コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- episode5 新キャラチラリズム ( No.10 )
- 日時: 2017/01/20 09:28
- 名前: 雪姫 (ID: ZZRB/2hW)
 廊下の真ん中で生徒たちが集まりなにやら騒がしいのです。これじゃあ教室に入れないのです。
 でも市松には秘密兵器があるので大丈夫なのです。
 「ユーリさん出番ですよ」
 「りょーかい。サクッとなんの集まりなのか聞いてくる〜」
 いえ。校門の時のように教室までの道を作っていただければいいだけなのですが。
 ユーリさんは近くにいた生徒たちに話しかけてます。
 驚いた顔をしてるです。あ、今度は泣き出しました。泣き止んでこの世の終わりの様な顔して戻ってきました。
 少しからかってみましょう。
 「世界が滅ぶのですか?」
 「……そっちの方が何倍もよかったかもな」
 ツッコミが返ってきません。ボケにボケをかぶせるのはお笑いとしてナンセンスです。
 どうしたのでしょう。
 「クラス…替えだって…うぅ」
 「なんだクラス替えですか。市松は何組になったのですか?」
 「いやっあっさりすぎじゃねっ!
 せっかくこなたと同じクラス、隣の席になれたのに、一ヶ月だよ!
 たったの一ヶ月間だけでもうクラス替えなんだよっ。ありえねぇー」
 ユーリさんは頭を抱えてうーうー唸ってます。
 でも市松にはそんなこと関係ないです。むしろ二十四時間ずーとユーリさんストーキングされる日々から解放されると思えば嬉しいのです。
 「なんでオレはA組でこなたはD組なんだよー。クラスどころか教室の階数も違うじゃん。
 オレの方がいっこ上の階だしっ」
 なるほど。ユーリさんはお喋りで助かります。
 一年生のクラスは四つのクラスに分けられてます。
 A〜c組は北校舎の二階。Dクラスだけは一階なのです。楽でいいのです。
 自分のクラスがわかればもうここに用はないのです。教室に向かうです。
 スタスタ。
 【一方その頃、狐さんは】
 「うーうー、せっかく歳ごまかしてこなたと同じ学校に入れたってのにまたしても障害がぁぁぁ。うがぁぁ!!」
 【まだうーうー唸ってた】
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 新しい教室に到着なのです。もう結構沢山の生徒たちが集まってるのです。
 この人たちが市松の新しいクラスメイトですか。
 ですが市松は動揺しませぬ。市松に友などいらぬのです。
 気にせず黒板に張り出された、座る席が書かれている紙を見に行くです。
 「市松の席は窓側の前から三番目です」
 あいうえお順なので市松は前の方に行きがちです。
 するするっとお喋りに夢中で市松のことなんて眼中ない人たちをすり抜けて自分の席を目指すです。
 げせぬ。彼らはなにが楽しくてあんなに笑ってるですか?市松にはわからないのです。
 わかるのはユーリさんが男の子たちに向ける笑顔は黒いものだということだけでせう。
 「暇なので本でも読むです」
 「……アンタがお隣さん」
 「はい…です?」
 声をかけられたので振り返ると、そこには不良少年が立ってました。
