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Re: 金色の絆 ( No.7 )
日時: 2010/01/11 22:21
名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: jd0mxmk6)
参照: http://www.kakiko.cc/novel/novel1/index.php?mode=view&no=10952

               〜6〜

  「おつかれ〜、純!」
  「はやかったよ〜」
  口々に声をかけてくるクラスメート。
  知り合って間もないわたしに声をかけてくる……
  それがたまらなく嫌だ……
  いままで、こんなことはなかったのに……
  ううん、逆に言えば、わたしは皆に褒めてもらうために走っていた……
  皆に注目してもらうために……
  はら、今だって……
  ……違う……
  今は、全然嬉しくない。
  あぁ、もう。
  なきたくなってくるよ……
  人が恐いよ……
  目が……
  皆がわたしをみてる……
  やめて……っ!
  みないでっ!
  恥ずかしいから……
  むなしいから……
  こっちを……
       _________見ないで……

  「笹川さん」
  わたしがなきそうになっていると、内ノ宮さんがやってきた。
  冷やかし?
  馬鹿にしにきたの?
  もうなんとでもすればいいじゃないっ!
  わたしは醜い……そんなの、知ってるから……
  「ありがとうね?」
  「……え?」
  わたしは意味が分からなかった。
  だって、褒められるようなことは一切してないから。
  「はら、わたしにわざと負けてくれたでしょ? だから、ありがとう?」
  わざと……負けた……?
  そっか、そうなんだ。
  わたしの中で自信が湧き出てきたのが分かった。
  そりゃそうよ。
  わたしがまけるわけない。
  無意識のうちに力を抜いていたんだ。
  「じゃ」
  そういって彼女は去っていった。

  「わざとで……13秒台出せるわけないよ……」
  苺が走ったタイムを見て寿由梨がつぶやいた。
  しかし、その声は誰にも届かずに消えていった。