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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 似たもの同士は恋をする。~秘密と恋の行方~ ( No.8 )
- 日時: 2014/01/26 17:55
- 名前: ひかり (ID: g7gck1Ss)
- 第二章 2,「短いキョリ。」 
 キーンコーンカーンコーン、と授業終了の鐘が鳴る。
 一応、これもクラシックらしい。
 『ウェストミンスターの鐘』という題名だ。
 皆が昼食を食べに移動し始める。
 真由は一人、自分の席に座って悩んでいた。
 屋上に行くか、行くまいか。
 秋翔と一緒に食べるのか、食べないのか。
 その時。
 真由の背中を誰かがちょん、と叩いた。
 「真由、屋上、行かねーの?」
 「秋翔っ!」
 いつの間にか、真由のとなりに秋翔が立っていた。
 「秋翔は行くの?」
 「………お前が行くなら。」
 気恥ずかしそうに秋翔が言う。
 「じゃあ、私も行くっ!」
 ん、と秋翔が頷き、二人で屋上へ向かう。
 扉を開き、柵の近くに並んで座る。
 お弁当を食べながら、会話をする二人。
 しばらくして、始業五分前のチャイムがなり、真由が立ち上がろうとしたとき。
 秋翔が真由の腕を掴んだ。
 真由の鼓動が速くなる。
 「あ……秋翔? どうしたの? 授業、始まるよ?」
 秋翔本人は気付いていないかもしれないが、上目使い+赤面+しかめっ面の状態だ。
 しかも、秋翔はそこらにはいない、イケメン。
 もっとも、本人は気付いてないけど。
 「…………真由。」
 「何っ!?」
 声が裏返って、更に赤面する真由。
 「…………あのさ、俺と付き合って。」
 …………………。
 「…………………………。」
 「…………………………。」
 「はい? え、私と秋翔が?」
 「何回も言わせんなっ!」
 恥ずかしそうにそっぽ向く秋翔。
 びっくりしすぎて真由は口をパクパクさせている。
 「私なんかでいいの…………?」
 「……"お前"だから。」
 そういって少し笑った秋翔に真由は、いいよ、と言った。
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