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- Re: 最強次元師!! ( No.90 )
- 日時: 2010/03/06 21:42
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第035次元 神、現る
「アルア・・・アルア!!」
「なんで!?、今、何が・・・!?」
「もうアニルったらー、先に殺らないでよー」
「こりゃ失敬、体がうずいちゃって、許してよ、グリン」
皆が言葉をなくした。
アルアに突き刺さった大きな爪を、引っこ抜いた人物が立っていた。
一人は緑色の三角帽子を被っている小さな少女。
もう一人は短髪で横にはねている少女、なのか。
「誰だお前は・・・アルアに何をした!!」
「そうとう血が昇ってるねぇ。こいつを殺して何が悪いんだ?」
「そうだねアニル。だってあたし達は人族を殺すのが目的なんだもの」
その瞬間、レトもロクも、この場にいた全員が目を丸くして驚いた。
ルイルは怯えていて、ガネストは涙をこらえている。
アニルは右腕に、グリンは額に、何か紋章が刻まれている。
「その紋章は・・・!!」
「あ、そこの坊やは知ってるんだ。そうだよねぇ、ま、君は知ってて当然か」
「な・・・何だ、レト、知ってるのか・・・?」
「その紋章は——————、神章だ!!」
レトが振り切って答えた。
月に太陽、星が描かれたその黒い紋章は、どんな人間も震えさせる。
「神章って・・・まさか!?」
「そのまさかだ。こいつらは、正真正銘———・・・・・・」
レトが息を呑む。
そして、小声で小さく呟いた。
「——————神族、だ・・・」
「嘘、だろ・・・」
「な・・・な・・・」
神族。
それはレトやロク、次元師や人族全員が目標とし、倒せばならぬ存在。
最強の力を持ち、全世界を支配する最悪最低の存在。
それが————————、神族。
「ま、今君らを殺す事もできるけどね」
「・・・!?」
「で・も、君らの中に震えている子がいるからやめとくよ」
皆の目線は、ロクの元へといった。
ロクは一人、震えている。
「大丈夫か、ロク」
「うん・・・でも、怖い・・・・」
ロクが怖がるなんて珍しいと皆は思った。
それほどこの二人は強い存在なのか。
「ま、バイバーイ。また会おうよ、エポール義兄妹さん」
「ま、待て!!」
レトがそう言いかけた時にはもう二人は姿はなかった。
初めて現れた神族。
その存在は明らかに強く、最強の存在。
この世を支配しようと考えるだけはあった。
ロクとレトが一番倒したい存在、それが神族。
だが二人は二回目の神族の登場に驚いた。
しかも、神族は一人ではなかったのだ。
「戻ろう。アルアの事は隊長に報告する」
「アルアぁ・・・・、アルアぁ・・・」
「ルイル、もう戻ろう。ここは、すごく冷えるから——————」
ガネストはルイルの腕を引っ張って任務を終えた。
でも、ガネストの瞳からは涙が流れ続けている。
この時は皆、同じ気持ちを持っていたに違いない。