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五大神姫〜桜海と朱音〜
日時: 2015/11/28 13:54
名前: 星飯 緋奈 (ID: uLBjsRTH)

みなさんこんにちは。
今回は、イナで活動していた時の初投稿作品、五大神姫〜姫君たちの覚醒〜の続きです。
五大神姫で検索するとヒットすると思うので、そちらもご覧ください。

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Re: 五大神姫〜桜海と朱音〜 ( No.1 )
日時: 2015/12/01 21:45
名前: 星飯 緋奈 (ID: uLBjsRTH)

二条家の二ノ姫市優は、五大神姫の一人、水ノ姫である。二条家の一ノ姫、優華は、関白藤原義数の娘、藤原朱音(火ノ姫)と同時に入内し、中空の位を争っているのだとか。しかし、優華も朱音もおっとりした性格で、そういうこともあまり気にせず、後宮内でも文を取り交わす程の仲だという。しかし、そんな姉と仲の良い朱音が宿下がりしたのだとか。そして市優は、彼女が宿下がりした屋敷から『仲間』の意識を感じたのだという。
「どうしよう…!土ノ姫はまだ覚醒していないみたいだし、これじゃあ…っ」
《落ち着いて、ね?鳩乃と叶斗がついているみたいだし。でも、問題は夢見かな…》
「夢見?だれ、それ。精霊?」
《うん。土ノ精霊だよ。あいつ、俺たちの仲でも特に強いんだ》
水斗はそう言って頭を抱えた。投げやりになったように、水斗は市優に言った。
《因みに土ノ姫は、桃華ってところの桜海姫》
「桜海姫、ね…」
市優は、ぱっちりとした愛らしい瞳をすっと細めて、手を叩いて女房を呼びつけた。
駆けつけた女房は、近江(おうみ)という名の女房だ。彼女は、品格ある佇まいをしているが、とても気さくで明るい性格である。市優のお気に入りの女房の一人だ。
「近江」
「はい」
「桃華桜海と言う姫に会いたいの。少し大変かも知れないけれど、お父様にお話を通してきてくれないかしら?」
「御意に」

Re: 五大神姫〜桜海と朱音〜 ( No.2 )
日時: 2016/02/12 22:04
名前: 星飯 緋奈 (ID: uLBjsRTH)

近江が下がると、市優は行儀悪く足を投げ出した。腰までの艶やかな黒髪が肩からはらりと落ちて、背中に流れる。
「姫様」
「あ、千佳」
近江と入れ違いになって入ってきたのは、市優付きの女房、千佳である。千佳は、市優の姿勢を見て、つと眉を顰めた。
「姫様、お行儀が悪うございます。二条家の姫というお立場にあるのですから、誰かが見ていなくても、きちんとした姿勢をお保ちください」
「別にいいじゃない。お父様の政敵がいらっしゃる訳でもないのだから。姫だからといって、気が抜けない姿勢を保ち続けるのは難しいわ」
「そうですか」
なんだかんだ言って、千佳は市優に甘いのだ。
「ところで姫様は、五大神姫の他に、五大神と五大姫という方々がいる事はご存知でしょうか?」
と、千佳が急に話題を変えた。
「五大神と、五大姫?初耳だわ。どんな方々なの?」
「はい、まず五大姫。五大姫は、五大神姫に選ばれた姫君達からなるのです。五がついていますから、当然人数は五人。それから、霊力をもつ姫君達がなるのです」
「へぇ…じゃあ、私が千佳を選んだら、千佳は五大姫になるの?」
「そこのところはまだ詳しく知りませんが、恐らくは。とは言え、私の霊力など、たかが知れています。いくら水斗が視えるとはいえど…」
そこで、千佳は口を閉じた。市優の機嫌を損ねるのを考慮してだ。
「そんなに謙遜する事、無いのになぁ…」


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