コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.2 )
- 日時: 2010/05/02 16:04
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜1〜
「実ぅ…どうして今日目玉焼きじゃないのぉ…?」
「昨日も食べたろ?苺はホント、目玉焼き好きだよね。」
「だってぇ…」
「ハイハイ。さっさと食ってね。遅れるよ?」
「えっ…!うそぉ…」
「ホントホント。行くよ?」
実がすたすたと歩いていく。苺が涙目になりながらいう。
「ほっほはっへぇ〜〜〜!」 (ちょっと待ってぇ〜〜〜!)
と、いっても口の中にものをつめているから何を言っているのかよくわからない。
けれど、実は違う。苺と双子だからよくわかる。生まれて16年2人で暮らしてきたのだから。
実と苺の両親は生まれたばかりの2人を捨てた。保護されるものの、親戚の家を行ったり来たり。
毎回、「家には金がない」だの「あんな子なんか」と言われ続けた。そんな中、幼いながらに2人
が導いた結論。それは 人を信じるな だった。信じていいのは 実 と 苺。
そうやって生きてきた。学校でもそうだった。人との間にカベを作り、人と関わらない様にしてき
た。2人は、そうでしか生きられなかった。
「実、実」
苺が教室で話しかけてきた。はじめは、クラスの人たちも「友達になろうよ」と2人にちょくちょく
話をしに来たものの、二人はまったく相手にしなかったのを怒ったのか、悲しかったのか、今で
は全くよってこようともしない。十分ほどしてチャイムがなった。
「苺、席着きなよ。ホームルーム、始まるよ。」
実の言葉に苺は素直にうなずいた。
「また後でね、実。」
「うん、また後で。」
苺が自分の席に着いたのを見て実がため息をついた。
苺は席でじっと先生が来るのを待っている。
ほかの人は近くの人と話したり、楽しそうに過ごしている。
(苺もいい加減友達作らないと学校楽しくないんじゃないかなぁ…)
実はそんなことを考えていた。自分も同じなのだが、苺のことばかり心配して、またひとつため
息をついた。