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- Re: 最強次元師!! ( No.108 )
- 日時: 2010/03/07 18:56
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第038次元 幸福、処罰の技、幸罰
「妙にざわついてるなぁ、あ、他の奴らもいる」
「だね、今度は一体どんな子だろう」
レトとロクは広い試験場の椅子に腰をかけた。
レトやロク以外にもたくさんの次元師や援助員の人達がいた。
「ではこれよりミル・アシュランの蛇梅隊入隊試験を始める」
「はい」
レトが驚いて目を丸くした。
ロクは不思議な表情を浮かべた。
「知ってる子?」
「あ、あぁ・・・、今日街で会った奴」
「え、本当!?」
「あぁ・・・」
ミルが気付いたのかレトの方に顔を向けた。
さっきまで険悪な顔をしていたミルが笑顔になった。
「きゃーーー!レトじゃん!!」
「あぁ、さっきぶり・・・」
「まさかここの次元師だったの!?」
「まぁ・・・」
「こらミル・アシュラン。もう試験は始まってるんだぞ」
「はぁーい」
「それで、何を見せるというのだね」
「ん、あの、今日死刑の囚人と、副班長を一人ずつ呼んでください」
その発言にこの試験場にいた皆が驚いた。
隊長も困っている。
「・・・何故だね?」
「あたしの次元技を見せるためです」
「・・・宜しい、フィラ、今日死刑のガルラス・キンドレラを呼んでくれたまえ」
「はい、ラットール隊長」
ラットール隊長と呼ばれたその人物は胸元に蛇梅隊のエンブレムをつけている。
そう、この厳つい顔をしている老人こそ、この蛇梅隊をまとめる隊長。
顔に生傷を刻んでおり、まさしく隊長の威厳を見せ付けるその存在はいかなるものか。
そう思っているうちに囚人と副班長が現れた。
「はい、連れて参りました」
「宜しい」
「ふざけるな!!俺はまだ死なねぇ!!」
「黙りなさい、これは命令よ」
ガルラス・キンドレラ。
その名はまさに殺人犯。
ガルラスは数年前、センターの多くの若人を殺した連続殺人犯。
その罪は重く、今日が公開処刑日になっていた。
「それで、どうするというのだね」
「はい、それではガレラス、フィラ副班長さん、私の前に来てください」
「分かったわ」
「何でこの俺がこんなチビの前に来なきゃいけねぇんだよ!!」
ガルラスが暴れ始めた。
でも、ミルは動揺する事もなく、目を閉じる。
これから何が起こるのか、次元師達は息を呑みながら思った。
「では始めます」
「ええ」
「何で・・・何で・・・!!」
「次元の扉、発動___!!」
ミルは口を開き、静かに息を吸った。
その状況に、フィラ副班も息を呑む。
「幸罰!!」
「出た!」
「うぉぉぉーー!!離せ!!俺は・・・!!」
「第五次元発動、断決!」
「ほほう・・・、どんな技やら・・・」
ミルの右手が青白く、左手が神々しく光っている。
でも、一向に技は出てこない。
「どんな技だというの・・・・?」
「汝が善き者というなら幸福を、汝が悪しき者というなら処罰を与えよ!!」
呪文を唱えたミルの右手や左手がどんどん青白く染まっていく。
ミルは何か確信したのか目を開けた。
「汝を悪しき者と認定。今から処罰を行う!!」
「いよいよ始まった・・・」
「処罰って何だよ・・・、おい!!」
「牢閉縛!!」
ミルがそう唱えると、ガルラスの下から何やら牢屋のようなものがでてきた。
その牢屋は忽ちガルラスを捕らえ、閉じ込めた。
「な・・・なんだよ、これ・・・」
「今から貴方に処罰を与えます」
「ふざけるな!!」
「閉!!」
ミルの声で牢屋が完全に幕を閉じた。
もう誰も見る事ができないこの状態。
ただ一つ、ガルラスの声だけが聞こえる。
「何が、何が始まるのかしら・・・」
「これは面白い、さぁ、どうする小さき次元師よ」
ミルが右手を前に出した。
そして、ガルラスにその険悪な目を向ける。