コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: EUREKA ( No.28 )
- 日時: 2015/01/07 01:08
- 名前: 水無月 紅雪 ◆zW64EWZ0Wo (ID: nlCdadAl)
 「さてと。りゅーじんさん? 僕と戦いたいなーって人、いる?」
 完全にネジが切れた、というか。とうとう壊れてしまった真白に、竜人どころか仲間までドン引きなこの状態。
 「ところで、1回だけ聞いたことがあるんだ。ここで、とある子どもが人を殺したんだって、さ。今の状況、似てない?」
 「に、……逃げろぉぉ!! コイツ正気じゃねぇぇぇぇぇ!!」
 竜人は何をしに来たんだと言わんばかりに撤退する。
 そして真白はそれを尻目に、再び溜め息を吐き、
 「……任務完了」
 いつも通りの真白に戻ったことを確認し、千破矢は口を開く。
 「俺の出番、あったか?」
 「出す間もなかったな。僕がキャラ崩壊したおかげで」
 「……おう。あと、とある子どもがってやつ、本当か?」
 真白は一瞬悩むしぐさをしてから
 「半分実話だ」
 続けて
 「そして質問するが、それがもし僕や千破矢など、仲間だった場合、皆はそいつを恐れるか?」
 どこか冷たい視線を4人に向けて問う。
 「ふう、絶対に嫌いにならないよ! それがレンでも、ひなたでも、ちはやでもましろでもごーらいでもすずめでも……シオンでも!」
 風蘭はその場で何度か回転してから、真白の手を握った。
 「仲間、だもん!」
 「……そうだな。僕たちは、仲間だ」
 「ところで鈴芽は?」
 日向の言葉に真白を除く全員が存在に気付く。
 「鈴芽は、副業だ。ロボット2体とともに」
 「副業!?」
 真白はこくりと頷き、
 「豪雷のため、と言えば、軽く引き受けてくれた」
 「それを、もので釣るって言うんだぜ」
 「そろそろ全員戻って来るはずだ」
 丁度その時、蓮の背後に衝撃が走った。
 「うぐっ」
 「たっだいまー♪」
 「あったか?」
 「うん! ましろんパワー凄いね!」
 鈴芽はそう言いながら琥珀色に光る石を見せる。
 そして、建物の中から何やら騒がしい声が聞こえて来た。
 「全然変わってませんでしたね」
 「壊れていたけどな」
 「やっと本領発揮ですね」
 「お前はまだなのか?」
 「さあ、どうでしょう」
 「シオンー!」
 風蘭が詩音に飛び付き、豪雷は鈴芽の持っている物に気付き駆け寄る。
 「すずめ、これは……?」
 「これ、ましろんが持って来てーって」
 「貰っても?」
 鈴芽は真白を一瞥し、豪雷に笑顔で
 「勿論!」
 その石を差し出した。
 「用件は済んだようですし、そろそろ行きましょうか」
 「どこに?」
 「魔王を倒すとか言ってたの誰ですか?」
 「はーい」
 村の近くに止めた荷車に全員を乗せ、豪雷と詩音は顔を見合わせる。
 「これからも、よろしくお願いします、ね」
 「言われなくても。こちらこそ、たのむぞ」
