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コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 木星−始まりの笛、終わりの剱− ( No.8 )
- 日時: 2015/12/22 22:57
- 名前: 虹嶺 ◆SFXAPJ381. (ID: 2CRfeSIt)
- 【第一章】その笛を国に轟かせ 1-3 
 試合終了後。
 「アレーンっ!!凄いじゃん!」
 「あぁ、ありがとうカイ」
 今俺に嬉しそうに話しかけてるのは、
 『一応親友』であり、学校でもクラスメートであるカイ・クラウン。
 高等学校に入ってから仲よくなった奴であり、まだ全てを分かちあえる程の仲ではない。
 だが、人生全てを剣術に賭けようとしている俺には友達が少ない。だから、一緒に居てくれる友達は『一応親友』という曖昧な立場に置く。
 それ以上上がることも、下がることも、ないと思う。…多分。
 俺の名前はアレン、エメル=アレンだ。
 幼い頃に通りすがりの剣士の剣術に魅了され、現在もこうやって大会に出るほど好きだ。
 「ほら、帰ろうぜ。この大会、特に優勝旗的なのないんだろ?」
 一応親友という立場に居るカイが、ニカッと笑って言う。
 そういえば、そうだった。前優勝者が行方不明で、優勝旗的なのが戻ってきてないらしい。
 …俺は剣術をしたい、それだけだから構わないが。
 「…エドガーにも言ってやりたかった。あと、ロゼッタにも…」
 「…大丈夫だって!いつか見つかる!」
 エドガーと、ロゼッタ。俺の幼馴染みで、大親友だ。
 …だが、ここ一年で姿を見せなくなった。俺が有名になれば、手紙と一つくらい書いてくれるとは信じている。でも、どこか嫌な予感しかしない…。
 そのことはまた今度にして、俺はカイと一緒に大会の会場から出て行った。
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