コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- Wor Of The Gods Online
- 日時: 2016/05/01 09:12
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
- ※私の妄想です。 
 ・舞台設定
 主神オーディンが創り出した平和な世界。神話以外にも色々な話を混ぜ合わせた世界。
 ・大まかなステージ設定
 平原、森、ジャングル、山、荒れ地、雪原、砂漠、遺跡、洞窟、廃墟は勿論、空や海もステージの一部である。
 ・種族設定
 人間(全体的にバランスが良い)
 獣人(体力【fitness】、攻撃力【strong】は高いが魔法【mind】が一切使えない。夜になると攻撃力が上がるが視野【eyes】が狭くなる)
 鳥人(空を飛べる。素早さ【moving】が高い。しかし防御【diffence】が低い)
 狐人(魔法が使えず、攻撃力と体力も低いが特殊なアイテムを媒体とする、『妖術』を使うことが出来る)
 妖精(魔法能力が高い。浮遊をする程度なら飛ぶことが出来る。体力、防御、攻撃力が低い)
 蛇人(体力、防御ともに高い種族。魔法能力は低い)
 魚人(人間より能力が全てやや低い。水中ではダメージを受けず、素早さが上がる)
 小人(能力的に戦闘には不向きである。職業【class】は生活系の者が多い)
 以上の八種族である。
 ・職業について
 職業は、能力を大きく変えるものである。種族によって職業は違う者もある。
 ・属性について
 属性は種族属性、物理属性、特殊属性の3分類に別れる。
 ・物理属性
 切断、貫通、打撃、切裂の四つとなる。
 ・種族属性
 竜、人、獣、魚、鳥、悪魔、聖霊、人形、悪霊、植物、異種族、という多種に別れる。
 ・特殊属性
 火、水、風、土に加え光、闇、無属性という6属性+1属性に別れる。特に優劣は関係ない。
 ・武器、防具の種類
 スタンダートな長剣、刀、短剣、大剣、槍、槌、杖、斧、弓、に加え、楽器、弩、魔導書、爪、腕具、鞭、細剣、銃、その他飛び道具がある。
 防具は頭、胸、胴、腕、小手、足に装備可能。
 最後に。
 次書くの何時だろう……
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- Re: Wor Of The Gods Online ( No.3 )
- 日時: 2015/05/21 21:20
- 名前: ルーミャ (ID: rkc8PnUE)
- ~とある某高校~ 
 健斗「あー、これで終わりだ。帰って早速ゲームゲーム……」
 放課後、俺は楽しみにしながら教室を出て、廊下を飛び出す。
 「健斗君」
 艶のある高い声が俺を呼んだ。思わずドキッとしながらも振り向く。そこには中学時代で見覚えのある人物だった。
 健斗「あ、久しぶりです、李舞先輩」
 黒縁眼鏡をかけ、可愛いではなく、美しいと言える顔付き、髪は綺麗で真っ直ぐなロングヘアーであった。
 李舞「少しだけ聞きたい事があってな……いいかい?」
 ~とある部室~
 李舞「まぁ、そこらの椅子に座りたまえ」
 部屋は綺麗に整えられ、卓にはカップが置かれていた。
 健斗「えっと……ここは?」
 李舞「オカルト研究部だ」
 即答で返す。
 とても信じられない部屋である。オカルトと言えば普通はもっと不気味感を漂わせていると思うのに。
 李舞「さて……早速話に入るが、君は有り得ると思うかね?」
 健斗「な……何がです?」
 李舞「無論、VRMMOでの、存在しないはずのプレイヤーが現れる事を」
 相変わらず話すスピードが速い。俺は考え、言葉を選びながら話す。
 健斗「そうですね、バグであるなら、NPCの暴走とかでなら有り得るとかと」
 李舞「ふ……愛想の無い答えだな」
 いや、これが普通だとは思えますがね。
 李舞「ではもし、ゲーム中にプレイヤーが死んだとする。そのプレイヤーはどうなると思う?」
 いきなり何を話すと思えば……簡単な答えではないか。
 健斗「単純ですよ。思考出来ず、回路が繋がらないまま行動を処理出来ない。つまりコントローラーがいない時のゲーム画面のようなものですよ」
 李舞「それはどうかな?」
 ニヤリと笑う李舞先輩。俺をからかっているのか?
 健斗「何ですか? 俺の言っている事は正しいですよね?」
 李舞「ところがどっこい、実は数日前、とあるVRMMOをプレイ中に死亡した者がいたんだ。その人の死亡時刻とプレイヤーの行動停止に時差が一時間もあったらしい」
 健斗「え……?」
 目を見開く。何故? としか考えが表れない。
 李舞「やはりそうなるな。そこで私はある仮説を建てた。VRMMOは、現実の身体を上書きしていると」
 健斗「……は?」
 何を言っているんだ、この人は。
 李舞「つまりいつも私たちが行っている『思想』を、現実世界ではなく『仮の世界』へと送る事だ。現実の身体が朽ちても、仮の世界で脳処理を行っているから暫くは死なないと言う事を」
 健斗「……」
 唖然とした。こんな考えをするなんて。オカルト研究部はやはり伊達ではない。頭が。
 李舞「ハハハ、難し過ぎたかな。お詫びだが、獣人の街で毎日19~20時の間に対戦を申し込んでいる者がいる。自分の腕を試したらどうだ?」
 健斗「……! 先輩はあのゲームをやっているのですか?」
 李舞「勿論。アバターネームと種族を白紙に描くから暇が会ったら私に会えるかもしれんぞ」
 こうして俺と李舞先輩の再開は終了した。
 俺は家に帰り時計を見やる。まだ17:42分と記されている。
 次に手に持っている白紙を見る。
 【Ana】[狐人]
 俺は溜め息を吐くと、
 健斗「時間まで経験値稼ぎでもしてるか」
 そういって例の機械を頭にはめる。
 ログインしますか?
 yes/no
- Re: Wor Of The Gods Online ( No.4 )
- 日時: 2015/07/10 22:28
- 名前: ルーミャ (ID: rkc8PnUE)
- 経験値を稼いでしばらくが経ち、俺は例の街へと行った。因みにレベルが1つ上がった。 
 街の名前は【ビースディア】。そこで19時から20時にかけて挑戦を申し込んでいるらしいが……。
 「だあぁ! 負けた負けた! あんたやはりつえぇよ!」
 漢らしい格好のアバターが喚き、もう一人の男性に何かを送っていた。
 周りはざわざわと集まっているのだから間違いは無いが、どうみても闘技場である。
 ガスター「はは、あんたも中々の腕だったと思うぜ!」
 笑いながら漢の背中を叩いている男は、もみあげは太く、筋肉もかなりついているアバターであった。クラスはファイターか。
 俺は観客の波に乗りきると、その男に声をかけた。
 ソルス「おーい、そこの……ガスター、兄さん。今度は俺とやってくれないか?」
 すると、また周りは騒ぎ始めた。
 「あんなひょろっちいのが? 勝てるわけあるか」
 「やめとけばいいのに……」
 「まーた面白くなりそうだ」
 「確か人間って獣人より弱かったよな?」
 など、様々な声が聞こえた。するとガスターは、
 ガスター「へぇ、いいね。珍しい客だ。金は? あんま無くても引き受けるぜ? 金じゃなく喧嘩しに来てるんで」
 ソルス「へぇ、じゃあちょっとした事でお金をたんまり貰ってるのか? 結構有名みたいだな」
 ウィンドウを操作し終え、俺はガスターにその金額を見せた。
 ソルス「これでどうだ?」
 ガスター「ほぅ……これは中々だな。相当やりこんでるな?」
 ソルス「まぁな。そんな事よりさっさと始めよう。ルールは?」
 ガスター「最低HP1固定、HPが1になったら敗けだ。いいな?」
 俺はそのルールを承諾すると、カウントダウンが始まる。俺は剣を引き抜き、構えを取る。
 ガスターは軽く準備運動をしている。やはり武器なしであった。
 カウントが0になり、試合が始まる。
 それと同時に俺はガスターとの距離を詰める。普通なら反応して避けるところを狙うのだが、
 ガスター「おお? いきなり詰めるとは、中々だな」
 ソルス「……!?」
 全く動じなかった。逆に俺が動揺してしまった。
 ザシュウ!! と切りつける、が1割すら削る事は出来なかった。
 ガスター「ラァ!!」
 ガスターのパンチが俺の腹に直撃、一気にHPが削れる。
 ソルス「……!」
 このままだと、殴り合いで負けてしまう。どうにかして避けながら攻撃をしないといけない。俺は色々な事を試した。が、
 無駄であった。
 近接戦で動じない相手は、こちらもダメージを受けてしまうのである。近づかなければ攻撃は出来ない。しかし攻撃をするとカウンターを受ける。どうしようもない。
 俺とガスターの攻撃力、HPは大きく違う。だからこのような最悪の現状へと陥った。
 相手は残り約6割。対してこちらはもう残り5割。どう考えても勝てるわけがない。
 この殴り合い、負けたか……?
 その時、ひとつの言葉が頭をよぎった。
 ソルス「……!」
 俺は再び剣を構え、また距離を詰める。
 ガスター「はっ! また同じように正面からいくってか?」
 しかし今度は奴の右眼を狙って剣を突く型をとった。
 ガスター「んなぁ……!」
 初めて体を守る態勢をとった。しかし俺は剣を突かず、体を落としガスターの腹に怒涛の3連続斬りを見舞った。
 ガスター「……!?」
 相手のバーがぐいっと下がり、1割は削れなかったものの、大分削った。
 そして素早く距離を取る。これで相手には攻撃されずに済む。
 ガスター「……!!」
 これには全員呆然。当たり前だ。本来【フェイント】と言うのはこうも上手く使えない。それ以前にどの【喧嘩】でもフェイントをふっかける者等いないであろう。
 ソルス「やっと勝利の鍵が開いて来てくれたぜ」
 するとガスターはニヤリと笑い、
 ガスター「そんな事にはさせねぇ!」
 今度は彼から距離を詰めて来た。俺は防御態勢にはいる。すると彼の手にエフェクトライトが強く光り始めた。
 【拳術】カテゴリ『烈掌』。その拳は、俺の体ごと吹き飛ばした。さっきと同じく1割が削れた。
 ソルス「そうこなくっちゃな!」
 俺は避けて斬り、彼は正面から殴るというのがしばらく続いた。
 ソルス「ハァ……ハァ」
 ガスター「ゼェ……」
 お互い、残りのゲージは1割であった。恐らくこれで最後の一撃となるだろう。
 ガスター「ウオォォ!!」
 先に動いたのはガスターであった。拳術カテゴリ『竜凸』。さっきのスキル以上に強力な攻撃が俺に降り注がれ、俺のHPは1だけ残り、そして負けるはずだった。しかし、
 ゴォン!! 鈍い音が響いた。なんと、彼が殴ったのはプレートアーマーであった。それによりダメージ軽減で俺のHPは僅かに残った。
 ソルス「……! これで、最後だ!」
 俺の剣がエフェクトライトに包まれる。長剣カテゴリ『エース・ジャッジ』
 高速で逆Vを描く。相手のHPはまだ残っていた。
 ソルス「とど……けぇ!!」
 ザァッ!! という水平斬りにより彼のHPは再び減少する。これが最後の一撃である。もし残れば俺は負ける。
 しかし、彼のHPはほんの僅か、つまり1だけと言う状態になった。
 そして、この試合の勝利判定は俺に下された。
 ソルス
 LV10 HP18/750 プレイ時間14時間38分
 ゲームを続行しますか?
 yes/no
- Re: Wor Of The Gods Online ( No.5 )
- 日時: 2015/11/01 19:22
- 名前: ルーミャ (ID: rzNp2zLh)
- ガスターとの決闘が終わって少し後の話だが、遂に、初めての大型のイベントがアップデートされた。 
 大型イベント【フェニックスの羽根箒】
 30層という大きなダンジョンであり、そのクエストを全クリアするとレア武器を入手できるらしい。
 その件で俺はネットでパーティを作ろうと探したのだが、誰もが既にパーティを作り終えていた。パーティ人数は七人が最高である。ちなみにこのゲームには沢山のパーティが集まって攻略する【レイド】はあるが、基本作られないだろう。まだそこまで強力と思われるボスがいなからだ。
 ソルス「……3人。まだ足りないな」
 弟と李舞先輩に頼んでパーティを組んで貰うことになったが、それでもやはり足りない。どうするかとメニューウィンドウを開いた時、後ろから野太い声が俺の名を呼んだ。
 ガスター「お、ソルス。また会ったな」
 ソルス「あ……」
 ガスター「用があるんだが、少しいいか……?」
 ソルス「何!? 今回のイベントの為にパーティを組んで欲しい?」
 ガスター「ああ、アンタの強さに免じてお願いする。どうか頼む」
 そう言って頭を下げてくれた。
 ソルス「別に問題無い、ていうか助かったよ。こちらもパーティの人数が足りなくてさ」
 そう言って、俺はフレンド申請をガスターに送った。
 こうして、人数はまだ足りないが攻略が始まった。
 早速門前集合というメッセージを送る。全員から肯定の文を読み、しばらく待つ。そんな時、
 「こんなところで誰か待っているのか? 小僧」
 声から聞こえた方を振り向くと、そこには一人の男がいた。
 name:Alen
 そう英語で書かれていた。アレンと呼ぶと思われる。
 ソルス「アンタは一人で何しに来たんですか?」
 アレン「俺はただここを攻略しに来ただけさ」
 ソルス「独り身でですか?」
 アレン「そうだ」
 なんとも無謀な……なんて思いながら「そうですか」とだけ呟いた。
 そして、全員が集まった。
 ただ、一人だけ多かった。
 名前はマロンと言うらしい。
 ていうか、李舞先輩の友人らしい。
 ソルス「えー、今回にて『幻の塔』の攻略を始めます」
 そして、ここから第一層の攻略が始まる。
- Re: Wor Of The Gods Online ( No.6 )
- 日時: 2016/01/23 05:46
- 名前: ルーミャ (ID: rzNp2zLh)
- ソルス「……しかし、凄い穴だな」 
 第一層は、ぼこぼこと空いた穴が非常に多く、中でも厄介なのが中型のモグラ、【ソイルダイバー・モール】は、穴という穴から俺達に不意討ちを掛けてくる。その度にこちらのHPがジリジリ削れ、本当にしんどかった。
 ソルス「……あー、そのマロンさん?」
 マロン「んー? どうしたの?」
 潤っているとした栗色の瞳とふわりとした口調に多少ドギマギしたが、念のため確認をとった。
 ソルス「マロンさんのクラスって『ヒーラー』ですか?」
 マロン「うん、そうだけどそれが?」
 ソルス「いや、確認です」
 それにしても、彼女の回復機能が尋常じゃない。この段階での高い回復力に、範囲型の回復魔法を覚えているということは、かなり魔法の熟練度が高いということである。
 それはさておき、俺達が進んだ迷宮の中には、大きな洞穴が地面から延びていた。
 ガスター「……何だ、これは」
 アナ「ふむ、まるで降りろと言わんばかりのできっぷりだな」
 何言っているんだ……ジトリと先輩を睨もうと思ったら、先輩は媒体道具を取りだし、詠唱する。すると、一匹の子狐が先輩の手から生み出された。その子狐を放る。
 ソルス「今のは……?」
 アナ「今のは妖術の一つさ。使い魔を生んで使い魔の視界を間接視出来るんだ。壁も這い登る事が可能だから重宝しているよ」
 狐人にもこんな能力が……侮れないなぁ、と思った。
 アナ「……どうやらここから先がボスの部屋らしいな。間違いはない」
 リチャード「でも……どうするんですか? ここ、降りたら間違いなくHP全損しますよね?」
 その言葉に先輩はふっと笑った。
 アナ「それなら私に任せてくれたまえ」
 そういって、何の躊躇いもなく降りた。タンクならまだHPが残る可能性はあるが、先輩は和服一丁の軽装備である。
 全員唖然としている中、俺はガバッと急いで深い穴の底を覗こうとする。しかし深すぎてよく見えない。途中でギャリっという音が聞こえた。
 アナ「私は無事だ! 安心して降りて来い!」
 この事には驚いた。が、流石に俺達まで降りるとなるとこうも上手くいかなかった。
 ソルス「いやいや! 何言ってるんですか!」
 アナ「心配するな! 私がお前たちを受け止めてやる!」
 この言葉にドキッとしたのは俺だけだろうか。いいや、そういう話ではない。
 ガスター「ならば、俺から行かせてもらおうか」
 次にこの穴を降りたのはガスターであった。
 様子をジッと見るが、一瞬、紫色に光り、網目状の結界らしきものが見えた。
 どうやらあれも妖術らしいが、どうなのだろうか。
 しかし、これで俺達は安心して降りられる、という時に、
 「シャーーーー!!」
 鋭い鳴き声が響いた。【グランド・ブルキャット】。設定では天敵に狙われないよう筋肉をを大きく発達させ、見た目はかなり大きく、ガタイがいいが、そこまで強くはない。しかし数は一、二……なんと三匹もいる。
 ソルス「アナさん! その術式は皆で一斉に守れますか!?」
 アナ「悪いが、それは無理だ! 一人のみが対象のうえ、張り終えるにも少し時間が掛かる!」
 飛び終える時間と、張り直す時間を考えると一人で一分くらいだろうか。つまり俺が飛ぶまで単純計算で二分半くらいであろう。
 ソルス「マロンさん、先に飛んで下さい! 俺とリチャードがここで踏ん張ります!」
 マロン「……解ったわ」
 こくりと頷くと、先輩の合図を待つ。
 俺はすぐに抜剣し、リチャードは攻撃魔法の詠唱を開始した。狭い通路である中、俺は突進を開始する。ブルキャットは、見た目とは想像出来ない素早さで俺を囲もうとするのだろう。
 俺の剣がライトエフェクトにより光り輝く。
 長剣カテゴリ『オーバー・ザワールド』
 水平に一回転するこの技は、このダンジョンの攻略中に習得したのだが、使い勝手がいい。しかし、少々火力が不足気味で、上位技が欲しいと言ったところか。
 剛体な牛猫の体力は一気に7割近く削れる。猫の噛みつきを瞬時に左腕で受け取る。
 バーがぐいっと下がるが支障はない。この猫は噛みつくと継続ダメージを受けるのだが、俺は噛んだ猫を剣で切り払う。残りの体力が一気に消え、消滅。どうやら後二体はリチャードが片付けたらしい。
 リチャード「もう僕は降りるよ!」
 そういうと、飛び降りた。結界の音が聞こえたので、無事だと思われる。これであと30秒待てば……。
 なんて思ったのも束の間、今度は俺の足に鉤爪が振ってきた。
 ソルス「くそっ……!!」
 急いで足を引いて、剣を地面に突き刺す。すると、カーソルが浮かび、一気に体力が減り、0となった。
 間違いない。こいつはソイルダイバー・モールであろう。キーキーと甲高い鳴き声を聞くに、まだ数体はいるだろう。
 アナ「準備が出来たぞ! 降りろ!」
 その言葉を聞き、剣を鞘に納めると、急いで大穴に向かって走った。
 しかし、一つの鉤爪が俺の足を捉えた。バランスが崩れ、勢い良く穴に落ちる。これには先輩も驚きである。
 アナ「……!!」
 高速詠唱を開始する。その後コンマ一秒の速さで口を閉ざすと、結界が新たに生じた。
 ソルス「はぁ……はぁ……死ぬかと思った……」
 アナ「それはこちらの台詞だよ」
 ぺしっと軽く頭を叩かれ、
 アナ「そろそろ、第一層のボス攻略が開始される」
 そういって、先輩は扉を大きく開けた。
- Re: Wor Of The Gods Online ( No.7 )
- 日時: 2016/05/01 11:48
- 名前: ルーミャ (ID: E1s7fLzP)
- ギイィ…… 
 開かれたドアの先には、凹凸が激しい砂地が辺り一面に広がっていた。
 ガスター「……何もないじゃねぇか」
 ソルス「待て」
 俺は中央へと歩くガスターを引き止める。
 しばらくして、地鳴らしが起きる。
 リチャード「うわわ!?」
 アナ「ふむ……来るか」
 突如、球形のポリゴンが出現する。そのポリゴンは次々に割れていき、そこから新たなモンスターが現れた。
 【ホロウリビング・ザ・モール】
 空虚に生きる土竜。そう名付けられた巨大なモグラは、いきなり俺達へと向かって突進を開始した。
 ソルス「俺とガスターは奴の裏を取って攻撃、アナさんとリチャード、マロンさんは距離を取って援護してくれ!」
 指示を受け、全員バラけて行動を開始する。
 モグラの突進は空振りに終わる。が、すぐさま振り替えると俺達に砂かけを仕掛けた。
 ソルス「……!!」
 目を手で覆って【暗闇】状態になるのを防ぐ。ダメージは入らないが、目を守らなければ暗闇状態という、一時的に目が見えないデバフにかかる。
 ガスター「ぐわぁ!? 目が、目があぁ!!」
 ソルス「バカ野郎、こんな簡単な技に引っ掛かるな!」
 モグラがガスターを感知したのか、ガスターへと向かう。高速で動き、鉤爪がガスターを襲う。
 ガスター「ぬぐぅ! ここか!!」
 返しのアッパーカットを繰り出すが、空振りに終わる。
 「キュウゥ!?」
 炎弾と黒弾が同時にモグラを捉える。
 僅かにHPが減るのが確認出来た。
 「……!!」
 ダァンダァン!!
 再び地鳴らしを起こす。俺達は態勢が崩れてしまう。そこから、がら空きの俺へと攻撃が迫り来る。
 ソルス「……!!」
 剣を盾にして爪と交差させる。
 危ない……!!
 俺の鼻を鉤爪が触れた。HPバーが僅かに減る。
 力任せにモグラを押し返し、技を繰り出す。
 長剣カテゴリ【デルタ・コンダクト】
 俺はまるで剣を指揮棒のように操り、三連撃を殺到させる。関係は無いが、この劣化版の二連撃【ブイ・コンダクト】がある。
 モグラは甲高い声を発し、俺から身を離す。そして次に、リチャードに身体を向ける。
 リチャード「わわ……!!」
 詠唱を開始するが、どう考えてもモグラの攻撃前には間に合わない。そう考えている間に、モグラはリチャードの距離を詰める。
 リチャード「……!!」
 口を閉じ、逃げようとする。その時、
 ボウン!!
 モグラは暗黒に広がり、苦痛を受けているかのように、暴れ出す。
 アナ「成程……これは使えそうだ」
 先輩は、やたら誇らしげに言う。
 アナ「呪術、【詐香魅了ー霧ー】!!」
 媒体を消費すると、甘く艶のある匂いが俺達に降りかかる。何かと思ってモグラを見ると、モグラが暴れ出すのをやめて、周りを見回している。
 ソルス「これは……!?」
 アナ「モグラの特徴を利用したんだ。モグラは目が退化している代わりに鼻が鋭敏に発達している。きっとこのゲームのモグラはプレイヤーの匂いに反応して攻撃するプログラムに設定されているんだ。当然セオリーの目隠しは効かないだろうな。そこでプレイヤーの匂いを紛らわすこの呪術を使った訳だ。この呪術は匂いで一時的に敵モンスターを魅了し、こちらに攻撃をさせず、敵モンスター同士で仲間割れをさせると言う、本来ボスモンスターには効かない術だが、コイツは違う。プログラムと違う匂いを感知して、敵を探しているんだ……さぁ、今のうちだ! 早くしないと効果が切れるぞ!」
 先輩が言うにはこの呪術は効果時間一分でもう一度使うには五分経たなければ使えないらしい。
 ソルス「分かりました」
 俺とガスターは無警戒なモグラへと攻撃を喰らわす。ジリジリとHPが減っていく。鉤爪を振り回すが、動きは弱い。
 ガスター「そんな攻撃、当たらない!!」
 サッと避けると、重い拳でモグラの身体を連打する。やかましい叫び声が響く。
 やがて時間が切れ、モグラの動きが活発になり始めた。しかし既に体力は残り三割。もう快勝であろう。その時、
 ドウンドウン!!
 地鳴らしというレベルでは無い。これは地震だ。立っているだけでジリジリHPが減っていく。
 ソルス「……飛んでダメージをへらすんだ!」
 俺達はぴょんぴょん跳ねてダメージを減らした。しかし、地震が収まった時には既にモグラはいなかった。
 ガスター「今度はどこに……!?」
 ガスターの立っている地面が揺れている。何かに感づいてその場を離れようとするが、遅かった。
 モグラが地面から這い出て、大きい鉤爪を振り回す。鉤爪によって俺は吹き飛ばされた。
 鉤爪が大きくなっている……!?
 見て分かる程大きくなっている。約1.5倍は大きくなっているであろう。
 俺のHPはレッドゾーンに突入していたが、マロンさんの魔法で、一気に安全圏まで戻った。
 ソルス「ガスター!! 動けるか!?」
 ガスター「ああ、飛ばされたぐらいだ……」
 俺は呼吸を整え、剣を構える。ガスターも脇を絞め、戦闘態勢を戻す。
 ソルス「いいか、次に出てきた時を狙って一斉に連撃を殺到させる。一割ぐらいになったら、同時に技を使う。いいか?」
 ガスター「……合わせろよ?」
 ガタイの良い男は威勢良く笑うと、後ろへ下がる。俺はメニューウィンドウを開いて強化ポーションを実体化させ、それを煽る。
 8時00分。このゲームは8時が夜である。俺はある事を察した。
 ガスター「……そろそろ片付けるか」
 獣人化。ガスターの身体から沢山の剛毛が生え出した。目は赤く染まり、見た目は狼男そのものであった。
 ガスター「これが、俺の本気だ!」
 モグラが再び這い出た。俺とガスターはモグラへと向かって追撃する。さっきまでとは違い、格段に与えるダメージが違う。早くも残り二割となった。
 モグラが鉤爪を振り回すが、それをガスターが受け止める。
 ガスター「一気に決めるぞ!!」
 バキィ!! モグラの爪が割れて、破壊された。頷くと、技を発動させる。
 長剣カテゴリ【エクス・セントラル】
 バツマークをなぞり、その中心を強く突き刺す三連撃。しかしまだHPが残っている。モグラがまた土に潜ろうとする、その時である。
 ガスター「逃がしはしない!!」
 野太い声で発すると同時に彼も、技を繰り出す。
 拳術カテゴリ【破一閃】
 神速の拳の突きはモグラを捉える。残っていたHPバーは1ドットも残さず減りきると、消滅。同時に巨大モグラも粗いポリゴンとなり、動きを止める。ついには、爆散した。
 安定のボスクリア時のメッセージウィンドウが現れる。全員にボーナスが入り、レベルアップを果たした。
 ソルス「……クリアアイテム、土竜の爪……ん? 初クリアのボーナスが無い……まさか!?」
 このゲームは既に、クリアした者がいたのだ。
 キャラクター紹介
 ガスター
 種族:獣人
 クラス:ファイター(拳で語る)
 見た目:上半身裸。腹には包帯を巻いていて、不格好なズボンを履いている、軽装。髪は灰色。
 アナ
 種族:狐人
 クラス:マンサー(媒体を使用して攻撃、状態異常を得意とする)
 見た目:和服一丁。その中には暗器がある。髪は茶色、目は朱色。
 マロン
 種族:人間
 クラス:ヒーラー(回復役)
 見た目:ほんわかとした見た目。たれ目のグリーンアイズに薄黄色の髪。ロングスカート。
 ソルス
 LV14 HP897/950 プレイ時間22時間56分
 ダンジョン攻略 一層クリア
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