コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 短・中編集(参照900突破感謝!) ( No.92 )
- 日時: 2015/02/22 23:33
- 名前: 夕陽 (ID: z070pZ.J)
- 今日は猫の日なので即効のSSを。 
 猫の日
 私は猫である。
 いや、性格には猫であった。
 つまり、今は猫でなく人間なのだ。
 なぜか昼寝をして起きたらこの姿になっていたのだ。
 でもこれは好都合かもしれない。
 今までお世話になった人間に感謝をするには。
 * * *
 一番最初に行くのはもちろんハルおばあちゃんの家。
 よくえさをくれる優しいおばあちゃんだ。
 家を訪ねるとハルおばあちゃんは驚いたような顔をしていたがすぐに入れてくれた。
 「僕のこと、覚えてますか?」
 そう聞いた瞬間僕は自分の行為に責めたくなる。
 覚えているわけないじゃないか!
 この姿であったのは初めてなんだぞ!
 「あなたは知らないけど、あなたに似た子は見たことあるわねえ。誰だったかしら……?」
 しかし、彼女は見覚えがある様子。
 もしかしたら少し前の僕の特徴が残っていたのかもしれない。
 「実はお世話になったんです。それでお礼を言おうと思って。ありがとうございました」
 お世話になっている、と言おうとして口をつぐむ。
 危ない、これ以上ハルおばあちゃんを混乱させるわけにはいかない。
 それだけ言って僕は次の人の家に向かった。
 * * *
 次はミミちゃん。
 よく公園で撫でてもらった。
 今の僕はきっとミミちゃんより年上だろうし、あまり怖がらせないようにしなくちゃ。
 ミミちゃんは泣き虫だから。
 「こんにちは」
 家にいなかったのでいつもの公園に行くとおさげにした髪を持つ見覚えのある女の子がいた。
 その子に声をかけるとこちらをくるりと振り返る。
 やっぱりミミちゃんだ。
 「誰……ですか?」
 警戒心の強い目でこちらを見る。
 「通りすがり。砂のお山作るの手伝おうと思って」
 先ほどのようなことを言ったらミミちゃんは混乱するだろうと思い、適当に自己紹介をする。
 「本当!?」
 ミミちゃんは砂のお山を手伝うといった瞬間嬉しそうに目を輝かせた。
 その顔を見て僕は満足する。
 さあ、砂の山作りをしようか。と声をかけるとミミちゃんは頷いた。
 * * *
 そんなこんなで恩返しが終わる。
 疲れたので日が良く当たるベンチで僕は眠ってしまった。
 * * *
 気がついたのは朝。
 視線が元に戻ったと思ったら猫に戻っていた。
 でもこのままが一番いいや、と思い特に気にしなかった。
 だって、大切な人には恩返しできたから。
 * * *
 あとがき
 20分クオリティですみません……。
 思いつくままに打っているので矛盾点・誤字があるかもしれません。
