コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.4 )
- 日時: 2010/01/11 22:04
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜3〜
「そうねぇ…席は内ノ宮さんたちの…近くがいいから…席替えしないとなぁ…」
先生が一人でぶつぶつと言っていたのを一人の少女が聞き取った。
「じゃあ席替えしようよっ!先生!」
苺はボーっとしながら
(あれは…確か寿 由梨…だっけなぁ…たく、めんどくさいなぁ…席替えなんてしなくてもいいのに…あぁ面倒くさい…)
と思っていた。しかし、先生は苺の考えていることは逆に、
「よしっ!それじゃあ席替えしましょうっ!」
と言った。その瞬間苺と実以外が超高音な声を出した。二人は耳をふさいで小さくなっていた。
〜席替え終了〜
席替えが終わった。嬉しくてきゃあきゃあ言っている人もいれば、最悪ぅ〜と言いながらきゃあきゃあ言っている人がいた。結局みんなきゃあきゃあいうのだ。
苺と実、純と葵はくじ引きで席を決めたのにもかかわらず、かたまっていた。
先生は妙に上機嫌で、
「よかったわぁ!内ノ宮さん達と笹川君達が同じ班でぇ…双子同士仲良くしてね?やっぱり双子同士じゃないとわからないこともあるだろうし、分かり合えることもあると思うのよ。双子と言っても違う種類だけど仲良くね。あ!勿論、他の子とも仲良くしてね?」
純が元気よくこたえた。
「ハイっ!!みんな、よろしくね!」
葵は黙って下を向いていた。たまに苺の顔をチラッとみることがあったが、苺は気が付かなかったらしい。苺の心の中は先生への怒りでいっぱいだったからだ。
(何…?双子双子って…私たちはたまたま同じときに生まれただけで、それだけで…私たちをひとつとしてみるのっ!?私は苺だよ!実と苺は同じじゃないのに…どうして誰も気が付いてくれないの…?)
そう思ってはっとした。
(私…何言ってるの…?これじゃあまるで誰かにわかってほしいみたいじゃない…!いいの…私には実だけでいいの…そうでしょう?苺。今までだってそうだったじゃない。実だけいれば他はどうでもいい…)
苺は呪文のように心の中で繰り返した。
(私の味方は実だけ…!)