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Re: 君に恋する5秒前 ( No.7 )
日時: 2015/12/14 17:48
名前: めばえ (ID: DdpclYlw)

*★*☆*★第二話☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*☆*★*


「涼介、一緒に帰ろう。」

「うん。」

サッカー部のキャプテン、湊と帰るのは毎日の日課。
冬場は女子を一人で帰らせるわけにはいかないから、かおりも一緒なのだけど・・・
今は四月だし。女一人に対して男二人というのは、かおりも変に緊張するだろう。





「明日の給食なんだっけ?」

「明日は弁当だよ。お前ほんとにそればっかだなぁ・・・。」

「いいじゃん!給食のおばちゃんに、イケメンの湊くんが食べてくれるから
 おばちゃんたちも作り甲斐があるわってウインクされちゃったしー。美味しいし!!」

湊はよく喋る。明るい。優しい。よく笑う。
そんな湊は女子にもすごく人気だ。
ただし、女たらしなのがすごく残念なところ・・・。
でも、そんな湊を「まぁ、しょうがないか」と許せてしまうのは、
湊の人の良さや、雰囲気からくるものだろう。

「はぁぁ〜!っていうか早く冬こねぇかな!!」

「は?今、四月だぞ。終わったばっかじゃん。しかも今年は冬は受験勉強だろ。」

「俺は推薦で余裕だし。湊もそうっしょ?うちのエースなんだから。」

「うーん・・・わかんねぇよ?っていうかなんで?冬好きだっけ?」

「そりゃあ、可愛いかおりちゃんと一緒に帰ることができるからだよ!」

ええ・・・・・・。
あきれてため息が出てしまう。
ほんとにこいつは・・・・・・たらしなんだから。

「はぁ・・・なに?今度はかおりなの?」

「え?別に、可愛い女の子と帰れるのはうれしいし!!普通に!!」

「え・・・?・・・はぁ・・・お前ってやつは。ため息しかでない・・・。」

「あはっ!俺からたらしを取ったら何が残るんだよー!!わははー
 っていうかさ、・・・お前はかおりちゃんじゃないのな。もういやってほど聞いてるけどなんで??」

なんでって言われてもな・・・・・・。
なんだろう、グッとくるものがないっていうか、幼馴染っていうのがフィットしてるっていうか・・・。
うーん・・・・・・。

「なんか・・・・・・甘酸っぱい感情が芽生えない。」

湊が黙り、立ち止まる。そして、「ぷっ」と噴き出した。

「うわあっはっははぁぁぁ!!やべぇー、ひぃ、つ、ツボった!うふっ。」

いや、こっちは真面目なんですけど。
ちょっと膨れると、湊が涙目になりながらいった。

「いや・・・ね、別に馬鹿にしてるわけじゃな・・・いや馬鹿にしてるけど!
 甘酸っぱいとか・・・うふっ、やべぇ、お前は恋する乙女かよ。」

「だってほんとだし。」

「うーん・・・自分で気づいてないだけかもよ?」

「・・・そうかな?」

「かおりちゃんのこと嫌いじゃないしょ?女の子だなって思うしょ?」

「うん。」

「それって好きってことだから!!よかったな、おめでとう。」

「・・・!!」

そうか、そうだったのか。

俺はかおりが好きだったのか・・・・。

でも本当に??

いまいちそれがぴんと来ないのはなぜ?