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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 長くて短い一年間。 ( No.38 )
- 日時: 2015/09/11 15:37
- 名前: 草明 ◆OhGnbTrxug (ID: GgqdNweE)
- 「…。今日、あの先生から…」 
 どくん どくん
 痛い、音。
 緊張のせいで、心拍数が上がってる。
 それに、音…も、痛々しい。
 けど、きっと大切なことだから、ちゃんと聞かなくちゃ。
 「…。美優は、あと、1年しか…。生きられない、って……」
 「!」
 わかっていた。分かっていたけど…!
 さすがに、痛い。悲しい。
 ううん、そうじゃない。なんていうか…
 『さみしい』かな。
 今すぐじゃないのに、あと1年しか、みんなといられない。
 あと1年で、お別れ。しかも、永遠の。
 転校して、もしかしたらまた会える、のとは違う。
 友達だけじゃなくて、親とも、親戚とも、何もかもとお別れ。
 お母さんの瞳が、揺れ動いてる。お父さんも。
 たぶん…。あたしだって。
 泣かない。泣いちゃダメ。
 そう、自分に言いつける。
 あたしは弱くない。
 こんなことなんて…。
 こんなことなんて…。
 大丈夫じゃ、ない…。
 そう思った瞬間、何かが、込み上げてきた。
 「う、う…」
 だめ…泣いちゃ…
 「うわーっ!あ”−っ…うわぁぁん!」
 「み、美優…」
 「美優、泣かないで。ね、美優…ッ」
 お母さんとお父さんが、必死に慰める。
 自分だって泣きたくはない。
 笑って、「大丈夫だよ」って、言いたい。
 けど、それが、今はできない。
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