コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.20 )
- 日時: 2010/02/16 18:37
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: hap96gvm)
- 参照: 蜜柑大好き♪
第014次元 元霊の謎
「そういえば元霊って昔の次元師だろ?」
いきなり話し始めたのはレトだった。
レトは、口に焼きたてのパンを含ませながら双斬に話しかけた。
「そうだよ?」
「でもお前性格変わってるよな」
レトが鋭い目で双斬を見る。
その冷たい一言が、双斬の心に深く突き刺さる。
「え・・・。でも、これが僕の性格だよ?」
「だって普通男は『僕』なんて言わないだろ」
「でも、そうなんだし」
「元霊にあたった俺は恵まれてるのか?それとも他の次元師から見放されてるのか?」
「そんな事言わないでよッ!レトはラッキーなんだから」
「なんでだ」
「元霊を持つ次元師は、次元技との友情が深くなりやすく、強くなりやすいんだ」
「へぇ〜。お前って昔は特別だったのか?」
「特別って?」
「代表とか」
「うん、代表だった」
一瞬沈黙が流れた。
レトが飲んでいた紅茶のコップを落とした。
でも奇跡的にコップは割れなかった。
「え、待てよ、お前・・・」
「僕、人族代表だったよ?」
「お、お前が!?」
「・・・・信用してないね」
「だって自分の元霊が代表だったなんて普通思わないだろ」
「千年間も僕、君を待ってたんだ」
「俺を・・・?」
「うん、僕のパートナーを、探してた」
「パー、トナー?」
「そう、レトが僕のパートナー」
何がなんだか分からなくなってきた。
双斬の言ってる事は、全て正しいのか。
「ロクのパートナーが、雷皇のようにか?」
「うん」
「パートナーは、限られてるのか?」
「そうだよ〜。因みにパートナーはこの世に五人しか存在しないんだ」
「待った、じゃあ次元獣は?」
「あれは別。だって獣だもん。元霊じゃないんだ」
「ほ〜。ってお前妙に詳しいな・・・」
「だって僕次元技だし♪」
「知らねぇよ」
この世で五人。
その中に奇跡的に入っているこの兄妹。
すごすぎる。
「これからは、術も増えるといいね」
「あぁ、俺はそれを願いたいね」
「レトはさぁ、人族代表になりたい?」
双斬からの意外な言葉。
でも、レトの気持ちは変わらない。
神族を倒すという、気持ちは。
「なりたいな」
「そっか。なら僕はレトを代表にするための武器になるッ!」
「今までだってそうだったんじゃ・・・」
「違うよレト。僕は君の武器としてじゃなく、君のパートナーとして一緒に戦うんだ」
「パートナーか。悪くねぇな」
「うん、レトは僕が絶対代表にしてみせるッ!」
「頼むぜ、相棒」
「あいあいさぁー♪」
いつの間にか二人の友情は固く結ばれていた。
その勇敢な姿は、まさに人族代表に相応しい。
「レト、知ってるよね。元霊の、秘密」
「あぁ、戦争が終わったら自分の世界に帰るんだろう」
「うん、ごめんね・・・。もう、会えなくなるかもしれない」
「俺は別にいい」
「え・・・?」
「それまで、お前と一緒に戦っていられるなら、俺はそれでもいい」
「レト〜〜〜ッッ!!」
双斬が泣きながらレトに抱きついた。
30Cmしかない精霊の姿で。
この二人は、戦争が終わるまで戦い続け、お互いを信じ続ける。
たとえいつか離れる事になっても________