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Ⅴ

「えっ......えっ!?」
「うん......??」

俺の顔にはうっすら汗、目の前の奴は〝?〟な顔をしている。

ヘッドフォンをしていて良く見て居なかった俺は久々にドジを踏んだ。
あぁ......この事を嘉音に話せば凄く笑われるor呆れられそうだ。

「えっと......」
目の前の奴は、なんて言おうか言葉を探り出しているようだった。

「名前はなんて...いうの?」
突然の事で目を見開く。


ただ他にどうすればいいのかも良く分からずに、

「...栗田玲那。女子じゃねえから。」
名乗り一応の注意も言う。

名前を言えば大抵女子と間違われる。

名前だけじゃ無くて、この中世的な顔のせいでもあるだろう...
鏡を見る度に腹が立って鏡を殴り割りたくなる。


「そっか!　宜しくね。」
案の定相手は嬉しそうに笑う。

......俺はあまり笑わないから表情が変わるのを見ると何処か不思議な気持ちにさせられる。


「私は白洲未希。この病室で過ごしてるけど...」
敏感な所を言われる。

「俺は...隣の病室......」
俯いて、再びヘッドフォンに手を伸ばす。

「私もそーゆー事あるから大丈夫!!　寧ろ1人だったから嬉しかった!」

確かにこういうタイプは間違っても笑って誤魔化せそうだなぁと感じた。

何処か雰囲気が嘉音に似ているなと思う。


「また来てね〜」

今日出会ったばかりの奴。
初対面の奴に暴言を吐かなかったのは久々かもしれないな。

【続く】

旅人さん応募の〝栗田玲那〟くんです!←
イメージに合っていると良いなぁ。

byてるてる522