コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
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- 君との恋をここにつづる【短編集】(元:ナツコイ。)
- 日時: 2015/09/01 15:35
- 名前: ととろん (ID: jo2UR50i)
 ノンフィクション+フィクションの短編集!!
 夏にまつわる恋エピソード満載!
 ”正直意味わかんない”
 →私もわかりません!
 名前は偽名で出します(普通に)
 コメントしてくれた方の作品は全て見ます!(常識ですね!)いや、是非見させてください!
 こんな駄作にコメントなんかしてくれる人いるのかな(大汗)
 あ、自己紹介忘れてました
 ととろんです!よろしくお願いしますヾ(@⌒ー⌒@)ノ
 自己紹介とその他もろもろで結構スペースとっちゃったよ…
 注意!
 ↓
 文章クソ下手です
 作者の暇つぶしの様なものです
 究極の亀更新かも(最近気づいた)
 荒らさないでね……!
 では、初回のお話を!
 ↓
 『最近気づいた事Part1』
 「真咲って小説カキコで書いてるの?」
 「えっ、ああ…まあ」
 この子は私の親友の亜希。幼稚園の頃からずっと一緒にいて、昔から仲がいい。だけど、高校に入学してからは、ずっと離れ離れだったのだ。
 久しぶりに会えたと思えば、すぐにこんな事を聞いてくる。私は、苦笑いで返した。
 「へー、そうなんだー。調べよっと」
 「えっ、ちょ」
 抵抗する私をよそに、亜希は坦々とインターネットを開いた。
 「名前、何ー?」
 「え?ひ、み、つ」
 「言わないと、ぶっ殺す」
 いつもの亜希だな、と思った。高校も違うし、もうすっかり変わってしまったのかと思って心配していたら、そんな心配はいらなかったようだ。
 指をバキバキ鳴らして、脅迫の笑顔でこちらを見てきたので、仕方なく教える。どうせ、教える羽目になるんだ。素直に教えた方が身のため。
 「○○○○○○○」
 「へー、○○○○○○○って言うんだ」
 私のペンネームを聞いて、亜希は嬉しそうに調べ上げた。あったあった、といいながら、スクロールをどんどん下げていく。
 「あ、真咲。これ、あんまり使わない方がいいよ」
 私の小説を見ながら、急に亜希が言った。
 これ、と指差したのは、とある小説のコメント欄だった。
 それは、私が初めてコメントをもらった時の返事だった。
 「何が?何か変?」
 「いや、これさぁ……」
 亜希がコメント欄の『( ^ω^ )』を指差す。
 私は首を傾けたまま、続きを聞いた。
 「この顔文字がどうしたの?」
 「これ、挑発してる顔文字だよ?」
 「え…。え?」
 正直、訳がわからなかった。
 いつも通りの冗談だと思い、軽く受け流す。
 「いやいやいや…。冗談はやめてよ、そんな訳ないじゃん!」
 亜希の肩を叩きながら、笑うと、亜希の顔が急に真顔になった。
 「いや、本気で」
 「え、嘘でしょ」
 「嘘じゃないよ、マジの方で」
 「マジか……マジか」
 亜希の真剣な顔と声で、それが本当の事だとわかった。正直、ショックでその場に倒れこんだ。
 「いや、だって、普通に笑ってるじゃん!かわいいじゃん!」
 「いやいやいや。挑発以外の何者でもないから、コイツ」
 「ショックだわ」
 「おつかれ、もうその顔文字使うな」
 「うん…そうする」
 私は沈んだ声で返したが、亜希は相変わらず笑ったままだった。
 end
 《オマケ》
 コメントしてくれた人のコメント
 ↓
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 小説拝見させていただきましたが、面白かったです!
 次回も期待してます!
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 私の返信
 ↓
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 コメントありがとうございます!!
 《略》
 まだまだ素人ですから、温かい目で見守って頂けたら嬉しいです( ^ω^ )
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
 はい、挑発です。そんなつもりは全ッ然なかったんですよ……!
 聞いてびっくりしました←
 皆さんも、( ^ω^ )←コレを使う際には十分ご注意を!
 ノンフィクション初めて書いたんですけど……酷い出来です(笑)
 以外と難し……難しいです!もう小説なのかさえ不明。
 こんな感じで進めていこうかな、と。もし良かったらまた見に来て下さい……!
 今回は私の出来事ですが、色々なジャンルに挑戦したいと思ってます!
 ○お客様○
 *とらじ様
 *冬野悠乃様
 *あんず様
 *紅色ゆりは様
 *朔良様
 *のれり様
- Re: 君との恋をここにつづる【短編集】 ( No.20 )
- 日時: 2015/09/02 08:27
- 名前: ととろん (ID: vGUBlT6.)
- 【お知らせ】 
 題名を「ナツコイ。」→「君との恋をここにつづる」に変更しました!
 応募して頂いたのれりさん、ありがとうございます!*・゜゜・*:.。..。.:*・'(*゜▽゜*)'・*:.。. .。.:*・゜゜・*
 #4「遠ざかる夏」
 私は電車に揺られ、いつの間にか居眠りをしてしまっていた。
 目を覚ますと、見知らぬ駅。見知らぬ景色。
 私の他に、誰も乗っていない。
 電車内の表示は『終点』となっていた。
 あたりは暗い。私は、何時間寝てしまっていたのだろうか。
 「あっ、会社!……ってもう完璧遅刻だよね、これ…」
 社会人1年目の私は、もうすっかり疲れ果てていた。
 学校とは違って、皆助けてくれない。
 失敗は許されない。
 新人だからといって私を虐める先輩達がいる。
 だから、1年たっても私はその会社に溶け込めなかった。
 ”辞めたい”そう、何度も思いながらも、辞めてしまったら私は食べて行けない。
 もう23歳だ。両親に頼るのは何だか情けなかった。
 取り敢えず、電車を降りた。
 「如月駅…?初めて聞いたな。いつも終点まで来ないからか…」
 駅はしぃんとしていて、人の気配がない。
 ケータイを開いて時刻を確認すると…3時…?
 そんなはずがなかった。私は午前8時にこの電車に乗ったはずだった。
 なのに、朝の3時だなんて…。
 日付をみると、『ーー:ーー:ーー』
 日付が消えている。
 私は首を傾げながらも改札機の前まで来た。
 無人駅なのだろうか。
 改札機は作動しているものの、駅員はいない。そして、人も。
 「お姉さん…一人?」
 「えっ」
 驚いて振り返ると、高校生くらいの男の子が立っていた。
 「何か食べた?飲んだ?」
 「へ?」
 「だからどうなの」
 この子は何を言っているんだろう。
 これが、今の若者達の流行りか何かなのだろうか。
 私は自信なさげに「食べてないけど…」と言った。
 「なら良かった。ついて来なよ。帰りたいんだろ?」
 私はこくりと頷いた。
 そして切符を改札口へ入れて、彼の後をついていったのだ。
 今考えてみると、何故ついていったんだと思う。
 いくら高校生くらいと言えど、危なすぎる。
 もし誘拐だったらどうしていたんだろう。
 彼は私を駅の外へと誘導した。
 「え、あの…駅は」
 「ほら、見て。君の住んでた町だろ」
 暗い駅を抜けると、光の中から見えてきたのは、紛れもなく私の町だった。
 「会社に行って来なよ。それから、何も食べたり、飲んだりしたら行けない。眠くなっても寝るなよ」
 なんでそんな事見知らぬ人に言われなきゃいけないんだ、と思いながらも、私はただこくりと頷いた。
- Re: 君との恋をここにつづる【短編集】(元:ナツコイ。) ( No.21 )
- 日時: 2015/09/02 15:27
- 名前: ととろん (ID: vGUBlT6.)
 時刻は午前9時になっている。
 やっぱり、さっきのは見間違えだったなと思って、いつも通り会社のビルへ入った。
 それにしても、さっきの言葉が気に掛かっていた。
 何も食べたり、飲んだりしてはいけない。眠くても寝てはいけない。そうしないと…ーーーーー。
 「君は死ぬ」
 さっきの事を思い返して、ぶんぶんと首を横に振った。
 いけない。あんな少年の言葉を真に受けて悩むなんて。
 仕事、仕事。仕事に集中しなきゃ。
 エレベーターに乗ると、『5』を押した。
 『扉が閉まります』と機械音が聞こえて、扉が閉まり、上へと上がっていく。
 エレベーターの中の鏡を見ながら、手早く化粧直しをして、頬をぱんぱんと叩いた。
 こうして、私なら出来る、と自分を励ましているのだ。
 いつも通りの日常が始まる。
 5階に着いた頃には、すっかり今日の事を忘れていた。
 確か昨日、いや一昨日…。私は大失敗をした。
 お得意様の会社に送る資料を、間違えて違う大企業に送ってしまったのだ。
 それは、私も中身は知らないのだが、社長曰く、とても大切なものらしかった。
 この前だってこっ酷く叱られて、みんなの笑い者にされたけど、今日もまだ、それは続いているんだろう。
 先輩はきっとこう言うはずだ。
 「もう、あの時みたいに失敗しないでよね。私達先輩が責任取らされるんだから」って。
 遠回しで私に嫌味を言ってくるはずだ。
 大丈夫。大丈夫。
 胸をなで下ろして、扉を引いた。
 「おはようございます」
 「おはよう」
 「あら、伊織ちゃんじゃない。おはよう」
 笑顔で挨拶を返してくれる先輩達に目を疑った。
 嫌味を言わないの…?悪口も…?
 唖然としている私を見て、先輩の一人が席に座るよう誘導してくれた。
 「あの、先輩。私、この前…」
 「ああ、そのことね。もう、気にしなくたっていいのに。だって私達、この仲でしょ」
 「はあ…」
 この仲って…ついこの前まで私を虐めていたどの口が言うんだ。
 まあ、嫌味も言われなかったし、何だかご機嫌なようで私は救われた。
 いつものようにパソコンを開き、資料を打ち込んでいった。
 それからというもの、会社の中で私の扱いは変わっていった。
 だからなのかどうなのかわからないけど、仕事ははかどり、前とは見違えるほどキャリアウーマンになっていた。
 一週間くらい、私は何も食べていないし、飲んでいない。眠たいけど、寝ていない。
 私は自然とあの少年の言ったことをしていた。
 「死ぬ」なんて言われたら、怖い。嘘でも怖い。
 「高原くん。ちょっといいかね」
 「はい」
 仕事中、社長に呼び止められ、私は社長室に入った。
 今までは叱られるために入っていたからよく見ていなかったけれど、社長という名にぴったりな部屋だな、と思う。
 ダークブラウンで統一された部屋には、歴代社長の写真が壁の上の方に貼ってある。
 本を読むのが趣味なのか、本棚には難しそうな分厚い外国の本がたくさん入っている。
 「君に、頼みがあってね」
 「何でしょうか」
 「君を、秘書にしたいんだよ」
 「私のような者にですか…。しかし…」
 「深く考えないでくれたまえ。君はこの頃会社でトップのエリートだ。君に期待してはいけないか」
 「いいえ。滅相も無いです。ありがとうございます」
 会社からの帰り道、私は嬉しくて仕方がなかった。
 社長に認められたという気持ちでいっぱいだった。
 一年の成果が実ったんだ。
 ああ、会社頑張って続けてて良かったなって。
 私は切符を買い、駅のホームで電車を待っていた。
 「やあ。調子はどう?楽しそうだね。何か良いことあった?」
 また、あの子だった。
 もう10時だというのに、何をしていたんだろう。
 近頃の若者は、夜遊びをよくするのだろうか。
 「ああ、あの時の」
 「お姉さん…早く、帰ったほうがいいよ」
 「え?」
 「今日、最終の電車に乗れば、帰れるから」
 「…何言ってるの?」
 その子は答えなかった。
 頭をくしゃくしゃと掻いて、難しそうな顔をしている。
 「俺のこと、やっぱ忘れてるんだ。まあ、そっか…あれから3年もたったから」
 「ねぇ、貴方さっきから何言ってるの?」
 「ここに出来るなら残って欲しいけど、だめだ。夕夏を犠牲には出来ないよ」
 そう言って、その子は私をそっと抱きしめた。
 そして、小さな声で耳元で呟いた。
 『間もなく、1番線に電車が到着します』
 「来たよ。早く乗って」
 私は理解できなくて、頭がついていかなくて、その子に押されるまま、電車に乗った。
 「貴方は乗らないの?」
 「僕はそっちには行けないよ。じゃあね」
 扉が閉まり、彼が手を振った時、彼が誰だかわかった。そして、あの時彼が呟いた言葉の意味も。
 「龍人!!龍人なんでしょ!」
 彼は口パクで何か言った。
 それはきっと、さよならの言葉だ。
 龍人は、3年前、行方不明で亡くなったとされる私の幼なじみ。
 3年前のバレンタインに告白して、そのあと行方不明になってしまったから、返事は聞けていない。
 あの言葉はーーーー
 「俺も、夕夏のこと好きだよ」
 あの時の返事だったのね。
 私は涙が溢れてきた。
 本当の本当に、忘れていたのかもしれない。
 仕事で精一杯で、大切なこと、全て。
 でも、龍人がこの電車に乗らなかったということは…もう、この世にいないということだろうか。
 私は、誰もいない電車で一人、座席に倒れて泣いた。
 後で友達に聞いてわかったことだが、如月駅という都市伝説があるらしい。
 そこは、本当は存在しなくて。
 そこに着てしまって、そこのものを何か食べたり、飲んだり、寝てしまったら死んでしまうらしい。
 龍人は、あそこで何か食べたり、飲んだり、
 寝てしまったりして亡くなったんだろうか。
 今日も、いつも通り会社へ通う。
 現実は、そんなに甘くはなかった。
 あの、駅の外の甘い世界とは全くの別物で、また先輩の嫌味が私に突き刺さってくる。
 社長の秘書だなんて、夢のまた夢だ。
 でも、今の私には耐えられる。何故かそんな気がした。
 あそこみたいな生ぬるい世界じゃなくて、厳しい中で生きていくことの価値を見いだせた。
 龍人は、私に頑張れよと言いに来たんだろうか。
 もう、会社に行きたくないなんて弱音は吐かない。
 仕方なくするんじゃなくて、一生懸命いろんなことをしたい。
 私に、微かながら光が差したのは、紛れもなく龍人のお陰だった。
 夏休みが明けたのか、電車でちらほらと高校生を見るようになった。
 ああ、夏ももう終わりなんだ、と思う。
 遠ざかる夏。龍人がくれた細やかな私へのプレゼントは、私を強くしてくれた。
 おしまい。
 ーーーーーーーーーーーーーーーー
 (引用) 如月駅
- Re: 君との恋をここにつづる【短編集】(元:ナツコイ。) ( No.22 )
- 日時: 2015/09/09 16:01
- 名前: ととろん (ID: qiUm6b63)
- そろそろ涼しくなってきましたね! 
 秋が来たんでしょうか
 秋といえば、読書の秋、食欲の秋、スポーツの秋とか色々ありますけど
 秋っていろいろとちょうど良くて好きです(´∀`=)
 では、今回のお話を。
 ーーーーーーーーーーーーーー
 #5「夕暮れに、君と」
 君は、とても綺麗だった。
 水に映し出された僕達。その面影は、もうない。
 いつからだろう。君が、僕の前に現れるようになったのは。
 あの日、君が事故にあってから二年がたった。
 水たまりや、川、海などを覗くと、決まって君が僕の横に映し出されている。
 白いワンピースに、真っ黒な髪のボブ。
 彼女はいつも、僕に何かを言っている。
 ーーー二年前。
 僕達は小学五年生だった。
 親同士が仲が良かったため、幼稚園からの幼馴染みで、いつも一緒にいた。
 遊ぶところは、いつも決まってここだった。
 蜻蛉がモチーフの公園。その奥へ、奥へといったところにある、蓮の花の咲く池。
 皆遊具で遊んでいるからか、ここはほとんど人通りがなく、二人の秘密基地にすることを決めた。
 「はぁー。疲れたねー」
 「そうだなー」
 其処には木で出来たデッキがあり、そこに腰を下ろしてお弁当を開いた。
 辺りは、誰もいない。とても静かな場所で、蓮の花は風に揺られていた。
 「今日からここが、私達の秘密基地だね。ねぇ、一つ約束していい?」
 おにぎりを頬張りながら、君は言った。
 その眼の中には、僕と、後ろの蓮の花を映し出している。
 「うん。何?」
 その時の僕は、わかっていなかったんだ。
 君の紡ぎ出す言葉の意味を。
 全く理解せずに、通り過ぎていった、あの会話。
 「ここ、私達が大人になっても、一緒にまた来よう」
 「うん、いいよ。てか、一緒にいるだろ、絶対」
 隣に目をやると、彼女は顔を赤らめて蓮の花をじっと見つめていた。
 同じ蓮の花に目をやる。
 するとその蓮の花の下に、丁度メダカのゆうな小魚の姿が見えた。
 「あ!メダカみたいなやついる!」
 僕が蓮の花の下を指して言うと、彼女は「え?どこどこ?」と池の中を覗いた。
 「ほら、あそこ」
 首を傾げる君のそばへ寄って、一緒に池を覗き込んだ。
 「あ!本当。メダカ!」
 彼女が大きな声を出すと、メダカは驚いて池の奥深くへ姿を消してしまった。
 「あ!」
 「あーあ…。行っちゃったね…」
 何もいなくなった池が映し出したのは、僕と彼女の顔だった。
 真っ白な肌に、ボブの髪が揺れる。
 その時、彼女をとても綺麗だと思った。
 潤んだ黒い瞳の中には、僕が映っている。
 「何見てるの?」
 そんな声が聞こえて、はっとする。
 「ううん。別に」と笑ってごまかした。
 ”綺麗だと思って見惚れていた”なんて、死んでも言えない。
 そのくらい、小5の僕には恥ずかしいことだった。
 「ねぇ、今度大人になって会う時には、アレ、ちょうだいね」
 「アレってなんだよ。アレって」
 「アレといえば、あれでしょ。まぁ、来なくたっていいけど?」
 そう言ってはにかむ君を、僕はこの先ずっと、見ていられると思っていた。
 その帰り道のことだった。
 君が、この世とさよならをしたのは。
 急に雨が降ってきて、僕達は走って家へと向かっていた。
 もちろん、信号だって守ったし、横断歩道だって渡った。
 なのに…。僕達が横断歩道を渡った時、右から猛スピードで大型トラックがこちらに向かって来た。
 そして、右に曲がろうとしたのだろうか。
 それはスピンして、僕達のところへ倒れてきた。
 ーーーーーその時、信号は青だった。
 僕は跳ね飛ばされた。
 膝を少し擦りむいて血が滲み出していたが、大きな外傷は見られなかった。
 僕は驚きながら体を起こし、辺りを見回した。
 ーーーーー彼女がいない。
 僕は思いっきり彼女の名前を呼んだが、返事はなかった。
 それから警察が来て僕に交通事故について尋ね、その後病院に行ったことも、僕は覚えていない。
 気づけば、君が居なくなっていた。
- Re: 君との恋をここにつづる【短編集】(元:ナツコイ。) ( No.23 )
- 日時: 2015/09/09 16:19
- 名前: ととろん (ID: qiUm6b63)
 【お知らせ】
 参照300突破!!ありがとうございます!
 ーーーーーーーーーーーーー
 水たまりを覗くと、いつものように君が映っていた。
 『やくそく』
 きっと君は、こう言っている。
 「…約束」
 僕は水たまりの中の彼女に向かって、小指を差し出した。
 彼女も小指を差し出し、笑った。
 その時、風が水を霞める。
 もうそこに、彼女の姿はなかった。
 ーーーそれから、僕の前に彼女が姿を現すことはなかった。
 「来たよ。約束の場所に」
 僕は20歳になり、アレを持って一人であの池に訪れた。
 大学の帰りに来たものだから、もう夕暮れにさしかかっている。
 その時、池の上に、薄っすらと彼女の姿が見えた。
 「僕と、結婚してください」
 「喜んで」
 僕は、ポケットの中の小さな箱を取り出して、彼女の前で開けた。
 指輪を取り出し、彼女の透けた左手の薬指へはめる。
 君は、あの頃の笑顔のまま、美しさのまま、夕日に包まれ消えていった。
 
 それから僕は、ある人と出会い、同居している。
 それは、とても彼女に似ていて…。
 「ねぇ、あの場所、いかない?私達、もう大人になったでしょ」
 その左手の薬指には、僕があの日、あの場所で彼女にあげた指輪がはめられていた。
 「そうだな。行こう」
 僕達はまた、秘密基地へと。
 あの頃の思い出を拾いに、何度も、何度も。
 おしまい。
- Re: 君との恋をここにつづる【短編集】(元:ナツコイ。) ( No.24 )
- 日時: 2018/06/28 08:44
- 名前: ととろん (ID: jwkKFSfg)
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