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- Re: 最強次元師!! ( No.48 )
- 日時: 2010/02/16 18:44
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: hap96gvm)
第021次元 誇り高き閃光の騎士Ⅲ
一瞬だけ町の空気が変わった。
レトは軽く血を吐きながらシェルを睨む。
「・・・・・」
「まぁお前の勝手だけどな。俺はもう助けないぞ。今の攻撃防ぐのに力使い果たしたし」
レトはそう言っていたが、それは嘘だ。
相手の次元師から一度攻撃を受けただけで元力が切れるのはあまりに酷い。
「おぉっと変な邪魔が入ったなぁ。まぁここで二人の次元師を倒せば俺は代表に近づける」
「あーあー、勝手に言ってろ」
「んだと?確かお前、エポール兄妹だよな?」
「あぁ、そうだが?」
「ちょうどいい。この頃骨のある奴と戦えなかったんだ」
「あっそ」
レトが間髪も入れずにそう答えると、近くにあった木にもたれた。
シェルが地面に膝を付かせながら自分の剣を持つ。
シェルの次元技は紛れもなく剣。
だがさっきの戦いでは全く剣を抜かなかった。
「さぁどうする?俺は戦わないぞ。お前が守るんだ」
「レト・・・」
「・・・・俺は・・・」
「楽しませてくれよ剣士さんよぉッ!!」
「俺は・・・・ッ!」
大柄な男が鎌を全速力で向けてくる。
シェルはよろよろと立ち上がる。
だがシェルにはもう戦う力は残ってなかった。
だが。
「さぁ死ねーーッ!!」
「俺は、絶対負けねぇッッ!!」
シェルが剣を横に振り、男の腹を裂いた。
男は体を抑え、引き下がっていく。
「き、貴様ぁ・・・。よくも、よくもッ!!」
「次元の扉、発動」
「なッ!?お前まだ発動してなかったのかッ!?」
「裁剣ッ!!」
シェルは鞘から一本の銀色の剣を抜いた。
神々しいほどの光を放つその剣を右手にシェルが立つ。
「俺も、負けるわけにはいかないんだよ。絶対代表になって、世界の人々やアリルを必ず守るッ!!」
レトはふっと口元を歪ませた。
「それがお前の、答えだな?」
「あぁ、ありがとなレト」
「さぁーね。こんくらいちょろいもんよ」
いつの間にかレトとシェルは仲間になっていた。
そしてシェルが剣を構え、男に向ける。
「ってめぇ調子乗りやがって・・・。いいぜッ!受けてたってやらぁッ!!」
「あぁ、上等だッ!!」
アリルはその場の状況がうまく把握しきれずただ驚いていた。
でもその驚きも応援に変わり、心の奥底から祈っていた。
絶対に負けるな、と。