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- Re: 最強次元師!! ( No.216 )
- 日時: 2010/05/16 18:43
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 7hsLkTT7)
第050次元 アニルの能力 動物
ズキッ!!
ロクの頭に一瞬痛みが走った。
頭が割れそうなほど強烈な痛みが。
(何、今の・・・、誰の言葉?)
ロクが頭からそっと手を下ろした時には、とっくに戦闘が始まっていた。
レトが双斬を構え、アニルとグリンが腕を構えている。
「素手でこんなもん?弱いねぇ、君」
「うるせぇな・・・、まだまだぁ!!」
「こういう熱い人、嫌い」
「八斬切りーーーー!!」
レトがアニルに向かって八回切り込んだ。
だが、アニルはいとも簡単にひょいひょいと避けていった。
「弱いね、流石人間」
「神に勝てるわけないじゃない」
「うるせぇな」
「そっちのロクアンズは攻撃してこないのかな?」
アニルがロクの方向へ顔を向けた。
が、既にロクの姿は見当たらない。
「な・・・、一体何処へ?」
「雷撃ーーーー!!」
ロクがアニルの後ろから雷撃を放った。
相手がレトに気を集中させている間にロクがアニルの後ろにまわったのだろう。
「くそ・・・、後ろからだと・・・!!」
「あたしの悪知恵、なめないでよね」
「でかしたぞロク」
「調子に乗るなぁぁぁ!!」
アニルの両手の爪が長く、鋭く尖った。
頬には猫のような髭。
顔や腕には奇妙で真っ黒な入れ墨が浮かんできた。
「な・・・、これは・・・」
「あーあ、アニルを怒らせちゃって、死ぬわよ?」
「は?」
「レト、危ない!!」
「!?」
ロクの声でレトが後ろに振り向いた。
だが遅かった。
レトの背中にはアニルの伸びた鋭い爪が突き刺さった。
「レトーーー!」
「ぐあぁぁぁぁぁ!!」
「これ以上・・・、調子の乗るなよ人間共!!」
レトの背中からは血が流れた。
息も絶え絶えで、まともに言葉が発せられない。
「・・・てめぇ・・・ら・・・」
「生きてたの・・・、何て偶然な」
「レト・・・・」
レトは、よろけながらも立ち上がった。
双斬を構え、その険悪な顔で。
「お前らは・・・、俺が、たたっ切る!!」
「やれるものならやりなさい!!能力を使っているアニルには勝てないわ!」
「僕の能力は・・・、動物。自分自身を動物の姿に変え、戦う身体強化の能力!!」
「やっかいだな・・・」
「まだグリンは能力を使ってないね」
アニルの能力は、動物。
アニルの説明通り、己を動物化し、全世界の動物や生き物を操る能力。
今アニルは、虎の姿になりレトと戦っている。
「どうする、ロク」
「どうするって・・・」
「怖いか?僕と戦うのが。無理もない、一人次元師をやっつけたからね」
「・・・、てめぇ・・・!!」
「怒るなよ、お前は冷静キャラだろ?」
「十字切りーーー!!」
「雷弾!!」
レトが双斬を十字に構え、横に思い切り振るった。
ロクは右手から雷の塊を神族目掛けて撃った。
「これで・・・・どうだ!!」
「今のは・・・、流石に・・・」
「これだけぇ?」
「弱いね、本当に次元師なの?」
だが、二人は無傷で煙の中から出てきた。
不適な笑みを浮かべて。
「嘘だろ・・・」
「そんな・・・!!」
こんな絶対的状況に、誰が神を信じるだろうか。
今までどんな元魔も倒してきた最強兄妹を、
神族が、まるで遊んでいるように見えた。
こんな時、桃色の少女がうっすらと目を開け始めた。