コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.14 )
- 日時: 2010/01/11 22:30
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜13〜
「さ…さがわ…葵…?」
俺のこと、そんなにびっくりしたのか…?目を大きく見開いている。その目からぽろぽろ
と流れている涙。気にするなってほうが無理でしょ?
「で?どうしたの?何で泣いてるの?」
つい冷たく言ってしまう。もともとこういう性格だが、流石にこの期に及んでそれはないか
…と思ってしまう。そんな泣き方をしているのだ。内ノ宮 苺は。
「…な、んでも、な、い、もん…」
「……」
そういや、こいつ、クラスに馴染めてなかったな。
「あ、そ。別に良いけど。」
気になるけど、絶対に教えてくれないという変な自信がわいてきた。
「……」
彼女は無言で靴を替えた。そのまま、俺の横を過ぎていこうとした。
「…一人?」
いつも一緒の内ノ宮 実がいない。どうしたのか…と、きになって聞いてみたが、それ以
上に<一人>という言葉に過剰反応したことに疑問を持った。
「…み、実に、は、先に帰、っても、らいま、した。」
泣いてるからか、なぜか優しい印象を持った。
「ふーん。じゃ、一人ぽっちなんだ?」
彼女はビクッと肩を震わせて地面に座り込んだ。
「え…」
流石に俺も驚いた。まさかこんなことになるとは思わなかった。それでも声を殺して苦し
そうに泣いている彼女をおいていくわけにもいかない。
「…大、丈夫?」
いままで一度も女子に対して使ったことがないと思われる言葉を使う。やっぱり、少しぎ
こちなかったか…それでも彼女は少し俺の方をむいて小さく頷いた。
「……」
なにこれ?小動物?猫とか犬とか…なんだっけ?ほら、あのちっこいやつ…えーと…そ
うだ、ウサギだ…ウサギって小さかったけ?まぁ、いいや。とりあえず家へ…送る…のか?
「…えっと…立てる?」
また小さく頷いてゆっくりと立とうとした。…が、力が入らないらしくうまく立てていない。
かばんは持って…彼女はどうしよう?こんな状況初めてだしな…やっぱり、あの時ほっ
とけばよかった…そうすれば彼女は涙をこらえて一人で帰っただろうし…一人…?
つい小学生の俺と重ねてしまう。やっぱり手を貸すしかない。
「肩…は身長的に無理だし…腕につかまってくれる?」
彼女は一瞬迷っていたが、一人で帰れないことに気が付いたのか、そっとシャツにつか
まった。ほんとうにウサギみたいだ。
俺はゆっくりと歩き出した。
それについていくように彼女もゆっくりと歩き出した。
ずっと下を向いていて、何も話さなかったけど、彼女に何かあったんだな、と感じた。
彼女と俺は少し似ているのかもしれない。
「…内ノ宮…苺…」
二人が帰っていくところをじっと見ていた少女が一人。
「…許さない…!」