コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA→KEEP THE FAITH ( No.175 )
- 日時: 2015/10/08 21:10
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: 5YqwrR3X)
 「うわあ、……うわあ」
 「シオンすごぉい!」
 「凄い……怖い、な」
 「あそこまで狂気しか感じない笑顔、見たことない」
 「お前今度言ってやるから自分を鏡で見てから言おうぜ」
 スクリーン上では、陥没した闇から出現した骨が化け物の足を掴んだり、闇から這い出そうとしたりと詩音が戦っているというよりむしろ骨が化け物を弄んでいるという謎の構図が出来上がっていた。
 「えー……と、風蘭」
 「ん? なぁに?」
 「あそこへ行かずに、“やりすぎるな”とだけ伝えてくれるか?」
 「はーい!」
 言葉を風に乗せ、風蘭は詩音へ送る。
 「——ふふ、わかってますよ」
 くすくすと笑いながら詩音は右手を下ろす。骸骨が闇の中へと戻って行き——一部の化け物は引きずり込まれてしまったが——、ゆっくりと闇が閉じる。
 同時に化け物が詩音へ襲い掛かる。ゆったりとした奇妙な動きでそれをかわした後、彼は呟いた。
 「良い度胸ですね……」
 詩音は髪を纏めている少し欠けた紐を指でなぞる。
 息を吐き切り、再び吸ってから、先程下ろした右手を上へ——人差し指を天へ突き出した。
 「喰奪式剣」
 ——“第二回防衛戦”終了。
 「そんだつ……?」
 「そんだつしきけんって言ってたな。なんだそれ」
 「なんか、変なのがぶぁって出てきて、バシャァってなって、終わりましたね!!」
 「今の技出されてたらオレ確実に負けてた」
 「「まさかの」」
 化け物軍団の9割を“暗黒の世界”へ引きずり込んでしまった最後の攻撃にざわめく。そのなか、冷静に爆弾発言を投下する人物が一人。
 「次、誰が出るか決めようか」
 「えええええええっ」
 「もちろん先程のBADENDは子どもの教育に悪いため、基本二人ペアを望む」
 「そういう話じゃない!!」
 「あと詩音にはゲシュペンストとやらの情報を教えてもらう」
 *
 「——ゲシュペンストとは、まあいわばあの化け物です。身体の構造は本当にトイフェルと同じような感じですね、今は。最近変わったようです」
 「その情報はどこで?」
 「故郷で」
 ほんの数時間前に屋外で血すら出ない祭りを行っていた野郎とは思えないほどに紳士的な笑みを浮かべてつらつらと説明していく詩音に、恐怖しか感じない人物もちらほら。
 「とにかく今は防衛に徹底し、相手の様子を伺いましょう」
 「了解」
 ちなみに次誰が出るかはサイコロのみが(以下略)。
