コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: .・。~涙色~.・。*-Namidairo-* ( No.2 )
- 日時: 2015/07/18 13:09
- 名前: 佳織* (ID: gqZQq2JR)
- エピソード1:思い出。 
 夢を見た。
 とても、 懐かしい夢。
 目を閉じて、 暗闇の中に映っているのは。
 近所の公園を走り抜ける小学校3年生の時のわたしの姿だった。
 「ゆーきっ!!早く早くッ」
 「待てって。そんなに慌てて隠れなくてもいいだろっ」
 手を繋いで、 一緒に走っているのは幼馴染の菅原裕紀。
 サッカーが大好きで頭も良くって……それに顔だちも整った男の子だ。
 「だって急がないと鬼が来ちゃうよー」
 公園に集まっているメンバーはわたし達を含めて6人。
 優しくってしっかり者で…頼れるお姉ちゃんみたいな戸澤明日香。
 裕紀と同じくサッカー男子でスポーツ万能の河野直樹。
 可愛くってみんなの癒し系の根本七海。
 メガネが似合う、美形男子の塚原亮。
 わたし達全員、 家がご近所同士の仲良しな幼馴染。
 何をするにも、6人一緒が当たり前っていう関係です。
 「おいっ!!葵。あんまり走ると転んで怪我するぞ!!」
 「だーいじょうぶだってー」
 のんきにそんな声を上げて、ふっと気を抜いていると。
 「キャッ!!!」
 急に足ががくっと崩れて
 そのままわたしは倒れそうになった。
 「あぶねっ!!!」
 すかさず、その体を支えてくれたのは——。
 「ったく……気をつけろよなー」
 「あっ…ありがと。裕紀」
 「……おう」
 そのままお互いに照れ臭くって。
 何も話さないでいると。
 「ほんとーに、仲の睦まじい事ですな」
 「ほんとほんと」
 「「ッ!!!!!」」
 気がついたら、他の4人がいて。
 照れ臭くって真っ赤になっているわたし達を見て
 ニヤニヤと笑っていた。
 「おおおっお前ら。かくれんぼしてたんじゃなかったのかよ」
 「そんなもん、とっくに見つけたっつーの。で、お前ら探しにきたら案の定いちゃついてたってわけだ」
 呆れながらそう言う亮に裕紀は言い返す。
 「いちゃついてねーよ!!こいつがどんくさくって転びそうになったのを俺は受け止めただけだ!!」
 「ちょっと!!聞き捨てならないんだけど!!どんくさくないし」
 「いやいや、どんくせーだろ。現に転びかけてただろーが」
 いがみあっては、 喧嘩ばかりしてた。
 でも、 それでもあの日々は……本当に楽しくって。
 ずっと6人一緒にいれたらなぁって。
 大人になってもずっと仲良しでいられたらって。
 この時は、 本当にバカみたいに
 信じてたんだ———。
