コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- myosotis -ワスレナグサ-
- 日時: 2016/08/16 05:33
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- どうも皆様はじめまして! 
 最近雑談掲示板のほうで怖い話を書いている「fakar(フェイカー)」と申します。
 私が好きなゲームをパk…じゃなくて参考にしてのんびり書いていきたいと思います。
 それでは早速主人公のプロフィールをカキコ〜
 《名前》ニナ
 《性別》♀
 《年齢》13歳
 《容姿》身長157cmで若干痩せ気味。髪は茶髪で肩下までかかるロングヘアー。目は黒色。
 《性格》天真爛漫な明るい子。
 《特技》ピアノ。
 それでは次からスタートです!
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- Re: myosotis -ワスレナグサ- ( No.1 )
- 日時: 2016/08/16 06:10
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- 気がついたら私は既にそこにいた。 
 夢の中のような明るいのに暗い世界。
 「ここ…どこ?」
 何でここに来たのかを思い出そうとしたけど、それどころか今までの記憶がスッパリ無い。
 覚えているのは一つだけ。
 『ニナ』という名前だけだった。
 「誰か…?いませんか…?」
 あちこちを彷徨いながら必死に呼び掛けてみたけど返答は無かった。
 と、その時いきなり目の前に開いた穴に私は落ちた。
 叫び声をあげる暇もなく、私はただ重力に従い下へ下へと落ちていく。
 この後自分の身を襲うであろう衝撃を味わうのが嫌で、意識を手放した。
 気がついたときには、落下は既に終わっていた。
 誰かにお姫様だっこされている。
 ゆっくりと目を開けてみると。
 そこには夜の闇のように黒い人の影のような顔があった。
- Re: myosotis -ワスレナグサ- ( No.2 )
- 日時: 2016/08/17 07:54
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- 「うひゃあ!?」 
 思わず私は"ソレ"の手の中から飛び退いた。
 いや、目覚めたらなんか得体の知れないものにお姫様抱っこされてたらそりゃ飛び退くでしょ。
 誰だってそーする。私だってそーする。
 あ、でも多分私を助けてくれたん…だよね?
 ちゃんとお礼言わないと。
 「あの……ありがとう」
 そう言うと、黒い人はいえいえって感じで片手を振った。
 「あ〜、えっと、あなたの名前は?」
 黒い人は首を傾げる。どうやら分からないようだ。
 「うーん、じゃああだ名みたいなのつけてもいい?」
 黒い人は親指を立てていいね!とグッドサインをした。
 とは言ったもののあだ名かぁ…。どうしよ?
 こういうときは第一印象でつけちゃおうかな。
 「じゃあ『まっくろさん』で!」
 これが、私とまっくろさんの出会いだった。
- Re: myosotis -ワスレナグサ- ( No.3 )
- 日時: 2016/08/18 05:50
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- 「まっくろさんここどこだか分かる?」 
 まっくろさんは顔を横に振る。
 やっぱりみんな覚えてないようだ。
 「とりあえず移動しよっか」
 私は歩きだした。後ろからまっくろさんもついてくる。
 しかしどこに行けばいいのやら。
 考え無しにぶらぶらと歩いていたら少し開けたところに出た。
 「うわぁ…」
 そこはお墓だった。
 毎日欠かさず綺麗に掃除していることが伺える、美しいお墓だった。
 「おや、珍しいねぇ!こんなところにお客様なんて」
 声につられて道脇をみると、白いローブを着た人がいた。
 フードが深くかぶられていて顔がほとんど見えないが、声からして恐らくは男性だろう。
 「ようこそ私の楽園へ!まああんまり見るものはないだろうけどゆっくりしてってよ」
 「はあ…ありがとうございます。あ、お名前教えてもらってもいいですか?」
 礼儀正しいお嬢さんだねと彼は笑い、
 「僕は『墓守』さ」
 と言った。
 「はかもり?」
 「そう。お墓を守る人のことさ」
 「じゃあ、はかもりさん。幾つか質問いいですか?」
 「いいよ、僕が分かる範囲なら」
 「ここは……どこですか?」
 はかもりさんはほほ笑みながら、
 「ここは…『夢の監獄』さ」
 悲しそうにそう言った。
- Re: myosotis -ワスレナグサ- ( No.4 )
- 日時: 2016/08/20 05:14
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- 「ゆめのかんごく?」 
 「そう。それがここの名前だよ」
 はかもりさんははめていた手袋を外しながら話を続ける。
 「僕はそれ以外のことは何も知らない。この名前ですらどこで覚えたのか分からない」
 「そっか…はかもりさんはここにどれくらい前からいるの?」
 「僕がここにきたのは……三年前ぐらいだったかな。それからずっとお墓を掘っている」
 「へぇ〜。そういえば、ここは他に誰かいるの?」
 「うーん、いるんじゃないかな?僕は会ったこと無いけど」
 「どうしてそう思うの?」
 はかもりさんはどこからか取り出した水筒の水を飲みながら言う。
 「だって人がいないとお墓作れないじゃないか」
 それから一時間ほどはかもりさんと話をし、そろそろ出発することにした。
- Re: myosotis -ワスレナグサ- ( No.5 )
- 日時: 2016/08/24 14:16
- 名前: fakar (ID: nH0S84tQ)
- 「お話ありがとうございました。はかもりさん」 
 「いえいえ。僕も君と話せて良かったよ」
 そう言いつつ、はかもりさんはポケットから何かを取り出し、それを私の手の上に置いた。
 「これを君に。餞別だと思って受け取ってくれ」
 それは千切れた楽譜の切れ端だった。
 楽譜は手の中で淡く光だし、視界を白く染めていく。
 それはいつかの記憶。
 まだ小さかった私に青年はやさしく語りかける。
 「ニナ。約束をしよう」
 青年は私の視線あたりまで屈み、私を抱き締めながら言う。
 「僕は何に変えても君を守る。だから君は忘れないでほしい」
 「忘れないでって、何を?」
 「僕を……、そして僕の作り上げたモノを」
 青年はどことなく悲しそうな表情で言う。
 忘れるわけがない。忘れられるはずがない。
 その思いを証明するように、私は言葉を紡ぐ。
 「忘れられるわけがないよ……○○○○(よく聞き取れなかった)」
 「今のは…?」
 「君の記憶だよ。よかった。それは君のものだったみたいだ」
 今のが私の記憶なのか。
 そう思い、さっき見たものを思い返してみる。
 ……あの青年は一体誰なんだろう?
 「それじゃあ、僕は行くよ。また会えるといいね」
 はかもりさんはそう言い残し、どこかへと去っていった。
 「行っちゃったね。いい人だったなあ…。まっくろさんもそう思うよね?」
 まっくろさんは静かに頷く。
 「…そういえば、はかもりさん私とはよく話してたけど、まっくろさんとはまったく話してなかったよね。何でだろ?」
 まっくろさんはさあ?と行った感じで首をかしげる。
 まあ今ここで考えていても仕方ないよね。
 私たちはお墓から伸びる一本道を進んでいった。
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