コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.13 )
- 日時: 2010/01/11 22:28
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜12〜
事件は放課後に起こった。
私は、授業を終えた後、先生に呼ばれたから、職員室まで行った。
実にはそのときに帰って良いって言ってしまったし…
だから、今、この状況を助けてくれる人は誰もいないってことになる。
「聞いてんの?」
いつも笹川純と一緒にいるやつだ。笹川純が転校してきたからずっと一緒にいる。
移動教室も、全て。まぁ、いじめが得意だって聞いたことあるし、たった今そんな状況に追い込
まれているわけなのですが…
「返事しろよっ!」
私は頬を叩かれた。少し痛かったけど、そんなに痛いものじゃない。
「なんで、こうなってんの?」
私はいつもと同じように聞いた。彼女たちはにやっと笑った。
「決まってんじゃん。あんたが由梨の相談無視したからだよっ!」
由梨…あぁ、寿さんね。寿さん…寿さんねぇ…もしかして…
「あの人、君たちには相談しなかったんだ?」
図星だったらしい。つまり彼女たちは寿さんに相談してもらえなかったうえに、笹川純…あるい
は寿さんに、私に無視されたとでも言ったのだろう。屈辱的だったに違いない。だって、相談
相手がいつも一緒にいる彼女ではなく、クラスになじめてない、私なのだから。そんな様々な鬱
憤を晴らすのにいじめる理由もきちんとある私が選ばれたってわけね。
「…そうよ…私たちじゃなくて…あんただったっ!!!」
いきなり大声を出した。その声は教室にこだました。私は満面の笑みで言った。無論それは馬
鹿にしたような笑いだけどね。
「何言ってんの?」
声のトーンが下がった。男の人みたいだ。まるで今まで出てこなかった人格がでできたみたい。
「そんなの、あんたたちがそんな性格してて、信頼してないからなんじゃないの?それを人のせ
いにするとはね。あんた等も相当馬鹿なんだね。その上、顔は悪いし、良いとこなしじゃん?そ
りゃ誰だっていやがるっつーの。」
彼女たちはかなり驚いていた。というか恐がっていた。まぁ、でもプライドが、ねぇ…
「…そうだとしても…!あんたは由梨を無視した!だから私はあんたのことをいじめる…!」
…なぜ宣言する?関係ないし。てか、なんで実たちがいなくなったとたんやりだすわけ?
でも、そんなことよりも、まずいいたいのは…
「…後悔はしないほうがいい。」
「はぁ?」
涙目の彼女たちが聞く。
「気づいたときにはもうだめだったってこと、あるんだよ。忘れないほうがいい。」
私は教室を出た。最後にまた叩かれた。そのときのはさっきのよりも痛くって、赤くはれた。
でも、明日からはもっと…そう考えると憂鬱だった。おそらく、実のいないところだから、授業に
支障は出ないだろうけど…。
実には、いえないなぁ…絶対心配しちゃうし…しょうがない、自分でどうにかするしかない。
実は関係ないんだから。
そう、一人で。
一人で。
あぁ、どうも一人って言葉が好きではないらしい。
自然と涙が出てきてしまった。廊下には誰もいなかったから、私は声を殺して泣いた。
泣く必要なんてないのに。なぜか…涙が出てくる。
「何で泣いてるの?」
昇降口。夕陽に照らされながらたってる少年がいた。
「…あ…」
なんで?なんでここにるの?帰ったんじゃないの?ねぇ、答えてよ…
笹川 葵。