コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 愛し愛され、騙しあう。
- 日時: 2016/07/06 20:02
- 名前: あさぎの。 ◆TpS8HW42ks (ID: MwvvJcXZ)
- 私は愛し、君は愛され。 
 彼と彼女は、愛しあい、騙しあう。
 ——たった二文字のその言葉が、言えないだけなのに。
 × ×
 △ご挨拶
 初めまして、あさぎの。と申します。
 以前ここで書いていたこともあったのですが、完結させることができなかったので今回は頑張りたいと思います。
 更新するペースはとても遅いですが、よろしくお願いします(´`**)
 コメント大歓迎です。
 ですが、荒らしなどはご遠慮ください。
 △目次
 1章:私と彼は共犯者、あの子と君は——、
 >>001 >>004 >>005 >>008
 2章:甘い毒と、危険な香り。
 >>013 >>016 >>017 >>018
 3章:彼と彼女が、似ている理由。
 >>021 >>022
 △人物
 高槻 鏡 (たかつき きょう)
 六条 洸 (ろくじょう ひかる)
 一ノ瀬 絢都 (いちのせ あやと)
 北見 なゆ (きたみ なゆ)
 △お客様
 いろはうたさん
 こんさん
 ヒトミさん
- 私と彼は共犯者、あの子と君は——、 (3) ( No.5 )
- 日時: 2016/05/04 13:25
- 名前: あさぎの。 ◆TpS8HW42ks (ID: Vn0ufRQg)
 私は洸が好き。
 絢都は、なゆが好き。
 どうしようもない恋情を互いに吐き出して、どうしようもない劣情を胸に抱えて。三年前からずっと、私と絢都の歪な関係は続いている。失恋同盟、と言えば聞こえはいいけれど、実際のところ共犯者。
 「——……う、おい、鏡!」
 「……私、寝てた?」
 「うん。もしかして、徹夜して勉強してた?」
 
 今は昼休み。
 まだまだ重たい瞼をこすりながら徹夜ではない、と答えると、口角を引きつらせたのは洸。私の想い人。
 面倒見がよくて、裏表がなくて、明るくて。顔も整っている彼は、男女問わず人気が高い。まあ、彼の恋人がなゆという美少女なので、女子は手出しできないみたいなんだけど。
 そんな洸は、不衛生らしい私の世話をよく焼いている。それは洸らしい気遣いで、手のかかる幼馴染以上の認識がないことは分かってるけど、嬉しいものは嬉しくて。
 「最低限の飯は食えよ」
 「うん。てか、そんなに心配なら洸が作ってよ」
 「それはめんどい」
 「えー、洸の料理美味しいのになあ」
 褒めると弱い洸をおだて、下心満載で彼に近づく。本当に私は屑だ。
 私の予想通り洸は褒められたのが嬉しかったようで、しばらく悩む素振りを見せていたけど、やがて頷き、「週に何回か、な」と白い歯を見せて笑った。
- Re: 愛し愛され、騙しあう。 ( No.6 )
- 日時: 2016/05/04 17:34
- 名前: こん (ID: vfhHNd5c)
- こんにちは。 
 はじめまして。
 こん、と申します。
 題名に惹かれて読みに来ました。
 文書の扱い方や展開の持って行き方、とてもお上手ですね。
 読んでいて、その世界観に引き込まれていきました。
 とても続きが気になります。
 更新、頑張ってください。
 また読みに来ます(^^)
- Re: 愛し愛され、騙しあう。 ( No.7 )
- 日時: 2016/05/13 22:16
- 名前: あさぎの。 ◆TpS8HW42ks (ID: dfKYMG8n)
 こんさん
 初めまして!コメントありがとうございます。
 そして、返信が遅れてしまい本当にすみません…::
 題名に惹かれて……。
 嬉しいです、ありがとうございます(´`**)
 こんさんはとても褒め上手ですね、私舞い上がりそうです。
 期待に応えられるように、これからも頑張っていきますね!
- 私と彼は共犯者、あの子と君は——、 (4) ( No.8 )
- 日時: 2016/05/23 18:36
- 名前: あさぎの。 ◆TpS8HW42ks (ID: LN5K1jog)
 色素の薄めな瞳を細めて、彼はあの子の、色の髪を撫でた。
 あの子は、ぱっちり二重の目と赤くて小さな唇をふにゃりと緩ませて、笑った。
 ——それはもう、綺麗に。
 裏庭でイチャイチャしないでよ、なんて思っていた私の頬には、知らぬ間に涙が伝っていたらしい。本当に馬鹿だ、今更泣くなんて。頬を濡らした涙を乱暴に袖で拭き取り、ぐっと唇を噛みしめた。
 .
 「一ノ瀬君と高槻さんって、付き合ってるの?」
 よく聞かれる、この質問。この質問に対して、私と絢都は肯定も否定もしないスタンスをとっている。適当にはぐらかしたり、「秘密」なんて微笑んでみせたり。
 だから、私たちを恋人同士だと思っている人は多い。でもまあ、もう一度言うけど否定する気はない。その方が便利だしね。
 私と絢都は、共犯者。
 利用しあって、この関係を築いてきた。
 秘密は共有するけど、干渉はしない。時には慰めあい、時には利用する。そんな歪な関係で結ばれた私たちの中には、特殊な絆があるのだろう。
 泣いてから、私はまた絢都と話していた。一粒だけ流した涙だったのに、絢都にはすべてお見通しのようだ。すぐに見抜かれた。エスパーかよ、と睨むと、彼の異変——というか不思議な点に、気が付いた。
 
 「……マスク、何でしてるの」
 彼の口元を覆う、真っ白いマスク。絢都がマスクをするのは完全オフのとき、つまりは私といるときだけなのだ。彼曰く落ち着く、とのことだが、マスクが苦手な私にとっては理解しがたい。
 眉をひそめた私に、絢都は軽く肩を竦めて、何でもないように首を振った。
 「何となく」
 「嘘つき。裏庭で、絢都も見てたんでしょ」
 何となくでマスクをする訳がない。だってマスクは、絢都にとってスイッチだ。オンとオフの切り替えは、完全にその白い仮面によって行われている。
 じっと見つめると、絢都は観念したように目元を歪め、こくりと静かに頷いた。……何だ、絢都も見てるんじゃん。私は、泣かない強さはどこから来てるの、と問うた。すると返事は一言だけ。
 「慣れ」
 簡単な答えだった。でもそれは、一番難しいこと。それが出来たら苦労しないよ、と溜め息交じりにつぶやく私に、絢都は「だろうね」と笑った。
 儚くて悲しげで、今にも消えそうな笑みだった。
- Re: 愛し愛され、騙しあう。 ( No.9 )
- 日時: 2016/05/14 00:53
- 名前: いろはうた (ID: b4ZHknAo)
- か、悲しい…… 
 じりじりするような片思いの気持ちが伝わってきます……
 でもいろはうた、これだけはわかりました。
 なゆちゃん、絶対美人だ(確信
 赤い唇とか、ぱっちりふたえとか、
 嫁に来てほしい(切実
 静かな中にも、焼けつくような気持ちが伝わってくる、
 相変わらず素敵な作品ですね……
 これからどうなっていくのでしょうか……
 失恋同盟のおふたりはなにか行動を起こすのでしょうか……
 激しく気になります……
 更新がんばってください!!
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