コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 金色の絆 ( No.72 )
日時: 2010/06/26 00:01
名前: ルシフェル ◆gB/tgam99I (ID: Fn07flnU)

           〜27〜

  「けほっ……」
  風邪かな…?
  最近は少し忙しかったし…
  「何? 苺、風邪?」
  「ん〜…どう、かな?」
  正直、熱っぽかったけど、すぐに治ると思うから、実にはいわない。
  「……寝てなよ? 熱っぽいんなら、尚更、さ。本当に熱出たらいやだろ?」
  ……ばれてる……
  「実は何でも分かるね…私以上に私のこと、知ってる気がする」
  「何言ってんだよ、苺。お前だって、僕のことよく知ってるでしょ? それと同じだよ」
  そういって、実が笑うから私もつられて笑ってしまう。
  私と実は本当に似てるね。
  似すぎているぐらいに…
  小学生のころは、私も髪が短かったし、男の子の双子みたいだって、言われた気がする。
  でも、それでも良かった。
  一緒にいれたから。
  二人でいればよかった。
  周りなんて知らない。
  私は誰とも関わらなくてよかった。
  関わらないことは、私を守ってくれたから。
  でも、それも小学生のころだけだった。
  中学生になって、転校の数も小学生のころよりも増えちゃって、もっと周りに馴染めなくなっちゃ
  たとき、いじめられはじめた。
  そのせいで、実とも話す機会が減っちゃったよね。
  人が恐くって…
  っと…やばい…本格的にやばい……
  頭がくらくらしてきた…
  「実、今日は寝るね…おやすみぃ…」
  笑って私は上に上がった。
  実はまだ心配そうだったけれど、寝たほうがいいと判断したらしく、おやすみ、笑って見送ってく
  れた。
  私は実の笑顔にほっとしながら自分の部屋のベッドで沈むように眠った。