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- Re: 最強次元師!! ( No.60 )
- 日時: 2010/02/19 19:55
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: RAGGUceS)
第026次元 約束の朱い蛇Ⅱ
それが嫌で、蛇梅が大好きすぎて、蛇梅の死を受け止める事はできなかった。
「それでは、今から呪いの朱い蛇の処刑を開始します」
「嫌ああああああああああああッ!!」
「蛇梅を返せーーー!」
あたし達はフェンスを乗り越え、大きな蛇梅に抱きついた。
「こら君達!!危ないからそこをどくんだ!」
「嫌!!蛇梅を傷つけるのはあたしが許さない!」
「俺もだ!」
国中の人々がざわついていた。
でもその中で泣いてるのはあたしと班長だけ。
「この蛇の処刑は決定しているんだ。皆、さぁやれ」
蛇梅が大きな声を上げ、深い地面へと落とされていく。
「蛇梅ーーーーーーーーッッ!!」
「いや、嫌だよ蛇梅、いかないでーーー!」
でも、蛇梅は深い地へと落とされていった。
「絶対迎いに来るからッ!!絶対蛇梅に会いに来るからね・・・」
あたしは勝手に蛇梅と約束を交わした。
そんな小さな声、届かないと思ってたのに。
蛇梅は、小さく頷いてくれた。
地に、落とされていくその瞬間に。
「そんな・・・・」
「蛇梅との約束は、もう14年も経ってる。もう蛇梅は待ってくれてないわ・・・」
フィラ副班は手で涙を拭いながら言った。
蛇が地面へと落とされ埋められて、生きているのは通常ではありえない話だ。
「・・・・じゃあ、いけば良いじゃん」
「何処へ行けっていうの?」
「その、約束の場所に」
「そんな、生きてるわけ、ないじゃない」
「そんなの分かんないじゃん!蛇梅がフィラ副班との約束を忘れたなんて、あたしは思えない!」
ロクは黄緑色の瞳をぎらぎらさせ、フィラ副班を見つめた。
そしてぐいっとフィラ副班を引っ張ると、玄関へ向かう。
「な、何を!?」
「さぁ行くよフィラ副班!」
「そ、んな・・・」
「なんなら私も行こうかな」
その声に振り返ったロクはきょとんとする。
行く準備万全の班長がそこに立っていた。
「班、長・・・・」
「蛇梅は、お前だけの友達じゃない、そうだろ?」
「はい・・・そうですね・・・」
「うっしゃ!んじゃ行くとしますか!蛇梅との約束の地へ!!」
ロクが右手を空へ向かって大きく上げ、いつものテンションであの場所へ向かった。
蛇梅は本当に待っているだろうか。
フィラ副班はそんな事を密かに思いながら歩いていた。