コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.46 )
- 日時: 2010/02/16 18:43
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: hap96gvm)
- 参照: 元『紅兎』だよヾ(>ω<。)ノシ
第020次元 誇り高き閃光の騎士Ⅱ
レトが様子を見ようと町へ戻った。
でも、その町にはレトの想像を壊す光景が広がっていた。
「おい糞人間共ッ!もっと美味い飯はねぇのかよ!」
「これ、以上は・・・」
「はぁ!?俺は次元師だぞ!?逆らっていいとでも思ってるのか・・・?」
「ご、めんなさい・・・」
町には、一人の大柄な男が立っていた。
背中には大きな鎌を構え、大声を張り上げている。
「どいつもこいつもつまんねぇなぁ、良い女でもいねぇかなぁ」
レトが必死になって走ったが、町までいくのには遠すぎる。
それでも、全速力で走った。
「おぉ、こいつなんかいいじゃねぇか」
「キャッ」
男が掴んだのは、アリルだった。
この町の看板娘で、すごく美人だ。
「いいかおめぇら!この女が殺されたくなけりゃ飯と金を持ってこいッ!」
「アリルちゃんを離してよ!」
「でていけ!」
町の人々の声はあの性悪男には届かない。
そこで、一人の青年が現れる。
「アリルを離せ!!」
「てめぇ、次元師だな?」
「あぁ、離せって言ってんだろ?」
「おもしれぇ、たっぷり分からせてやらぁ!!」
この男は辺りでも有名な次元師だった。
強いと言って、戦う奴はいなかった程だ。
そんな奴が今シェルと戦っている。
男は大きい鎌をシェル目掛けて振り回し、それをシェルは必死に避ける。
「さっさと攻撃して来いよッ!つまんねぇだろ?」
「くッ!」
「おらおらおらッ!」
シェルは一度も反撃しない。
ここで反撃したら町の人に危害が加わると思ったのだろう。
「シェル!!」
「アリルは下がってろ!」
「でも・・・!」
「ほらよッ!!」
男がシェルの足に鎌を思い切り振った。
鎌がシェルの足に深く食い込む。
「うわああああぁぁぁ!!」
「ざまぁみろってんだよ。カス」
「シェルーーーッ!」
アリルが泣きながらシェルを見つめた。
シェルは、足を押さえた。
でも、立てる程ではなかった。
「楽しませてもらったよ。じゃあな、おちびちゃん」
「まさか、アリルに・・・!!」
「そうだよ。この女が苦しむのが見たいんだよ。じゃあな、女あああぁああ!!」
「い、いやあああああぁぁぁッ!!」
「アリルーーーーッ!!」
その大きい鎌を振り下ろした瞬間。
無数の血があたりに散らばった。
「アリルーーーッ!」
だが、その血はアリルのものじゃなかった。
アリルは怪我一つしていなかったのだ。
「てめぇ、よくもやってくれやがったなこんちくしょーめが」
「!?」
「レト!?」
「だ、誰だてめぇ!!」
レトは男の言葉を無視してシェルの方に顔を向けた。
「だ、誰だよ、お前・・・」
「俺は・・・レトヴェール・エポール。アリルの知り合いだ・・・・」
「レト・・・・」
「お前、次元師代表になりたいとか・・・ほざいてたんだってなぁ」
レトは軽く血を吐き、服の袖で拭いた。
服の袖は次第に赤に染まっていく。
「大切な人も護れないで、何が代表だよ・・・」
「・・・・え?」
「大切な奴一人も護れねぇで何が代表だって聞いてんだよ!!」
レトはいつになく怒っていた。
町の人もシェルもアリルもあの男も、皆がレトに注目し、見ていた。
レトは息を吐きながら、シェルをじっと睨んでいた。