コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 金色の絆 ( No.6 )
- 日時: 2010/01/11 22:06
- 名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
- 参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952
〜5〜
「よーい…」
苺と純が隣に並んで走る準備をする。
「スタート!!」
二人は同時に駆け出した。純には勝つ自信があった。
昔から誰と勝負しても負けなかったし、県大会でも関東大会でも余裕で1位をとった。
だからといって本気で走らないわけではない。
むかつくのだ。苺の態度が。友達もいないし仲間だっていない。
周りに聞けば実と二人だけで暮らしていて、親はいないといっていた。
味方は実一人だけ。
なのに、苺は自分よりも注目されている。一卵性のほうが二卵性のほうより珍しいからだろうか。
それになんだろう?あの自信は。私が勝つに決まっているのに。
今までの彼女の体育の成績はあまりよくなかった。
周りも足が速いとは思わないといっていた。でも、手を抜いている、ともいっていた。
何故?
私は今までの時間ずっと体育の成績のことを自慢した。
苺も聞いていたはずだ。それなのに何故私の喧嘩を買った?
「は…速い…」
苺の苦しそうな声が聞こえた。数メートル後ろのところからだ。
やっぱり口ほどでもなかったか。私に敵うやつなんていない。
「純ーー!!そのままいけぇーーー!!!」
クラスの人たちが私を応援する。とても気分がよかった。
「…なんてね。」
苺の声が耳元で聞こえた。
「っ!!」
油断した!純はそう思った。苺はどんどん先へ行く。
「純ーー!いけるよぉ!!本気だせーー!」
無理だ。敵わない。純は涙を我慢して走った。周りの視線が痛い。恥ずかしい、と思った。
「…ど…うして…?」
気が付かないうちに声に出していた。
「負けないって…あんな子に負けないって思ったのに…」