コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- たそがれ繚乱
- 日時: 2017/03/12 15:40
- 名前: 薄葉あた丸 (ID: nwPs/loq)
- ‥…━…‥・‥…━…‥ 
 季節が巡り、春が訪れると君を思い出す。
 私たちは何度これを繰り返したことだろう。
 その手に刀を握り締めた女は、森の奥で空を見上げた。
 高貴な着物に身を包んだ少年は、皇宮の中で一人佇んだ。
 これから先も、どこからか聴こえる鈴の音に耳を傾けながら君を想うのだろう。
 『蛍の光を追いかけて——』
 『——花が咲いたらまた会おう』
 これは、とある皇国で起こった可笑しくも儚い物語。
 ‥…━…‥・‥…━…‥
 はじめまして。
 そうでない方は、こんにちは!
 薄葉あた丸と申します。
 以後お見知りおきを。
 早速ですが、完結していない作品を掛け持ちしているものの、この度新しい小説を書かせていただくことになりました!
 更新スピードが不安定なのは、あらかじめご了承くださいm(_ _)m
 コメントはどんな方でも大歓迎です!
 感想などもよろしければお願いします。
 荒らしはお控えください。
 最後まで書き終えるよう頑張っていきたいと思いますので、あたたかく見守っていてくださると嬉しいです。
 《お客様》
 ・プチシュークリームさん
 ・てるてる522さん
 ・マル彦さん
 ・朔良さん
 ・珠紀さん
 《目次》
 【短夜〜過ちか運命か〜】 >>01 >>06-08
 この物語は、たった一度の鬼退治によって始まる。
 【花冷え〜笑う皇子〜】 >>11 >>15-16
 月の霞んだ夜、皇宮での出来事。
 《挿絵など》
 ・光河真皇子 >>12
 《作者の他の作品》
 ・私がヒーローになるまでの話
 スレッド設立日:2016.12.25
- Re: たそがれ繚乱 ( No.9 )
- 日時: 2017/01/22 16:36
- 名前: マル彦 (ID: r5KTv1Fp)
- こんにちは! 
 何だか魅力的な題名で惹かれました。和風のお話大好物です。
 薄葉さんの文章は相変わらず目が離せなくて入り込みやすいですね。
 読ませていただきました。
 主人公の朔さんの、かっこよくて綺麗で……というのがとても好きです。
 お上品な女性だと思っていたら、まさかの剣士!
 あと、ここまで読んで、翠さんが素敵すぎることに気づきました(笑)
 一番に「傷を見せて」と言うところがイケメン。
 続き楽しみにしています。
 頑張ってください!
- Re: たそがれ繚乱 ( No.10 )
- 日時: 2017/01/25 19:30
- 名前: 薄葉あた丸 (ID: r5KTv1Fp)
- こんにちは! 
 コメントありがとうございます。
 私も和風もの好きです。気が合いそうですね((o(´∀`)o))!
 マル彦さんは相変わらず褒めるのが上手ですね。
 いつもマル彦さんのコメントに励まされます。
 ありがとうございます!
 キャラクターを好きになっていただけて嬉しいです。
 気合を入れて磨いていきたいと思いますので、
 これからも見守っていただけると(´▽`)
 マル彦さんの小説にもお邪魔させていただきますね!
 それでは。
- Re: たそがれ繚乱 ( No.11 )
- 日時: 2017/02/03 20:44
- 名前: 薄葉あた丸 (ID: r5KTv1Fp)
- 【花冷え〜笑う皇子〜】 
 月に叢雲、花に風。
 良いことには邪魔が入りやすく、長続きしないという意味だ。月を隠す雲のように、花を散らす風のように。
 そのような事は、とうの昔にこの身で感じている。
 この命が、近いうちに果てるということは。
 皇宮でいくら優雅で満ち足りた暮らしをしていたとしても、俺の中で命を喰い荒らす虫には敵わない。
 だからこそ、俺はのんびりと生きてゆきたいのだ。
 そう思いながら、縁側に腰掛けて茶をすすった。
 ふと見上げると、どこまでも続く深い闇には、宝石をばら撒いたようなきらきらが——なんて想像するのはもう飽きてしまった。
 ここは十分に空気が澄んでいるが、綺麗に星が見えるというわけでもない。
 ましてや今日は曇りだ。月すら朧げに、弱々しく光を放つ。
 全てが微妙な夜空のもと、ため息でもついてみれば少しは溜まった疲れを癒せるか。
 「お若いのに、光河真皇子様はいつなる時も落ち着いていらっしゃいます」
 俺の付きである爺が、恭しく言葉を述べた。
 優美な品格をもちながらも頼り甲斐のある爺は、昔からの俺の側近だ。
 言われてみれば、俺は爺よりもじじいらしかった。
 のんびりした性格だという事は自覚しており、最近はよく爺を困らせているということも分かっている。
 年が若いというが、俺はそんなに若いわけではない。
 十五の時に我が身へと魔物が入り込んだ時から、身体が成長することをやめたのだ。
 魔物の正体は未だ判明しないが、父上も母上も事を重大に捉えていない。
 第三皇子である俺は、帝の後継をすることはないからであろう。
 それならば、せっかく貴族に生まれたからには貴族らしく振舞うだけでもしてから、魔物にこの身を譲ろうと思っている。
 生き急いでは空回りするだけだ。
 このように平和に暮らすことが出来るのもまた、貴族の特権である。
 というのもまあ、俺の考えだが、じじいっぽさが拭えないのは年のせいではなく幼い頃からだ。
 実年齢は伏せておくとしよう。
 だが、爺の年には追い付かない。
 「もうじき果てると思うと、息をしていることすら阿呆のように感じてしまうからなあ」
 冗談交じりに言ったのだが、途端に爺は青ざめた顔をし、俺を叱るように声を張った。
 「軽々しくそのような言葉を口になさらないでください」
 本気で心配してくれているのだろう。
 焦る表情と震える唇が、それを物語っている。
 「そんなに恐い顔をするな。冗談だ」
 口の端を吊り上げて見せると、爺は呆れたようにため息をついた。
 もう一度、空をあおいでから湯呑に口をつける。
 ふと、ささやかな幸運に気付き、自然と笑みがこぼれた。
 「おお、茶柱が立っているではないか。ほれ、爺」
 淡い薄緑色の中で、小さな棒がゆらゆらとしていた。
 俺は爺の顔の前に湯呑を差し出し、茶柱を確認させる。
 それでも苦い顔をしているので、俺は仕方なく独り言にとどめた。
 「何か《いいこと》があるとよいな」
 ぷかぷか浮き沈みする茶柱が「きっとあるさ」と言っているような気がして、俺はまた口元がほころんだ。
- Re: たそがれ繚乱 ( No.12 )
- 日時: 2017/02/07 22:39
- 名前: 薄葉あた丸 (ID: r5KTv1Fp)
- 参照: http://www.kakiko.info/upload_bbs3/index.php?mode=image&file=376.jpg
 花冷え〜笑う皇子〜 の挿絵を貼らせていただきました!
 イラストは、最近登場した光河真皇子です。
 現時点では茶を飲んでノンビリしているだけの彼ですが、主要キャラなのでこれから茶以外にも活躍していきます。
 せっかくなので、彼の紹介を少々……。
 【〜光河真皇子 (ひかりかわまことのおうじ)〜】
 百華皇国の第三皇子。
 十五歳の時に正体不明の魔物に取り憑かれてから身体が成長しなくなり、今でも少年の姿をしている。
 穏やかで寛容な性格だが、短命を承知していることから少々投げやりな面もある。
 弓の名手でもあり、その腕は皇国一と称されるほど。
 好きなもの、 寝ること・日向
 嫌いなもの、 狩り・満月
 ———
 不定期な更新ではありますが、これからもどうぞよろしくお願いします!
- Re: たそがれ繚乱 ( No.13 )
- 日時: 2017/02/08 19:35
- 名前: 朔良 ◆oqxZavNTdI (ID: raanz7.S)
- 初めまして、朔良と申します 
 題名からずっと気になっていのですが、やっと読ませて頂き、コメントを残していく準備が整いました!
 すごくすごく朔さんが素敵な女性ですね!
 格好良くて男前で、正義感が強くて落ち着いていて上品で、まさに理想の女性だなあと思いました!
 心の中では女の子に毒づいていますが、本当は優しくてやってあげている感じが可愛いなあと思いました。朔さんに"可愛い"という言葉は失礼な気もしますが笑
 翠さんが指輪をあげた時の反応には微笑ましく思ってしまいました。この指輪が意味する本当の意味を知ったときの朔さんの反応がすごく楽しみです。
 薄葉あた丸さんの文章は丁寧ですごく読みやすいな、と思いました! 見習いたい文章です
 陰ながら更新応援していますね!
 頑張って下さい!
 
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