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Re: 最強次元師!! ( No.59 )
日時: 2010/02/19 19:06
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: RAGGUceS)

第025次元 約束の朱い蛇Ⅰ

 「ふーく班長ー、その話、本当?」

 ロクはフィラ副班の前に来て、腰に手を当てて覗き込むように聞いた。

 「え・・・、えぇ・・・」
 「それじゃあさ、あたしに聞かせて?フィラ副班の昔話」
 「でも・・・」
 「いいから!あたし、聞きたいの!」
 「・・・・・分かったわ」

 あたしが、8歳、つまり14年前ね。
 あたしはセブン班長と昔山奥で遊んでいたわ。
 夕方になって帰ろうとした時、あたしは山道に転がって死にそうになっている小さな蛇を見つけた。
 セブン班長も呼んで、二人で手当てをした。 
 でも、あたし達がいくらこの子を山へ放しても、絶対に戻ってきた。
 それが耐えられなくなったあたしと班長はこっそり飼う事に決めた。

 「この子の名前・・・どうしよう?」
 「蛇で梅色をしているから・・・」
 「「蛇梅にしよう!!」」

 蛇の名前を、蛇梅と名づけた。

 「へーびーうーめー、遊ぼう!」
 「あぁずるいぞフィラ!俺も遊ぶ!」
 「んじゃ三人で遊ぼうか!」
 「賛成!」
 
 こうして、小さな蛇はあたし達と共に過ごした。
 そう、あれから2年も経っていたとは気づかずに————・・・・・。

 「どうしてよ母さん!なんで!?」
 「蛇梅は俺らの友達だよ!見殺しになんか出来ない!!」

 蛇梅は、呪いの蛇を呼ばれていた。
 2年前、若い樵が蛇梅を狩りに出かけ、蛇梅はあのような姿になっていた。
 その若い樵は2日後、死んだいう。
 呪いの朱い蛇と呼ばれた蛇梅は、処刑される事となった。
 あたし達が遊んでいたら、見つかってしまった。
 蛇梅は、12mにも育っていた。
 30㎝くらいしかなかったあの小さな蛇梅が。

 「嫌!!蛇梅を、あたし達の友達を返してよーーー!」
 「殺すなよ!蛇梅は人殺しの蛇なんかじゃない!!」
 
 あの処刑の場で蛇梅の死を苦しんでいたのはあたし達だけだった。
 蛇梅が地に埋められる瞬間を、泣き叫んで見る事しかできなかった_____。