「だいじょうぶか? ごめんな」男の子は申し訳なさそうに言ってハンカチを取り出し、傷口に丁寧に巻いた。「・・汚れ・・ちゃう・・・・よ・・?」私が言えたのは、この一言だけだったかもしれない。「気にしなくていい」その一言が私を安心させて、肩の力をいっきに抜いた。その後保健室にいき、彼は帰っていった。汚れた、白いハンカチを残して・・・・その初恋の話を、梨衣亜に話したことがあったのだった。 #