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Re: 最強次元師!! ( No.8 )
日時: 2010/07/28 10:38
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: mwHMOji8)
参照: 紅兎です(>ω<。)

第007次元 願いから始まる悲劇
 
 何ヶ月かが経ったある日。
 あたし達は師匠を見つけた。
 とある隣町で。
 その師匠の元で、次元技についても詳しく教えてもらった。

 ・・・・・、そして半年の年月が経った。
 お義父さんの古い部屋に行ったら、
 なんとあの少年がいた。

 「やぁ、やっぱり来たね」
 「うん、ねぇ、義母さんは・・・」
 「焦んない焦んない。大丈夫、ちゃあんと会えるよ」
 
 あたし達は喜んだ。
 会える、会える、義母さんに会える。
 そう、心で何度も呟いた。

 「んじゃあ言うとおりにしてね?まずは床に両手をついて」
 「う、うん」
 「こうか?」
 「うんうん、次にこう唱える。「無次元の扉、発動」とね」
 「無次元?」
 「何だそれ」
 「そこは君達のお母さんが待ってる楽園さ。さぁ、唱えて?」
 「せーの」

 あたし達が大きく息を吸い込んだ時、
 正に、あの少年は口元を歪ませ微笑んだ。

 「「無次元の扉、発動!!」」

 その時、一瞬にしてまわりの風景が変わったかと思うと、あの少年がいなかった。 
 そしてたどり着いたのは真っ暗な闇の世界。
 
 「何処・・・、ここ・・・」
 「母さん!何処?!」
 『くすくす・・・、母さんなんていないよ?』
 「!?」
 「さっきの・・・・」
 『君達分かりやすいし、騙されやすい性格をしてるんだね』
 「な、何のこと・・・?」
 「おい、母さんは!?」
 『いないよ。だって此処は・・・・、死者の魂が彷徨う場所、無次元だから』
 「死者の・・・、魂?」
 『そう、君らの母さんは魂さ。姿じゃない。さぁ、もう後戻りはできないよ?』 
 「だ、出せ!此処から出せ!」 
 『い・や・だー♪だって君達はもう・・・』
 「・・・?」

 
 『僕の手の中にいる——————』
 
 
 そう少年が呟いた。
 だけど、少年の姿は見当たらなかった。
 そして、少年らしき声が頭の中に響いてきたの。

 『聞こえる?』
 「!?」
 「ど、どこから?」
 『君達の脳に直接話しかけてるんだ。一応教えておこうと思ってね』
 「・・・?」
 『僕の名前は『デスニー』。正真正銘の神族さ』
 「しん、ぞく・・・?」
 「何だ、それ・・・」
 『あぁ、知らないのか。めでたい子達だね。で・も、君達は殺させてもらうよ』
 「「!?」」
 『運命に、逆らえる者なんていないのさ』

 少年、いや、デスニーの声が聞こえなくなった時、
 あたしの隣で大きな鋭い音が聞こえた。

 「うああああぁぁああぁあッ!!」
 「レト!!」

 レトは大きな声を上げ、咳をしながら倒れこんだ。
 だけど、口からは息よりも、血しか出ない。
 あたしの体も一瞬揺れて、そっと左目に触れた瞬間、

 あたしの左目が、なかった。

 「な・・・、に・・・?あ・・・あぁ!!」
 「・・・・ロ・・・・ク・・・」
 「見えない・・・、レト、レト!!」
 
 元々右目が閉ざされているあたしは、
 左目を失って何も見えなくなった。
 
 『きゃはははは!面白いね、どんどん苦しみなよ人・・・げ・・・』

 デスニーの声が途絶えた。
 何かに気付いたような声が聞こえたの。
 それで、デスニーは言葉を失った。

 『もしかして・・・・、こいつら・・・・』
 「な・・・・、なん・・・」
 『・・・あぁ、そういう事』
 「・・・?」
 『ちょっと気が変わっちゃったよ』
 「は・・・・?』
 『ねぇ君達。今度僕と勝負しよう。殺すのはやめた。僕は、君達と戦いたい』
 「・・・げほッえ・・・ッほ・・・・」
 『んじゃレトヴェールは心臓、いや、魂だけなら返してあげる。コアにでも入れるんだね』

 そう言ってデスニーはレトの魂を出すって言ったけど、
 何も見えないあたしにはその場の状況が分からなかった。

 その暗闇の感じが消えて、部屋に戻ったのか、親密な、しっとりとした湿気のある場所にいた。
 あたしは、手探りでお義父さんの昔の失敗品、コアを探した。
 そしてコアに元力を注ぎ込んで起動させ、レトの魂をレトに入れてもらった。
 コアをレトの口から無理やり入れて、ようやく、レトは一命を取りとめ息をした。
 その後はよく覚えてないけど、幼馴染のお爺ちゃんが助けてくれたと聞いた。
 
 

 「だから、あたし達も、同じなの」
 「じゃあ、ロクのその目はどうやって?」
 「これは、人工の目を使ってる」
 「そう、なの・・・・」
 「だから、俺の体内は空っぽなんだよ」
 「・・・・それじゃあ、あたしはくよくよするわけにはいかないわね」
 「え・・・?」
 「別にあたしは左目を奪われたわけでも、心臓以外を取っていかれたわけでもないのに、弱気にはなれないわ。有難う、ロク。貴方のおかげで頑張れそう。そう、よね・・・。あたしは、強くならなきゃね」
 「うん!それでこそレイスだよ!!」
 「だな」
 「な、何よ!わ、悪い?///」
 「悪いなんて言ってませ〜ん!」
 「そのままで良いと思うぞ」
 「ええ、それじゃあね」
 「うん。強くなるんだよ!レイス」
 
 レイスは軽くうなずいた。
 
 「またこの町に来てね。そしたら屋敷にも寄って頂戴。いつでも大歓迎だわ」
 「ありがとう!絶対来るよ!」
 「じゃあな。元気にしてろよ」
 
 ロクとレトはそれだけ言い残し、屋敷を後にした。
 この二人は、いつまで笑顔でいられるのだろうか。
 少なくとも、戦争までは笑顔でいられるであろう。
 いや、そう願いたいものだ。
 もう二度と、悲劇を生まないためにも。