コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 姉とは間逆な俺
- 日時: 2015/12/19 21:28
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
長編二つ目です。
一日ひとつはキツいと感じたので一週間に2、3回のペースで投稿させていただきます。
登場人物
立花 霧斗 (たちばな きりと)
一般的な高校生。少し問題アリの姉と一緒に二人暮らし。両親は交通事故で無くしている。
立花 冷 (たちばな れい)
21歳でまだ働いてはいない。弟(霧斗)と中学生までは剣道をやっていた。弟は、バイトを一生懸命やってもらって家賃や電気代も払ってもらってる。
以上、詳しい登場人物です。
ちょっとずつ投稿していくので宜しくお願い致します!
Page:1 2
- Re: 姉とは間逆な俺 ( No.1 )
- 日時: 2015/12/19 21:53
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
一話 姉の生活
…はっきり言って、俺は姉の生活には困っている。
理由も無いわけでもない。生活の仕方は規則正しいとは言いがたい。
でも…唯一許せないのは…
働いていないことだった。
「……姉ちゃん、何やってんの?」
「んぇ?アニメ見てるけど?」
「………俺が勧めた仕事場所はどうした。」
「あー、あれね。えっと、何だかつまらなそうだからまた今度ゆっくり決めるよ。」
まぁ、こんな感じにのんびりしている姉。冬だからってこたつに入ってアニメばかり…PCを庭に投げ捨てたい所だが、可哀想だから手を止めた。
「へぇ〜、で、それで決まった事ある?ないよね?」
「また怒ってるの?そんなに怒らないでよ〜。」
「怒る原因を作ってる人をちゃんと知ってから発言してくれ。」
「で、私にはどうしてほしいの?」
「働いてほしいの。」
「また今度ね。」
と、この様にループしてしまうのだ。これがどうにかならないのか…。
「……はぁ…。聞く耳も持たないか。」
「就職しなくて恥ずかしくないの?友達から嫌われちゃうよ?」
「え…」
何らかの反応を見せた。友達には嫌われたくないのかな?
「そ、それもそうだけど。就職する場所が…」
俺は高速でゴミ箱に手を突っ込んで前渡した就職先のプリントをテーブルに勢いよく置いた。
「じゃあ、このプリントは何かなぁ?」
「えーと…仕事の就職先?」
「分かってるのなら働いてよ。友達はもう働いてるんだろ?」
「空港で…。」
「頑張れ。俺は応援するよ。」
「そんな事言われたって、どうやって入ればいいの?」
そこからか、とつっこみたくなってしまった。精神年齢何歳だよ。
「面接ってのから始めるんだ。会社に入りたい目的とか。」
「あ、それか。」
「本当に働いてもらわないと困るって。家賃とか払ってんの俺だぞ?料理も作ってあげてるし、食材だって自分で買ってくるし…。」
さすがに自分はこれもキツいと感じていた。一週間にバイトの休みの日はないのだ。
「働けばお金なんていくらでも入るでしょー?」
「家賃とかを全部払うんだぞ!?まともに好きなのを買えないんだぞ!?」
「私が働けば私もそんな感じになるじゃん。」
「お金をわけ会えばいいの!そこまでケチな姉じゃないでしょ?」
「それに、わけあえば残りの金を自由に使えるんだぞ?姉ちゃんの好きなアニメとか、小説とか、漫画とか!」
「た、確かに。」
姉は『金』という言葉に反応していて仕事の事については聞き出さない。これはうまくいったかもしれないぞ!
「じゃあ……気が向いたらね。」
「結局それか!」
まぁこれが俺の姉。常にマイペースで焦りを見せない。それでも優しい所も時々ある。……でもダメな部分もその分多い。
- Re: 姉とは間逆な俺 ( No.2 )
- 日時: 2015/12/20 21:56
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
そろそろクリスマスですね。あなたは誰と過ごす?
2話 バイト体験
とりあえず、今日は休み。あと少しでバイトの時間になるが、そのうちに今度こそ姉を誘ってみる。
「ねぇ。」
「ん、何?」
「俺、これからバイト行くんだけど一緒に働いてみない?今日働くんじゃなくて、色々手続きをした後。」
「人の勝手でしょ。お姉ちゃんそんなのに興味なーいーの。」
ここでいくらか沈黙が流れる。
「………クソがっ!!」
勢いよくテーブルを叩きつけた。姉はびっくりしたようでこたつの中でビクンッと反応した。
「ど、どうした…の?」
「……気に入らない。」
「え、何が。」
「…お前がだよ!」
こたつを勢いよく蹴りあげた。これはもう脅すしかない、と思った。足が少々痛んだが、姉に反応はあった。
「ご、ごめんなさい。何が気に入らなかった?」
「就職していない所。いますぐ働け。」
「…………」
「…おいっ!!」
「はっ、はいぃ!?」
「は・た・ら・け。」
もうこれ以上断ったら駄目だと判断した姉はこんな行動をとった。
「…はいぃ…すいません…。」
勝った、計画通りに進んだ。いつもぐーたらしてる奴を叩き起こしたのだ。なんて気持ちいいんだろう。
「じゃあ就職先に電話しろ。これが電話番号。」
勢いよくテーブルに叩きつけた。姉はビクビクしてる。
「わ、分かった。」
ピ、ピ、ピ…という音が響く。俺は腕組みをして睨む。
「え、えと。そのここの店の人ですか?えっと…その…」
姉はチラッと俺の方を向いた。俺は甘えても無駄だという風に目をそらして電話番号を書いた紙を捨てた。
「…あの、就職に手続きをしたいのですが、どうすればよいですか?……えぇ、はい。…立花冷です。…はい。」
就職してくれるのはともかく、一つ就職する際に姉にはとある気になる点があった。
週に何日働くかだ。
「はい…はい…えっ、決めるんですか?…じゃあ、えーと…一」
「おい!」
「…間違えました。週3でいいです。…はい…分かりました。」
「終わったか?」
「こ、怖いよ。」
「誰に対して言ってる?まさか俺に?」
「ご、ごめんなさい。」
弟に負ける姉とは。なかなか呆れてしまう。でもこれで一安心出来る。
「じゃあ、俺はバイトだから。行ってきます。」
「い、行ってらっしゃい。」
「…………はぁ…!すごく怖かった!弟があんな性格だったなんて初めて気づいた…。」
ということで、バイト場所についた。普通のカフェだ。
「こんにちわ〜…と…。」
「…ん?霧斗か。」
俺と同い年で幼馴染みの李河。なかなか冷静な一面がほとんどで、たまーに居眠をしてしまう。他の人に馬鹿にされると容赦なくブチ切れる。
「お前のお姉さん…就職するって?」
「そーそー、よく知ってたね。」
「…その…店長が言ってた。」
うちのカフェは開店してまだ一ヶ月しか入ってなく、働いてる人も少ない。そこで一人や二人入るのは話題になるわけだ。
「まぁ、人が来ることは良いことだな。……この店にとっては…。」
「まぁ人が少ないしね。姉がどんな風に働くかも気になるし。」
「すぐバテて辞めるかもしれないぞ?」
「まぁ俺の姉の事だからそうだと思うけど。」
初仕事当日
「よっ、宜しくお願い致します。」
「えーっ、私が店長だ。このカフェの発展のため宜しく頼むよ。」
拍手をしてくれる人が何人かいた。まぁ、今回ので就職出来たのはいいことかもしれない。でも、これからの事が少し心配である。
- Re: 姉とは間逆な俺 ( No.3 )
- 日時: 2015/12/21 21:50
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
更新スペース、あと少しで遅くなりそう…。
あと少しでクリスマス。風邪はひいてませんか?
三話 寒さにも、疲労にも負ける。
「うぅ……へぶしょいっ!…うぅ…」
「一週間で風邪をひくなんて凄い姉だなぁ。」
「それは誉め言葉?」
「うん、誉め言葉。」
俺はニッコリして言った。まず、こんな早く風邪をひくとは思わなかった。しかも筋肉痛あり。まぁ、まともに運動をしてない姉には当然の報いだと感じた。
「へぶしょい!!…ねぇ、仕事に対してのアドバイスとかない?」
お、そう来たか。と思った。アニメ見せろだのなんのとか駄々をこねるかと思ってしまった。俺の悪い癖だ。
「えぇ…やっぱり身だしなみ…かな?」
「どこが悪い?」
「髪をちゃんと縛れ。」
姉は髪が短めで、普通髪の生えてきてるような所から髪を縛るが、姉は中位の部分から髪を縛ってる。
「何年もこの髪型だから変えたくないなぁ。」
「これ以上アドバイスはあげられない。」
「そ、それだけなんだ……ねぇ、お腹減った。」
「自分で作れよ…おかゆくらい作れるだろ?」
「風邪だから無」
「その手にはのらない。どんだけ大きな風邪なんだよ。……というか、俺こんな姉より妹が欲しかったなぁ…。」
「『こんな』姉で悪かったね。」
「謝っても許さない……って言いたいけど、今日限りはゆっくり風邪治していいよ。」
その時、チャイムが聞こえた。
「誰だろう。」
「……お見舞いに来た。」
「なーんだ李可か。ゆっくりしてっていいぞ。」
「ありがとう。」
「あっ、職場にいた人。今日休んじゃってすいません。」
「…私は別にいい…。敬語はあまり使わないでください…。」
「ん、分かった。」
「で、何しに来たんだ?」
「そのー…林檎何個か持ってきたから…。早めに風邪、治してください。それじゃあ…」
「待って!」
「…?」
「私に敬語なんて使わなくていいからね!」
「ありがとう…。」
「優しい性格な人なんだね。」
「少し静かだけどね。」
「……にしても、あと少しでクリスマスだな。」
「二人でパーティかぁ…。あっ、そうだ。李可ちゃん誘えばいいんじゃない?」
「おっ、それ名案だな。そうするか。……にしても、この時期が一番お金を使う時期、少し辛いなぁ…。」
「大丈夫だって、そう暗く考えちゃだめだよー?」
「……まぁ、そうだな。とりあえず、今は風邪を治せ。」
「はーい。」
窓の外で、雪の結晶がひらりひらりと落ちてゆく。
- Re: 姉とは間逆な俺 ( No.4 )
- 日時: 2015/12/22 17:40
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
冬休み突入。更新速度一気に上がります。
雨ニモ風邪ニモ負ケズ…って言うけど、アレルギーには対応もせずに負けます。ちなみに自分はアレルギーありません。 うん、文が矛盾してるね。
四話 馴染みの職場とは
「な、何でそういえば私だけカウンター当番?」
「別に姉ちゃんだけじゃないけど、まず俺がやってるような本格的なコーヒーを淹れるような仕事はカウンター、食器洗いを完全にこなすとなれるぞ。」
「足が痛いんだけどぉ。」
「お前だけが楽できる訳じゃないよ。計算をまず頑張れって事。」
「はぁ…あっ、えぇーっ、お釣りは20円です。」
「………お前の姉さん、大変だな…。」
「李河はいいよなぁ。姉なんていなくて。」
「いや、あんまりよくない。」
「どういう事?」
「暇潰しする相手もいない。わざわざお前の家に行かないとだ。」
少し考えこんでしまった。確かに、姉がいなかったら構われる相手もいないし、ご飯を食べる家族もいないし。よく考えてみたら俺は自由すぎる事を言っていたのかもしれない。
「私も言っていいか?」
「何を?」
「……お前は自分の姉がいていいな。」
「悪い事も無いわけではないけどね。」
「おーい、そこ、喋らないでやってください。」
「はーい!……早く時間にならないかなぁ…。」
時間がたつのは毎回遅いと感じてしまう。まず、知れ渡ってないカフェ店なので、喋ってしまう事が多いのだ。食器洗いとかは手を休まずに洗ってるのぜ暇はない。カウンターが唯一一番暇なんであろう。人が来るのを待ち、コーヒーり作り、人が来るのを待ち……そんなのがループしているのだ。
「はぁ…。やっとこの時間帯が終わった。」
「霧斗さん、李河さん、冷さん。今日もありがとうございました。今日は働いた分の給料がもらえるので、そこの所よろしくお願い致します。」
「姉が働いて一ヶ月間…か…。よく保てたなぁ。」
「私が本気を出せばたやすい物なのだ。」
「………途中までニートだったのに…。」
李河の言葉が流れた。姉はその言葉が少し刺さってしまったらしい。まぁさぞかし痛いだろう。
「でも、その元ニートだった姉ちゃんが一ヶ月も出来たのは凄いと思うよ。」
「もう脱ニートだからね!」
「一年間働けたら完全脱ニートとして認めてやる。」
「一年?もう一年終わるのに?」
「……お前の姉にはとことん呆れるな…。」
「え?え?」
「まぁもとからそんな姉だから。働いた日から365日ってこと。」
「それを先に言ってもらわないと。」
「理解出来ないお前が悪い。」
そして、給料が渡される時が来た。俺は家で使った電気の料金等が気になっていたが、姉はあまりの金で何を買うかが目的だろう。
「えぇーっと………今回もまぁまぁだな。でも電気代とかは払えそうだな。」
「お金を稼げるっていいね…。」
「もっと働けが多く手に入るけどね。」
「姉さん、貯金しとく気は?」
李河が恐る恐る聞いた。答えを分かってても。
「ないよ。」
直球で答えやがった。まぁそうだとは思うけど。
「ま、いいや。家へ帰ろう。じゃあな!李河!」
「…バイバイ。」
フー、とりあえず、今日も終わったと感じた。外がやっぱりよく冷える。姉の頬は綺麗に紅くなっている。
「ふふふ、寒いね!」
「ん、そうだなぁ。」
「こうやって二人で帰るのって久しぶりじゃない?」
「毎日バイトの時帰ってるだろ…。」
「違う違う、その前の時。」
「ん、確かにそうかも…。よく雨降ってる時とか迎えに来てもらってたな。」
何かここで懐かしく感じた。……雨の日に、このままじゃびしょびちょで帰るようになるな…と思うと、いつも姉が迎えに来てくれたのだ。
「手をつないで帰ってきた時もあったよね…ふふふ…。」
「な、何で笑った!?」
「あれぇ?顔赤くなってるよ?照れてる〜?」
「照れてなんかっ……いや…照れてる。」
「あ、珍しく正直だね。意地っ張りな所とか好きなんだけどなぁー。」
「に、にしても寒いな。早く家に帰らないと。」
「まぁ夜でだんだん冷えてきたからね。家までかけっこする?暖まるよ〜。」
「さすがに疲れてまで帰ってきたくはないかな。」
「それじゃあ…手、つなぐ?」
「………久しぶりにはいいかもね。いいよ!繋ぐぞ!」
そう言って、俺と姉は手をつないで歩きながら帰った。たまにはこうやって久しぶりに手をつなぐのもいいと思った。まぁ、気が合うのも姉弟だから…かな。
- Re: 姉とは間逆な俺 ( No.5 )
- 日時: 2015/12/28 21:39
- 名前: ジャック (ID: 5RAlDtaS)
年越しなりますね。
幼馴染みとは、一人の事ではない。あと今回短いです。
五話 相談
「ふわぁ〜…昨日はよく眠れたなぁ…。」
「よく眠れない時、あるの?」
「ん、たまにね。」
俺は幼馴染みの桜と学校に行く途中だ。姉は今寝てる。基本10時に起きるからだ。普通の人は早寝早起きをするが、姉は夜更かしを毎日毎日続ける癖がついてしまったが為に、起きるのが遅くなってしまった。そして、幼馴染みの桜は、外見がなかなかよくてモテる友達だが、イタズラっぽい性格があるのは俺しかしらないだろう。
「…で、お姉さんバイト一ヶ月保てたって?」
クスクスと笑いながら俺に問いかける。俺は悪くない。俺の姉が悪いのだ。
「まぁな。このまま一年保てばいいけど。」
「へぇ。私もバイト始めてみよっかなー。」
「んー、それは人の自由だが。いいと思うぞ。で、どこに就くの?」
「うーん…霧斗のカフェとか?」
またイタズラっぽく聞く。
「…いろんな人から人気出ると思うぞ。桜は美人だから。………性格除いて。」
「性格を除くは余計だってば。男なんてどうせ外見に惑わされていくんだから。……霧斗除いて。」
「無神経な奴とは違うから。それとも教室で『幼馴染みの桜はイタズラっ娘でーす。』って言ってもいい?」
「イタズラっ娘…ならいいかも。いい印象を保てると思うし。」
「そうか…。まぁ別にいいけどね。早く教室行こうぜ。」
教室にて
「わぁー!桜ちゃんいつも可愛いね!」
「リンス変えた?」
「桜ちゃん今日教科書見せてあげる?」
「桜ちゃん!君の借りたがってた本貸してあげる!」
桜は男からも女からも人気である。李可を抜いて。
「……なぜアイツが人気なんだ。私はよく分からん。」
「性格があまり分からないからだろうね。」
「……そうかもしれん。」
「桜ちゃーん!今日あそぼっ!」
「あっ、今日はちょっと無理かな〜!」
「えっ、なんでぇー!」
「李可は神経質すぎるからな。そこが良いところであり、悪い所である。」
「私にも欠点があるって事か。お前は他人に接しやすい事。悪い事ではない。」
「欠点がないっていいねぇ。例えば桜とかは性格が弱点だな。」
「ふむ、そこに気づかないのがアホ女子にアホ男子だが。というか桜自体がアホだ。」
「むっ!そこー!桜ちゃんの悪口言うなー!」
「悪口じゃないよ。」
「嘘つけー!」
「何で嘘って言えるの?他の人に証明できる?ねぇ?まさか俺の脳内とかは言わないよね?」
「う…そしたら言ってないっていう証拠が無いじゃないか。」
「李可が証人になる。君の大好きな桜ちゃん(笑)を守れるかな?王子様?ん?」
「桜ちゃんごめん…こんな男に口論で負けて…。」
「(明らかに嘘を使ってたけど上手いかも…。)え、別にいいよ!」
「フッ…口論あいかわらず上手いな。惚れそうだ。」
「惚れてもいいんだぞー?」
俺はそう言って李可のほっぺたをツンツンする。
「あっ…もう少しで授業だな。席戻る。」
続く。
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