コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.162 )
- 日時: 2015/09/26 22:45
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
- 参照: ま、マジか……
 揺れる漆黒の髪。——足元には呻きながら千暁を睨み付ける千破矢。
 「こんなものか」
 「るっせぇ……ッ」
 ——親子バトル終結。
 「逃げておけば良かったものを」
 「……」
 そう呟く千暁の瞳に慈悲はない。視界が霞み、闇に飲まれかけたその時だった。
 「——はあぁあッ!!」
 炎の矢が千暁を襲う。千暁は簡単にそれを防ぐが、矢が壊れた直後に煙幕を放つ。そして煙を切るように千暁に斬りかかったのは——アレン。
 「……えっ」
 驚愕する千破矢。煙幕が晴れるとほぼ同時に千暁の体が壁側へ吹っ飛ぶ。
 「お前は、……」
 「あなたの息子さんと同じ牢獄にぶっ込まれてたアレン・ライトでええぇえっす!」
 「テンション……ッ!!」
 速報、千破矢は気絶しました。→最後の言葉「テンション……ッ!!」。
 そしてアレンと千暁の勝負が始まる——……、とでも思ったか。千暁の攻撃をアレンが避けて跳ぶと、黒い衣服に紛れてアレンの下をくぐり抜ける軍服の少年。ちなみに覆面は付けてない。
 「シャンデル・ド・グラス」
 そう唱えると、デジェルの持つ宝石が尖る。不意打ちのそれは千暁の腕に突き刺さる。一拍置いて宝石が光り出した。
 「「……」」
 千暁が音もなく崩れ落ちる。アレンはほっと一息吐くが、同時に違和感を覚えた。
 「デジェル君……?」
 「っ……これで終わると思うなよ! デジェル、お前はこの私に逆らうことは出来ない!!」
 「……、ああ……、なるほど……、これも、想定内か……」
 「いやもう文句ひとつ言わない君の根性と忠誠心は称賛に値するよ」
 首を押さえながら倒れるデジェルを見ながらアレンは苦笑する。千暁を見ると、もう既に意識が飛んでいるらしく、動く様子は感じられなかった。
 「……あ、まさかオレ今ぼっち?!」
 数分後、千暁を縛り上げてその場に放置し、デジェルと千破矢を両腕で一人ずつ担いで広間をあとにする茶髪黒衣服の少年がいたという。
