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Re: 最強次元師!! ( No.241 )
日時: 2010/03/31 18:04
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)

第054次元 会議

 蛇梅隊特別会議室。
 ここでは今までロクやレト、他の次元師達が集めてきた情報を発表する場所。
 一番奥の方に立っているのが隊長で、その横に並んでいるのは班長と副班長達。
 真ん中には二つの机があり、それを囲むようにして他の隊員達が机を並べ座っている。

 「・・・では、これから第23回、蛇梅隊特別会議を始めよう」
 「隊長、まずはどの次元師からご報告致しましょうか」
 「決まっておろう、エポール兄妹だ」
 「・・・では、エポール兄妹のレトヴェールとロクアンズ、真ん中に来なさい」
 「「はい」」

 ロクとレトがその場から立ち、中央の机を前に立っている。
 まわりが少しざわめき始めたところで、隊長が一つ咳をした。

 「ごほん、では、報告を」
 「はい、まずは千年前の前回の戦争についての報告を致します」
 「千年前の戦争にも勿論代表者がいて、その6人についてもお話します」

 レトもロクも、落ち着いた表情で中央に立ち発表を始めた。
 こんな大勢の中で、ただ二人、ロクとレトだけが立っている。
 ロクは少し緊張してるのか、深呼吸をした。

 「千年前の戦争でも、6人の代表者がいました。その6人には、それぞれ二つ名が与えられていました」
 「紅蓮の魔剣使い、百夜の槍術師、一閃の狩人、紅き炎の殺し屋、金色の雷帝者、白銀の天使」
 「実はこの6人の中に2人、俺達の次元技の双斬とロクの雷皇が入っています」
 「そして、この6人の代表者の事を、当時は皆英雄大六師と呼んでいたそうです」
 「あの、質問です」
 
 ここで一人、手を挙げた人がいた。
 援助員の誰かだろう。

 「はい、何でしょうか」
 「その千年前の英雄大六師を次元技としているロクアンズとレトヴェールは必ず代表者なんですか?」
 「・・・・いえ、それは分かりません。二つ名が与えられるのは代表者で、もし代表者が今回変わった場合には違う名がその者に与えられるのではないでしょうか」
 「これはあくまで私達の推測ですが」
 「・・・はい、ありがとうございます」

 援助員が座り、あたりはざわめき始めた。
 この状況にも関わらずレトは話し始める。

 「・・・それでは次に、神族についてです」
 「神族は全員で6人いて、世界、自然、動物、運命、妖精、神、という意味を持つらしいです」
 「その中で、俺達は世界の神、ワルドを倒しました」
 「あたし達が知っているのは、ワルドと、自然の神グリンと、動物の神のアニルです」
 「・・・それでは以上です」

 ロクとレトは一礼し、自席に戻った。
 隊長が一つ咳をした瞬間、ざわついていた隊員達の声が止んだ。

 「この報告から、我々蛇梅隊の最大目的を発表する」
  
 隊長のこの言葉に誰もが緊張する。
 
 「任務を続行し、もし街中で神族に出会った場合はそちらを優先する事、以上!」
 「・・・では蛇梅隊隊員の皆さん、援助員の皆さんは速やかに自室にお戻り下さい」
 「これにて、第23回、蛇梅隊特別会議を終了する」

 会場にいた全員が席から立ち扉に向かって歩き始めた。
 まるで蟻の軍隊のような人数に、なかなか先へ進めない者もいた。

 「・・・はぁ・・・・、疲れたぁー・・・」
 「お疲れ、ロク」
 「キールア、良く分かった?」 
 「んー・・・、やっぱ突然すぎて良く分からないし、今までそんな事考えてなかったしね」
 「やっぱりー?あたしももうあんな顔で話すのは勘弁だよー」
 「はは、ああいう場はロクには似合わないもんね」
 「俺は似合うと?」 
 「ん?レトは似合うんじゃない?そういう顔してるし」
 「何でも人を顔で判断するな」
 
 ロクが疲れきった顔でだらだらと任務室へ向かった。
 任務に行くのではなく、休みたいのだろう。

 「ロク、お疲れ様です」
 「ガネストが言えばよかったのに。超似合うじゃんか」
 「僕はその事実を知らなかったので」
 「あぁ、そう」
 「全くだよ、俺途中で笑うかと思った」
 「ラミア、あんただってそうじゃん」
 「俺は別にいいだろ」
 「冷たいねぇ」
 「あっそ」
 
 青く、美しい長髪を持つ少年、ラミア・ミコーテは冷たく返した。
 ロクと同い年で仲良しながら、少し冷たい性格をしている。

 「もう、疲れたよー」
 
 ロクがラミアの事をじろじろと見つめた。
 その視線に気付いたのかラミアが驚く。
 
 「な、何だよ」
 「いやぁ、可愛いなぁと思って」
 「はぁ!?」
 「女装させちゃあだめかなぁ?」 
 「ふざけんな、つうかこっち来んなぁぁぁ!」

 ロクが恐ろしい笑みを浮かべてラミアを追い掛け回した。
 だが、途中でロクは倒れこみ、小さく寝息を立てている。

 「ね、寝たのか・・・?」
 「そうみたいだね」
 「ロクちゃん、風邪ひくよー?」

 キールアとルイルが一生懸命ロクを自室に連れて行った。
 ロクの自室は何かと綺麗で、そこらへんにお菓子が落ちていた。

 (ロクの部屋だね・・・、これは紛れもなく・・・)

 ロクをベットに寝かせ、キールアとルイルは部屋から出て行った。
 ロクはすぅすぅと気持ちよさそうに眠っていた。



 『助————けて———・・・・・・・・、ねぇ————助けて——————』



 (だ・・・・・れ・・・・・・)

 ロクは、誰かも分からない言葉に、魘され眠っていた。