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- Re: 雨漏り傘。【短編集】 ( No.10 )
- 日時: 2016/03/16 19:58
- 名前: 洸。 ◆qiPqkmYC.c (ID: ZSw8dY6l)
「らぶоrらいく 3/3」.あの、さっきコーヒー出しましたよ.
「え、なんで!?」
部長の口から出た言葉は、衝撃も衝撃であった。
確かに私は新人だが、そんな悪くない出来のはずなのに。
なぜかよろめき足が崩れかけたが、踏ん張り両腕でバランスをとる。
やり直し……その言葉に、私の寝不足が増す気がした。
部長は、浮かべた笑みを崩さす補足として説明をくれた。
「質問にお答えすると、ただ一つ。
———如月さん、字が汚いうえに涎が書類についてますよ」
×
「ふ、ふはははは! 如月おまえ……っよだ、ははははは!」
「笑いすぎですよ先輩……私の身にもなってくださいよお……」
「お前の身って……俺は部長に同情するけどな。
誰が好きで、お前の涎のついた書類見たいんだよはははっ」
机に伏せる私に、先輩は横目でその姿を見ながら失礼極まりないことを言った。
ちゃっかり出た涙を指で拭き取りながら、大きな手の平で頭をポンポンと叩く。
きっと、イケメンな男の人がやるなら胸がときめくのだろう、この動作も。
取り敢えずコーヒー出せ、そう先輩に言われ、私はショック半ばで立ち上がった。
×
なんだか、ここに来るのも嫌になってきてしまった。
そう、部長室。———やる気のない右手を持ち上げ、2回軽くノックする。
3秒間ほど間が空き、中から変わりのないイケボな甘いボイスの返事が聞こえた。
「失礼します———コーヒーお持ちしましひゃっ!」
最後まで言葉が続かなかった。
ドアを開けるとそこには部長の姿があり。
ドアが閉まると同時に降り注ぐ、柔らかい“何か”。
理解するのに数秒を有した。そして気づく。———キスをしているのだと。
「如月さん……またあとで、コーヒーを持ってきてください」
耳にそうささやかれ、思考が停止する。
この世の女性だって、この状況下に置かれると頷く他あるまい。
部長の腕の中に収まる私は、今日、幾度も部長室を訪れることとなった。
× ×
あー長い(笑)
3話に分けたものの、終わりが難しかったです……((+_+))
コーヒー一体、どうなったんでしょう(笑)