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Re: 約束の剣〜デスゲーム〜 ( No.8 )
日時: 2015/11/23 18:22
名前: アウリン ◆gWIcbWj4io (ID: L3qeerbj)


 北門を出たところから。


———


第二章  眠りの森の美女


〜2〜

 しばらく歩いてもモンスターに出会わない。
 今回のクエストは『北門の外に居るレッドスライムから、アイテム・レッドジェムを3つ納品する』というもの。
 しかし、肝心のレッドスライムに出会わないぞ?南門とはかなり違うらしい。

「やっぱり歩くんだね……」
「時間がかかりますし、騎獣は欲しいですね」
「召喚獣も」
「それは移動手段ではないでしょう」

 三人は本当に仲が良い。いつも私が話において行かれるのだ。

 騎獣とは、移動手段の一つだ。自分で野生の騎獣と契約すれば、騎獣は自分に従ってくれるようになる。ペットショップ的なところで騎獣を買うと、やはり戦闘になった時に攻撃が当たると逃げてしまう。しかも帰ってこない事が多々あるらしい。(死んだ騎獣、多数)

 野生の騎獣は戦闘経験もあるから援護してくれる事もある。その上、逃げだしたとしても上下意識が強いから必ず戻ってくる。(死んだ場合は知らん。まあ、その辺は隠れてるんじゃないかな?)

 そんなわけで野生の騎獣が人気だ。
 ただし、契約するのはかなり難しい。

 ここはゲームだから、どうしても戦闘になったら相手を殺すしか方法がない。
 つまり、騎獣にしたい動物をもっと強い何かから守るか何かして認めてもらわなければいけないのだ。実力行使、もしくは戦って強さを認めさせ……なんてことは無理。どちらかが死ぬまで続く。

 馬鹿なやつはすぐに契約してくれるが、その分弱い。強いのは賢い動物ばかりで、忠実だがその分利害が一致しなければ契約はしてくれない。

 もうひとつの手段として、団体の長を言いくるめる事も出来る。
 先ほどの通り、賢い動物は上下関係が厳しく、主には忠実だ。主がその団体の長に当たるわけだから、長の命令であればそれに従う。
 だがやはりこれでも表面上は自分を主としてくれているが、心の中ではその長が主ということだろう。自分が捨てられる可能性がある。

 召喚獣においては全くこの件とは関係ない。ほとんどが攻撃用に使われる。いわゆる自分の使い捨ての盾、みたいな。

 ……なんか私、かなりバッサリとした性格をしているな。さっき、酷い事をさらっと言ったぞ。

 まあ、そんな事を考えながら奥へ奥へと進んでいると、やっとスライムが出てきた。

 さすがにスライムは騎獣にはならないよね。獣じゃないし、馬鹿だし。そもそも、「契約って何?」から始まる。乗った途端に食べられるな。スライムは確か目の前にいる者を餌としか認識していなかったはず。
 モンスターの中で一番バカなんだと思う。ショップに並んでいるところを見た事は無い。

「あれ、囲まれた?」
「みたいだね」

 どうやら団体作戦らしい。
 スライムって馬鹿じゃなかったの?もしかして進化した?

「なるほど、これは団体作戦というより、私たちが中心に突っ込んだ形 ですかね……」
「今まで見なかったわけだ」

 ちなみにしゃべっているのは全て私以外だ。私はここまで頭が回らん。

『じゃあ、ルーシーは後ろをお願いします。私たちは正面を』
『了解』

 一応PTリーダーのマリアからテレパシーが飛んでくる。
 それに私もテレパシーで答え、早速、問答無用で襲いかかった。

 そう言えば魔法剣は存在するらしい。だが、まだ手に入れていない。おじさんの話によるとそれはかなりのレアアイテムで、手に入れても売るバカはいない為、手に入らないらしい。
 まさにあれだ、お金の価値をつけられない、ってやつ。恐ろしや。

 こんな事を考えながらも、私たちは着々とスライム達を片づけていたり。

「なんか一向に減りませんね〜」

 マリアが若干キレ気味だ。

「だね〜」
「さっさと消えてくれないと、こっちは町に戻れないし」

 まあ、用事はもう済んだだろうからね。アイテムは確認していないけど、これだけ倒していればジェムくらい手に入るだろう。

 キレていないのは私だけのようだ。もしかすると私だけレベルも高いし、余裕があるからキレていないだけなのかもしれないが。
 そうはいっても、いつまで続くか分からないこの戦闘である。

『じゃあ、皆でじわじわと逃げる?』
『ですね』
『了解っ!』
『イエッサー!』

 この戦闘から抜けられた時を想像したのか、最後の方はやけにハイテンションだ。そこまでこのモンスターたちが嫌いか?うじゃうじゃいる、うねうねした、ぐにょぐにょって奴が。
 ……うわ、自分で声に出してみると、きもい。

 とにかく、そんなこんなでモンスターの異常な大軍を抜け、南門まで戻ってきた。

「ふはあ、疲れた〜」
「お疲れ様」

 私はそこまで疲れていない。

 三人がダウンしている間、私はPT共同アイテムウィンドウを開く。
 PTを組み、そのチームでモンスターを倒した時はここに一端アイテムが移される。あまり放置しすぎると、アイテムの受取期間が過ぎ、アイテムは消滅してしまうらしい。

「なんかアイテムありますか!?」

 すぐさま食いついてきたのはローズだ。
 先ほどから思うのだが、ローズは馬鹿……コホン。その、ノリが良いというのか……。この三人の中では間違いなく末っ子ポジションだ。長女はマリアだな。頭の回転速いし。

「うーんと……。不思議な事に何にもない」
「あれぇ?」

 これには私も驚いた。
 あれだけ魔物を倒しておいて、たったの一つもアイテムがないなんて。何故だろう?

 もしや、と思い、自分専用のウィンドウを開いても見るが、やはり何もなかった。

「何にもないね……」
「何故でしょう?」

 しばらく全員で考えていたが、一向に答えは見つからない。

「外に行って、他のプレイヤーにも聞いてみる?」
「そうだね」

 アーナの提案に私たちは頷く。
 私たちが外に出ると、そこはやけに騒がしかった。


———


 どうもアウリンです。こんばんわー。もうすぐご飯ですよー。

 これといってすることもないので(「宿題は?」「何のこと?」)選挙をしてみたいと思います!

 いわゆる県知事がどうのこうのな選挙とは違いますよ?純粋に、どのキャラクターが好きかの選挙です。


  「名付けて<キャラクター選挙>だ!!」


 ……ごめんなさい。

 選挙はだいたいのメンバーが出そろってから行います。始まるときには言うので。
 投票したい方はコメントでお願いします。

 スレを立てたほうがいいですかね?