コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.169 )
- 日時: 2010/03/18 18:13
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第042次元 世界を操る神、ワルド
「あ、見つけたよ、第一図書館!」
ロクが元気よく指を指す方向には大きく立派な国立図書館が。
「・・・ロク、ちょっと来い」
「・・・いえっさ」
だが、レトとロクは第一図書館とは逆方向に歩き始めた。
それが何の目的なのかは分からない。
「ロク!!」
「雷撃ーーー!!」
ロクは振り向いて、後ろに雷撃を打った。
まわりは誰もない、使われていない廃ビルのようなところだった。
煙から出てきたのは、見た事もない男の姿だった。
「やっぱり気付かれてた、か」
「やっぱりって何だよ」
「このストーカー!」
「・・・流石は、あのエポール兄妹さんだ」
男はサングラスを落とし、ロクとレトを見下ろした。
見るからに怪しい男。
その登場に二人が息を呑む。
「俺が誰がか、分かるよなぁ?」
「分かりたくなくても分かる」
「最低最悪だよ」
ロクの発言が終わると、男は高笑いし、吸っていたタバコを落とし足で踏んだ。
「俺は神族、世界の支配者ワルドだ!」
男、いやワルドはそう言い切った。
ワルドは左の掌をロクとレトに見せ付けるように出した。
「・・・やっぱり」
「左の掌に神章があるしね」
「あんまり驚かないようだな。あ、前回アニルとグリンがお前らのところに行ったからか」
「まぁ、それもあるけど・・・」
「もう流石に三回目なんでね。慣れた」
黒ずくめの男の正体は、正に神族。
左手に大きな月、太陽、星が描かれた神章が刻まれている。
だが、さきほどは布をかぶっていてあまりよく見えなかったらしい。
「あたし達と、勝負でも?」
「そうだな、お前らの目的が俺らなら、俺らの目的もお前らだ」
「良く分からん」
「まぁ話はこれくらいにして戦いと行こうぜ!!」
男が二人に向かって走った。
瞬時的な攻撃に一瞬、戸惑いを見せたロクは、空中で一回転して着地する。
(は、速い・・・)
ロクがそう思っているうちにワルドが向かってくる。
狙いはロクのようだ。
「ロク!」
「雷撃!!」
ロクは左手から一つの雷の塊を、ワルド目掛けて放った。
だが、ロクの目の前には誰もいない。
「・・・むやみに打ってもだめだぜ?」
「!?」
ロクの攻撃は見事に避けられ、ワルドは余裕の表情を見せた。
ロクはワルドから離れ、レトの後ろにつく。
「・・・めんどくせぇな」
「それより、世界の支配者って?」
「あぁ、知らなかったか。神族にはそれぞれ能力がある」
「能力?」
「次元技じゃ、ないと?」
「そうだ。順に言っていくと、世界、自然、動物、運命、妖精、神、だな」
「何それ、途中までは分かるけど、最後の三つがよく分かんない」
「しかも、神族は六人もいるのか!?」
「まぁな、あ、まさか驚いた?」
「だって、少人数かと・・・」
「これでも少ない方だぜ?」
ワルドがレトの襟首を掴んだ。
「うぉ!?」
「やっぱり子供だな、行動が遅いぞ」
「レト!」
「んじゃあ、見せてやろうじゃないの、俺の能力」
「の、能力・・・」
「創限世界!!」
ワルドがレトを離し、両腕を広げた瞬間、そこには奇怪な世界が広がっていた。
赤や黄色、ピンクなど、カラフルで明るい地平線のような世界が目の前に映る。
「な・・・これは・・・?」
「あ、レト!?、これって・・・?」
「分からねぇな。いきなりこんな場所、何処に・・・」
『ここは場所じゃねぇよ』
「「!?」」
声が響いたかと思い、レトとロクが振り向いたその場には、ワルドがいた。
くすくすと笑いながら二人を見下ろしていたワルドに対し、ロクとレトは見上げていた。
「ここは何処だよ」
『何処だよ、だと?ここは俺が作った想像の世界。つまり俺とお前らの三人しかいない不思議な世界さ』
「そ、そんな・・・」
「お前が創った想像の世界だと・・・!?」
ロクもレトも、顔を見合わせていたが、納得はできないようだった。
いきなり現れた神族のその能力を見せ付けられてはどうもできない。
ただ、二人は上を向きながら高笑いし続けるワルドの顔を呆然とした目で見ていた。