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　　第二十七章

〜草太　目線〜

草「え……？」

桜田が、俺を……好き？

蓮「緒方の事ばっかり考えやがって。　オレの気持ちも、ちょっとは考えろよ!!」

再び繰り返される言葉に、俺は言葉を失った。

桜田の言っていることは、ホントだった。

俺は、緒方のことばかりを……。


草「だ、だけど、俺はお前のためを思って…」

そんな事わかってんのに、なんとか言い返したかった。

けど、桜田には通用しない。

蓮「なにが…オレのためだよ…!」

草「桜…田…」

蓮「お前なんか、嫌いだっ。大ッ嫌いだ!!」


桜田は、一歩後ずさりすると、おびえるような目で俺を見つめた。

そして、勢いよく教室を飛び出していった。


草「ははっ…言われちまった。　『嫌い』…か…」

俺は髪をかき上げ、ならべく笑ってみせた。

けどそれは、長くは続かなかった。


—『お前なんか、大ッ嫌いだ!!』
　　　『いつもヘラヘラ笑って、注目されてるからって、いい気になるな!!』—


ぽろぽろと、桜田のように大粒の涙をこぼした。

草「また、あの時と同じ……」

桜田の気持ちも考えずに、何突っ走ろうとしてんだ俺は…。

あの時、桜田が言っていたこと、ちゃんと分かってたのに。

何してんだ俺は…。


決めたじゃないか、もう強気にはならないって。


—あの頃に戻らないって—

　　第二十七章end+