー。ダメだなー、自分のこともっと大事にしなよ」
 ユリの頭にははてなマークが山ほど浮かび上がった。どうやら本当にわからないらしい。
 「だからさ・・・・・・」
 イアがあるところを見ながら、一言いうと、そのあとある人物にその続きを譲った。
 言葉を譲られた人物は、真剣にまっすぐにユリを見ながら言葉を紡いだ。
 「ユリは俺たちの一員なんだから大丈夫だよ。誰もお前のことを嫌いにならない。化け物なんて思わない」
 「玲……。そんな真面目に言ってくれるとは思わなかったよ」
 「え」
 「だってさ、私が玲のことを信用してないってことも4年も暮らしてて気づかなくてそれを知ってもなお少しおちゃらけてた玲なのに……。これはずるい。どうせリナから私の秘密もいろいろ教えてもらったんでしょ?」
 「ぎくっ」
 「自分で言うな自分で。でも、うん。あの、ありがとうございます」
 ユリは深々と頭を下げ、玲を言った。そのあと、顔を上げた時には大粒の涙が溢れだしていた。
 ユリが泣いたのは4年ぶりだった。
 **
 ユリが泣いた後、ひと段落してから甘那と垣根からこれからやることについて話をされた。
 ユリが脳内で纏めると週末にとある遊園地に行くらしい。そしてそこには私と同じような人間が芸能人の活動としてだが来るらしいのだ。
 同じような人間とは回りくどい言い方だ。私と同じ能力を持っている人間だ。わかりやすくすると。しかし、その人間は今は能力を失っているらしい。だが、それでも見放すわけにはいかないので保護をするという名目で接触する。
 だけれど、そこには玲たちと敵対している組織も来るらしいのだ。
 甘那さんの感ではその時がもしかしたら最終決戦になるという。私も行くし。
 それまではここでダラダラしてていい。と言われた。
 「よし、じゃあこれからどうする?」
 私に話し終わった甘那は意気揚々と楽しそうに私に話しかけてきた。因みに机に並んでいた愁哉さんお手製の料理はすべて組織に人間の腹の中だ。
 と、その時組織の玄関の扉が勢いよく開くとともに、とある女性の声が聞こえてきた。
 「れえええええええええええええええええええええええいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!! ちょっと顔かせえええええええええええええええええええ!!」
 「げっ姉貴!?」
 すぐさまその怒りの標的となっている人物、詠記玲は驚きの声を上げた。それと同時にみるみる顔が青くなっていく。
 「お前私が海外研修で海外に行っている間に何ユリちゃんを入院しなくちゃいけないぐらいの負傷をさせてるんだよこの野郎!!」
 青色が混じった肩まである髪の毛がゆらゆらと揺れる。かわいらしいお人形みたいな顔も今は怒りで鬼となり果てていた。
 「え、待って姉貴。これには訳が……」
 玲は後ずさりをしながら必死に訳を話そうとする。が、その声は姉貴と呼ばれた人物から発せられた言葉によってかき消される。
 「お前たちの行いに巻き込んだだけだろうが」
 「…………すみませんでした」
 玲は粘りを見せずに敗北を認めてしまった。
 そんな時だった。
 「あ、氷菓さんだ。お久しぶりです」
 そんな彼女にユリはしれっと挨拶する。
 そうすると、ユリに氷菓さんと呼ばれた玲の姉らしき存在は鬼のような形相がうそのように天使のような笑顔をふりまいてきた。
 「!! ユリちゃん! 大丈夫なの!? 血を出して倒れて病院に運ばれたって聞いたけれど!」
 「大丈夫ですよ。今はこの通り元気ですし。あと私の不注意っていうのもありましたからね」
 「そっか、ああ・・・・・・天使だぁ。我の天使だぁ」
 そうして事態は収まった。
- Re: 能力少女 ( No.117 )
- 日時: 2016/04/16 13:52
- 名前: ろろ (ID: HSAwT2Pg)
- 「あ、氷菓さん。お久しぶりですね」 
 「あ、甘那ちゃんだ。おひさしぶりー。私の弟なんかやらかしてる?」
 話しかけてきた甘那に対してとても親しげに氷菓は受け答える。その反応にユリは少し驚いた。どうやら氷菓は玲がこの組織に入っていることは知っているようだ。
 考えてみれば知っていなかったらここに襲撃もできないだろう。
 「なんでやらかした前提で話してるの!?」
 「だまらっしゃい」
 氷菓が玲に冷たい視線を送る。どうやらこの姉弟は力関係ができているようだった。
 「はい……」
 その証拠にそのあと玲は言うとおりに黙った。まるで子犬だ。てな図化されている。しかしユリはその光景には慣れているので、無反応だった。
 代わりに甘那が玲に溜息交じりに言葉をかける。
 「玲もうちょっとは頑張ろうよ。それと玲は今のところ何もやらかしてませんよ。その玉にとてもよく働いていてくれて、この組織にはなくてはならない存在になっています」
 「そっか。ならよかった。そして、なぜここにユリちゃんがいるのかを説明して」
 「あ、やっぱりそこ気になりますか」
 「ええ。とってもきになる」
 甘那は苦笑を浮かべながらユリを見る。しかし、ユリの顔の中にどうしたいのかと言った思いは読み取ることができるものは何もなかった。
 「ユリちゃんは鉄壁だなあ。玲とは違って感情が読みにくいよ」
 その言葉でユリの顔に少しだけ花が咲く。嬉しかったからではない。愛想笑いというやつだ。
 「そうでもしなくちゃ生きていける気がしなかったので……。あ、話していいですよ。それとも私が方が話した方が」
 「ううん、いいよ。私たちのことに巻き込んじゃっただけだからさ、私が話す」
 「…………。そうですか。ありがとうございます」
 ***
 そのあと、甘那は氷菓に今までの事を少し濁したりしながら話した。どうやらユリに話さなかったのは機密にしなくてはいけない部分があったかららしい。
 それに気づいたユリはすっきりした表情になった。やはり甘那が自分のことについて話すのは抵抗があったようだ。
 甘那が話し終わった後、氷菓は自分の頭を撫でるようにかきながらこういった。
 「そう、解った。これは私が足を突っ込んじゃいけないものだ。玲、私はまたすぐあっちに行かなきゃいけないからここから離れるけれど、お前は男だ。だから、絶対にお姫様はお守りしなさいよ」
 その言葉に玲はとても穏やかな表情でユリを見てから何かを決意したように氷菓のほうに顔を向けた。
 「言われなくても解ってる」
 その行動を見て氷菓は微笑む。そして、出口の方に向かおうとする。
 「そう、ならよかった。じゃあ」
 「おう、またいつでも帰ってきていいから」
 「うん、ありがとう。ユリちゃんまたね! こんど帰って来たときは4人で遊びに行こう!」
 「!! はい!」
 そうして氷菓はアジトから去っていった。
- Re: 能力少女 ( No.118 )
- 日時: 2016/04/17 11:29
- 名前: ろろ (ID: wVVEXLrP)
- *今回は小説ではないです* 
 参照2400突破していました!すごい!ありがとうございます。
 奇跡ですね。すごい。
 そして、きてしまった。起承転結の結の部分。
 予定では、今日、完結予定です。できるかな。
 出来なかったらできなかったでまあいいんだけれど。とにかく頑張って執筆するのです!
 最後まで楽しんでいただけたら幸いなのですが……。ここら辺は私の力量ですね。頑張らなくては!
 そして、他サイト様ですが、小説家になろう様にて本日22時に『能力少女〜Another Story〜』というものを投稿いたします。
 ここではグロは控えた方がいいと思い、書けなかったエピソードをあっちで書こうと思っています。ユリちゃんとかリナちゃんとかの性格が少し変わってますが、よかったらどうぞ。最初は物語は変わりませんので。
 あ、作者名はろろさん。となっています。サイト様の検索でこっちで検索すると早く見つけられると思います。
 最初はプロローグ? ですが。いるかわからないけれど話が読みたい! というお心の広いお方は3日後の22時に第一話となる部分、ユリがカラオケ帰りに玲を発見し、話しかける部分が投稿されますのでそこまでお待ちください。
 とにかく! 参照2400突破いたしました! ありがとうございます!!
 ハッピーエンドを彼女たちに。
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