コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.176 )
- 日時: 2010/03/19 17:36
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第043次元 操り人形
「ロク、来るぞ!!」
「うあ!!」
「俺の創造の世界を楽しむがいい!」
ロクは横から突如現れたボール型のものにぶつかった。
そのボールの大きさは通常の運動会の大玉ころがしで使われるものと同じ。
ボールから必死に逃げるロクとレト。
その光景は正に遊ばれているように見える。
「は、はえー・・・」
「また来るよーー!」
「がはははは!!たっぷり遊んでやる!!」
この広い創造の世界で、ただ二人、ロクとレトは走り続けている。
終わりの見えない異空間。
このまま二人はどうなるのか。
「これじゃああいつに攻撃もできねぇ!」
「雷撃ーーー!!」
ロクがボールに向かって雷撃を打った。
大きな雷の塊は、ボールに直撃する。
「や、やったか・・・・?」
「いや、無傷っぽいぞ」
「うそーーー!」
ロクは無傷なボールを一瞬睨み、また走る。
ワルドは面白いのか、盛大に笑っている。
「・・・・そろそろ遊ぶのはやめにしよう」
ワルドが指を鳴らすと、ボールは一瞬にして消え去った。
ロクとレトが振り返ったときにはもうボールの姿は見えない。
「ぼ、ボールが・・・」
「消えた!?」
「ちょいと、面白いことをしてやろう」
「お、重い城な事?」
「面白いだろ」
「・・・・レト、もう少しだけ間を空けて突っ込もうよ」
しかも無表情に突っ込むレトには余裕が見えない。
ロクはしぶしぶ戦闘体勢に移った。
「操々人形」
「!?」
「?、どうしたロク」
ロクの体が一瞬だけ揺れ、そして、顔が下に向いた。
レトは覗き込むようにロクの顔を見ようとした。
「おいロクどうし————」
「雷弾!!」
ロクはレトに向かって新呪文、雷弾を打った。
無数の雷の塊がレトに向かった。
「な!?」
案の定、レトは避けきったが、今のは気が付かなかったら確実にやられていた。
レトは、くすくす笑うワルドを睨むようにして見た。
「お前、ロクに何した!!」
「何って・・・、操り人形にしてやったんだよ!」
「あ、操り、人形・・・・?」
「この世界は俺の思うがまま、人間だって、たやすく扱える最高の世界さ!!」
「う、そだろ・・・」
レトは、ロクの方に目をやった。
ロクの目は、いつもの輝きを失い、動かなくなった人形のような目をしていた。
「ロク、俺の声が聞こえるだろ!?」
「雷撃!!」
「ロク!!」
レトは雷撃を見事避け、下に膝をついた。
レトの息は上がっていたが、ロクは全く息をしない。
(死んでるわけじゃ、なさそうだな・・・・)
「おいおいどうした次元師!!、妹を狙うのは無理ってか?あぁ?」
「無理に、決まってんだろ!!」
「こりゃおもしれぇな!だが、妹はお前を狙いまくるぜ?」
レトは手を強く握り、ロクの攻撃を避け続ける。
でも、容赦なく攻撃してくるロク。
今まで旅も、任務もともにやってきた妹を、攻撃するなんて、レトにはできなかった。
「ちくしょう・・・」
「さぁどうするか!?考える時間は与えねぇぜ!!」
「雷撃ーーーー!!」
レトは、血を吐いてしまった。
昔、無次元に行った時、体内を奪われてしまい、血を吐くようになってしまった。
もう薬を探す暇もなく、攻撃を避け続けるレト。
だが、そんなレトに構わずにロクは次々に呪文を唱え続ける。