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Re: 最強次元師!! ( No.70 )
日時: 2010/02/28 14:56
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)

第029次元 約束の朱い蛇Ⅴ

 「俺の名前はリリエン」
 「あたしはリリアンだよぉ♪」
 「ロクアンズ・エポール」
 「ほほぉ、あのエポール兄妹の妹か」
 「あたし達は双子なの」
 「俺らを二人相手するとはいい度胸だなチビ」
 「誰がドチビだーーーー!」

 ドチビとは誰も言ってないのだが。
 リリエンは胸の辺りまである青い髪を紐で一つに縛っていた。
 リリアンは短い青色の髪に鈴のついたリボンを飾っている。
 この姿から二人は兄妹に見えるだろう。

 「さてと、お前は一人でいいんだな?後悔してもしらんぞ?」
 「後悔?っていうかあんたらなんか一人で十分」
 「言ってくれるねぇ、だったら痛めつけてあげるんだから」

 リリアンは鈴を外し、自分の手に巻きつけた。
 リリエンも紐を解いた。

 「「次元の扉発動____!」」
 「来るか・・・」
 「鈴叫!」
 「縛絶!」
 「あの二人、あれが武器なのか・・・」

 リリアンは紐のついた鈴を操っている。
 その姿は実に奇怪だ。
 リリエンは紐を手に巻きつけていた。

 「お前は発動しないのか?ロクアンズ」
 「雷撃ーーーーー!!」

 ロクは右手で左腕の手首を掴み、左手から瞬く間に雷撃を発動する。
 いきなり攻撃に二人は驚いたが、瞬間的に避けた。

 「ち・・・避けたか・・・」
 「お前・・・次元唱もなしに発動可能なのか」
 「珍しい人もいるんだ」
 「だが、こっちもやらせてもらうぞッ」
 「何処から来る・・・!」

 ロクが振り向いた時にはもう二人の姿は見なくなっていた。
 背後に何かを感じ、ロクは素早く振り返った。

 「遅い!!」
 「第七次元発動!!」
 「やばい、来る・・・!」
 「鈴鳴!!」
 
 リリアンが鈴を鳴らした瞬間、ロクは頭には激痛が走った。
 
 「うああああああッッ!!」
 「ロク!!」
 「まだまだいくんだから!」
 「第八次元発動___!!」
 「あいつら、卑怯な・・・・!!」
 「虐縛!!」

 ロクが頭を抱えていると、リリエンの紐がロクの体を縛る。
 ロクは必死に叫ぶが助けられる人は誰もいない。

 「うあああああああああああッ!!」
 「さぁ苦しめ!!俺らを侮辱した分までな!」
 「あんたばっかじゃないのぉ?あたし達に勝負を挑むな・ん・て♪」
 「ここから立ち去れ、今すぐにだ!!」

 ロクはこの兄妹の強さを身に感じた。
 でも今は血を口から吐く事しかできない。
 絶対に逃げることのできない最悪な状況。

 「まだ・・・だ・・・まだ!!」
 「まだ言うか!!」
 「雷柱ーーーー!!」
 「な、貴様!!」

 ロクの目の前にいたリリエンはもろに柱の中に入った。
 ロクの呼吸は荒々しくなっており、リリアンは目を丸くして見ている。
 リリエンは転がっていて、声さえ聞こえない。

 「リリエン・・・リリエン!!」
 「どうだ・・・これ、で・・・・!」
 「ふざけるな!!」

 リリアンはロクの腹を足で思い切り蹴った。
 ロクはその度に口から真っ赤な血を吐いていく。

 「お前は許さない・・・、絶対にだ!!」
 「こいつ・・・何を・・・」
 「第九次元発動ーーー!!」
 「九次元とは、こいつ、強いな・・・」

 リリアンが無数の鈴が付いている紐を上に上げ、ロクを恐ろしい目で見下している。
 フィラ副班は、その場に立ち尽くしているだけだった。

 「蛇、梅・・・・」
 「黄集叫鳴ーーーーー!!」

 リリアンの鈴が金色に光り、ロクの首を絞めた。
 そして、鈴がロクの体力を奪っていく。

 「うあああああああああッッ!」
 「どうだ、これでお前の体力は時期なくなり死に至る!!」
 「ロク!!」
 「どう、して・・・」

 フィラ副班は苦しむロクの姿を見て駆け出した。
 蛇梅が埋められていた地へ。
 
 「そうよね・・・・。所詮は約束。もう、絶対に・・・」
 (フィ・・・ラ・・・・)
 「・・・!?今、声が・・・」
 (気のせい・・・?)

 フィラ副班の頭に、一度だけ名前が響いた。
 フィラ副班は無我夢中になって掘り続けた。

 「リリエンを返しなさい!!」
 「死んだ・・・わけじゃ・・・」
 「あんなリリエンなんか見たくないんだから!!」
 「ぐ・・・でも、あたし、だって・・・」

 ロクはリリアンを足で蹴飛ばした。
 そして、力を入れて紐を解こうとする。

 「無理無理、あんたの力じゃ絶対にね!!」
 「ああああああああッッ!!」

 ロクが大声を上げた瞬間、鈴のついた紐は、崩れ落ち、一つずつ鈴は落ちていく。

 「そんな・・・あたしの・・・鈴がぁ・・・」
 「さぁ起きてるんでしょ?リリエン」
 「な!?リリエン・・・!?」

 リリエンは倒れていた体を起こし、軽く血を吐き、こちらに笑顔を見せた。

 「ごめんなリリアン、今度は俺がやる」
 「リリエン・・・」
 「やっと起きた」
 「こっからがお楽しみだぜロクアンズ!!」
 「あぁ、かかってこい!!」

 フィラ副班の姿に気づいたのか、リリエンが目を丸くして驚いた。
 そして、猛スピードでフィラ副班の元に走った。

 「おい、お前いつ俺らが許可したんだよ」
 「許可とか、そんな問題じゃないでしょ!!」
 「うるせぇなただの人間が!!」
 「フィラ副班!!」
 「貴方の敵はあたしよ?」
 「フィラ!!」

 班長が叫び、フィラ副班の前で仁王立ちした。
 リリエンは紐を構え、振り回す。

 「ほほぉ・・・お前が戦うか」
 「フィラには傷一つさせん!」
 「いい度胸だ!!」
 「セブン班長ーーー!!」

 セブン班長はリリエンの紐の攻撃をまともに受けた。
 だが、再び立ち上げる。

 「しつこいんだよクズが!!」
 「ぐあッッ」
 「班長!!何故このような事を・・・!!」
 「蛇梅は・・・お前だけの友達じゃないだろう。俺だって、蛇梅を助けたくてここに来たんだ」
 
 班長は何の力も持たない普通の人間だ。
 でも、力がなくても次元師に立ち向かおうとするその心は、誰より強かっただろう。

 「・・・・お前が最後に蛇梅に交わした約束を、今果たしてやるんだよ」
 「・・・はい・・・・・」

 フィラ副班は涙を拭いながら地面を素手で掘り続けた。
 班長はリリエンを睨み、ロクもリリアンを睨んでいた。

 「あたしも協力するよ!!あたしだって、次元師だからね!!」
 「あぁ、もちろんだなロク!!」
 
 その時だった。
 ロクの体が光り始めたのは・・・・。