コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.5 )
- 日時: 2010/01/11 22:05
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜4〜
授業中、純と葵は大活躍だった。読書好きの葵も運動ができないわけでもなかったらしく、長距離走や、短距離走で運動部を抜かしての一位を記録した。純も余裕で体育の授業をこなした。
「ねぇ。」
葵が実に話しかけた。実が素っ気無くこたえた。
「何。」
葵は気にせずに続ける。
「君、全力出してないでしょ?全力出せば俺と同格だと思うけど?」
「そんなのわかんないだろ。お前の妄想の一部に過ぎない。そうだろ?」
葵がははっと笑った。明らかに馬鹿にしているような笑いだ。
「そんなんだから、友達いないんだよ。」
実は一瞥して言った。
「いない…ねぇ。僕は友達なんていうものをつくる気はないからね。まぁ、もっともそんなこと君には関係ないけどな。」
実が水を飲みにいこうとして立った。数歩歩いてから、葵のほうを振り返る。
「そうそう。ねぇ、笹川。無断で苺に手を出したら、ぶっ飛ばすから。」
そういって実はまた歩き出した。
「はは。恐いなぁ。」
葵が愉快そうに笑った。
「内ノ宮さん?運動は苦手なの?」
純が苺に話しかけてきた。苺は純をちらっと見ていった。
「別に。本気でやっても意味ないからね。持久走なんてやつは。」
「そんなこといったって…一切走ってないじゃない。どんなにつらくたって、みんなきちんとはしってるじゃない!あなただけ楽しようって考えるのはやめなさいよ!」
純が怒鳴った。しかし苺は鼻で笑った。
「馬鹿じゃないの?あなた、私に本気で走ってほしいの?別にいいわよ?恥ずかしい思いをするのはあなただから。」
「なっ!あなた、それが本性なのね!?」
純が苺に殴りかかろうとした。苺はそれを華麗によけていった。
「それが、あなたの本性なのね?くくくっ…面白い」
「何が…何が面白いのよっ!」
苺はくくっと笑いながら言った。
「短距離走で勝負でいいかしら?」
「…いいわ…今に恥をかかせてあげるわ!」
純は怒鳴りながら苺のいるほうとは逆の方向へ歩いていった。