コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: えっ、今日から私も魔法使い!?【募集あり】 ( No.122 )
- 日時: 2014/12/16 21:43
- 名前: 雪兎 (ID: gDKdLmL6)
- 第三十三話・後編 <対抗戦編> 
 その声に、ジークとライムは動きを止めた。
 うっわ。なんか怒らせた?
 二人がほぼ同時に瀞竜に視線をめぐらせると、瀞竜もまた視線だけでこちらを見据えた。
 「せっかく人が考え事をしておったというのに___。やはり二人とも殺しておくべきか」
 いきなり物騒なことを言い出す。そもそもあなた、さっきまで逃がさないとか殺すとかさんざん言ってたじゃないですか。
 ___とは言えず、二人とも黙るしかなかった。
 ジークとライムは顔を見合わせ、唇の動きだけで会話する。
 (おい、どーすんだよ。なんかもう戦う雰囲気じゃないよ、コレ)
 (知るか。お前が降参すればいいだけの話だろ)
 (ハアー?寝言は寝て言え。降参するのはそっちっしょ?)
 (馬鹿か?さっきの勝負はどっちみち俺が勝ってただろ。)
 と、忍者もびっくりの読唇術で会話を続けていた二人は、瀞竜を見てゾッとした。
 (え、ええーー!?)
 瀞竜の手には、巨大な剣が握られていた。
 刃の部分が湾曲している奇妙な形の剣で、わずかに青白いオーラを放っている。
 しかも瀞竜はそれを軽々と片手で持ち、もう一方の手をあごに当ててなにか考えるそぶりをしていた。
 「おい、あれって俺達を殺すために出したっていうことか?ヤバくね!?」
 「黙れよッ!!余計に怒りかっちまうだろッ」
 謎の大剣出現により慌てふためく二人。……さっきまでのシリアスはどこへ行ってしまったのだろうか。
 「決めたぞ。」
 いきなり瀞竜が叫んだ。二人はビクッと立ちすくむ。
 「この邪魔な建物を破壊しよう。そうだな、それが良い」
 えっ……?
 一人で満足そうにうんうんと頷く瀞竜。今とんでもない言葉が聞こえたきがするけれども!?
 ジークは思わず口を開いた。「おい、それってこの校舎を壊すってことかよ?」
 その問いに、瀞竜は微笑で返した。「当たり前であろう。邪魔な校舎と邪魔なお前達を消せば、私は落ち着いて考え事ができる」
 ライムはその答えを聞いてブツブツ呟いた。
 「マジかよ、冗談じゃねえ。上の連中は何してんだ……!?」
 その声にかぶせるように、瀞竜は思いついたように言った。
 「そうだな、そうなればこの剣では少々小さいな……」
 小さい!?何言ってんだこの人。
 二人が内心でツッこんだのと同時に、瀞竜は剣をブンッと一振りした。
 次の瞬間。
 二人、いや校舎を、大きな影がおおった。
 「えっナニ!?」
 「なんだっ。」
 二人は上を見上げて絶句した。
 突然雲が現れたのではない。超巨大化した剣が、日差しをさえぎっていたのである。
 「こんなのチートすぎだってッッ!!」
 二人の叫びが重なった。
