コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- センセイ×セイト
- 日時: 2017/01/15 21:27
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: zT2VMAiJ)
はじめまして。
鐶と申します。
未熟者ですがら暖かく見守ってやって下さい。
プロローグ>>1〇登場人物>>2
第1話>>3◎第2話>>4◎第3話>>5◎第4話>>6
第5話>>9◎第6話>>10◎第7話>>11
第8話>>12◎第9話>>13◎第10話>>14
第11話>>17◎第12話>>18◎第13話>>19
第14話>>22◎第15話>>23◎第16話>>24
- Re: センセイ×セイト ( No.2 )
- 日時: 2017/01/07 20:11
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: apTS.Dj.)
登場人物
倉西 環 Kuranishi Tamaki(高1)
明るく人懐っこい慧が好き
美術部
風間 慧 Kazama Kei(数学教師)
人当たりが良く頼もしい
美術部副顧問
笹木 宏樹 Sasaki Hiroki(高1)
無口で頭のいい実咲の双子の弟
男子テニス部
笹木 実咲 Sasaki Misaki(高1)
明るく頭のいい宏樹の双子の姉
女子テニス部
植田 征爾 Ueda Seizi(美術教師)
優しく紳士的
美術部顧問
山吉 春奈 Yamayoshi Haruna(養護教諭)
穏やかで優しい
植田先生の彼女
- Re: センセイ×セイト ( No.3 )
- 日時: 2017/01/06 18:16
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: sE.KM5jw)
第1話
梅雨が過ぎ蝉の鳴き声がチラチラと
聞こえてくる夏のはじまりの季節
ムシムシとした昼下がり
「あーつーいー」
私は机に額をつけうなされていた。
それを横の席と前の席にいる2人の
少年少女がみていた。
「環〜暑いとか言わないでよ」
前の席にいた少女が下敷きで扇ぎながら
頭にチョップをくらわす。
「暑いと思うから暑いんだよ」
横に座っている少年は汗を垂らし
本を読みながら言う。
「実咲痛い!宏樹はなんか涼し気だな。」
私は顔を上げ口を尖らした。
実咲と宏樹はあたしの顔を同時に見る
私はビクッとビックリする。
同じ綺麗な顔が同時に目の前にあると
やはり慣れない。
「実咲早く教室戻れよ。」
宏樹が実咲にお弁当箱を投げる
「ひどい!顔に傷出来ならどうするよ!」
そのお弁当箱を受け取り宏樹に
文句を言う実咲。
宏樹は鼻で笑っていた。
「覚えとけよ!」
と実咲はいい残し教室から出る。
私は手をヒラヒラと振りながら
2人の会話を聞いていた。
5時間目の予鈴が鳴る。
「おーい。授業はじめるぞ〜」
ガラッとドアが開くと同時に
男の先生が教室に入ってくる。
教室にはブーイングが響く。
「騒いでも仕方ないだろ!静かにしろ!」
教卓に教科書を置き笑いながら
皆と話す先生
私は片肘を机につけジーッとその
風景を見つめていた。
「じゃーはじめるぞ!教科書26ページ」
黒板に向いチョークを手にスラスラと
方程式を書いていく。
教科書とノートを開き皆、
黒板に書いてある事を写し出す。
(綺麗だな…。)
私はチョークを持つ先生の手を見つめていた
先生の声が静かな教室に響く。
私はそんな先生の姿を見ながら
心臓が高鳴るのを感じていた。
(風間先生…。)
- Re: センセイ×セイト ( No.4 )
- 日時: 2017/01/06 18:17
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: sE.KM5jw)
第2話
6時間目が終わり皆がザワザワと
家路につく者や部活に行く者と分かれる。
「環〜ばいばい!」
クラスの女子数人に手を振られ
私も手を振った。
「じゃー僕も行くわ。」
宏樹が鞄とラケットを肩に下げ
教室のドアに向かう。
「実咲によろしくね〜!」
私は宏樹にそう言った。
宏樹は振り返る事なく手を振った。
私はフーッと息を吐き窓の外を見る。
「風間先生〜またね〜」
女子生徒に手を振られる
先生の姿があった。
「気をつけろよ〜」
先生は白いカッターシャツを
腕まくりをし花に水をあげていた。
風間慧
数学の先生
男女問わず生徒から人気がある。
「風間〜早く彼女作れよ〜」
男子生徒とゲラゲラ笑いながら
ジャれている。
「やかましいわ!はよ帰れ!」
先生は手を振り校舎に入ってくる。
私はそれを見計らい
鞄を持ち教室を出る。
背中まである髪を1つに結び
後ろでお団子にする。
階段から足音が聞こえる。
私は小走りで廊下を歩く。
(今日もピッタし!)
私は階段の踊り場に差しかかる。
フッと横を見ると風間先生が
肩を回しながら階段を上がってくる
「あ。倉西」
風間先生の呼びかけに私はフッと笑う
「四十肩ですか?風間先生」
風間先生が私の隣に並ぶ
頭を軽くどつかれる。
「まだまだ若いですよ」
ニッと笑う。
その笑顔がすごく眩しい。
私は胸の高鳴りを抑えながら隣を歩く
美術室のドアを開け中に入る。
机の近くには椅子が置いてあり
その椅子の上に白い白衣があった。
「さて。はじめるか。」
風間先生は白衣に腕を通す
所々に絵の具が付いていて
絵の具の乾いた匂いが風と共に漂う
- Re: センセイ×セイト ( No.5 )
- 日時: 2017/01/06 18:33
- 名前: 鐶 ◆u8YacDeZBU (ID: sE.KM5jw)
第3話
私は鞄を机に置き
紺のラインが入った白いベストのまま
カッターシャツを肘まで折る。
風間先生は窓の近くにある
大きなキャンパスの前に座る。
(キラキラしてる。)
私はフッと横目で風間先生を見る。
大きなキャンパスには何も描いていない
ジッとキャンパスを眺めている先生の
横顔は窓から差し込む日と重なり
キラキラと光っているように見える。
「綺麗だな…。」
ボソッと心の声を呟いてしまった私は
ハッとなり口を手で覆う。
風間先生がフッと私を見る。
「何が綺麗なんだ?」
鉛筆に手を伸ばしながら
風間先生が私に訊ねる。
私の顔が赤くなるのを隠しながら
「その真っ白なキャンパスの事!」
そう言って私も少し離れた所にある
中くらいのキャンパスの前に座る。
風間先生は「ふーん」と言いながら
キャンパスに目を向けた。
「確かに綺麗だな…。」
風間先生がフッとほころぶ。
私も鉛筆を握り風間先生を見ること無く
キャンパスに向かった。
キャンパスに下書きをする
鉛筆の擦れる音が静かな美術室に響く。
(止まれ止まれ)
私は1人心で呟く。
風間先生は頭を掻きながら
下書きを描いている。
チラッと風間先生を見やり
私の顔はドンドン火照って行く。
(やっぱり…)
私は鉛筆を握る手にギュッと力を入れた。
ドキドキと心臓が高鳴りを止めない。
(風間先生が好き…。)
私は風間先生の横顔を見つめて
そう心で叫ぶのだった。
- Re: センセイ×セイト ( No.6 )
- 日時: 2017/01/06 21:06
- 名前: 環 ◆u8YacDeZBU (ID: /ReVjAdg)
第4話
風間先生はキャンパスを真剣な表情で
見つめていた。
私はそんな風間先生の横顔から
目が離せなかった。
すると、風間先生が横目で私を見た。
ドキッ
私は急いで顔をキャンパスに向ける。
ジーッと見られる私は
どんどん顔が真っ赤になるのが分かる。
「倉西…」
名前を呼ばれ心臓が飛び跳ねる。
鉛筆を置き椅子からたちあがり
ゆっくりと私へ近づいてくる。
バクバクと心音が速まる。
(止まって私の心臓!)
ギュッと目を瞑った。
「倉西…お前…」
声が近づいてきた。
私は身体全身に力が入れる。
「鉛筆折れてるぞ?」
プッと笑いながら風間先生は
私の手に握られた鉛筆を指さす
「えっ?」
目をあけ自分の握っている
鉛筆を見る。
綺麗に鉛筆が二つに折れていた。
「あ、あ、あ…」
私は恥ずかしさのあまりに
腹を抱えて笑っている風間先生に
折れた鉛筆を投げつけていた。
(最悪。今すぐ消えたい!)
私は心で今の気持ちを叫んだ。
すると、
「よっこらしょ」
椅子を隣に並べ座る風間先生。
スッと鉛筆が握られていた手を握り
自分の方に引き寄せた。
「!?」
私はビックリして風間先生を見る。
目から涙を出しながら笑っている
風間先生は胸ポケットから絆創膏を取り出した
私は風間先生の手元を見る。
私の傷から血が出ているのをハンカチで
拭き取り絆創膏を貼ってくれた。
「先生、ハンカチに血が…」
ハンカチに手を取ろうと手を伸ばす
すると椅子が傾いて倒れる。
「いたたた…」
倒れた身体を起こそうとすると
下に何か暖かい感触があるのに気づく
ソッと下を見ると
「痛ーッ」
頭を掻きながら上半身を起こす風間先生
私はキョトーンとした顔で先生を見ている。
風間先生がそんな私の顔がに気づき
「バーカ。なんだそのアホ面」
ビシッと鼻先をデコピンされる。
「ぎゃぁ!」
女らしくない声が響く
ゲラゲラ笑う先生の上に私は乗ったまま
「鼻が赤くなる」
と鼻を擦りながら呟くと
風間先生は顔を覗かしてきた。
「もう赤いけどな!」
そう言って私の脇に手を入れ
持ち上げた。
私はビックリしたが風間先生の隣に
ストンッと座らされる。
「怪我ないな?」
私は頷いた。
風間先生はニッと笑いながら
頭をワシャワシャ撫で回した。
(心臓爆発しそう。)
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