コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.260 )
- 日時: 2010/03/31 22:28
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第056次元 目的
第一図書館。
センターにある一番大きな図書館。
そこには最新の情報が集まっているが、
蛇梅隊次元師隊員、隊長、班長、副班長等しか入る事が許されていない。
「相変わらず広いねぇー・・・」
「まずは、勉強しますか」
「勉強と言ったら、最初は次元技についてだよね」
「んー・・・、千年前の妖精の神についても詳しく知りたいな」
「妖精?」
「そうだ、まぁ調べるが先。用意はいいか?」
「全然OK!」
ロクとレトは、千年前の戦争の事についての資料を片っ端から調べ始めた。
本を探し、それを紙にまとめてはまた本を探す。
レトは真剣にやっているというのにロクはたまに居眠りをしていた。
そうやって、二人は13時間に亘る調べ物を終了させた。
「眠いよレトー」
「もう帰るか、閉館時間だし」
「うん、しかもお腹空いたし!」
「お前はそれか・・・」
一日の半分以上を図書館で過ごしたロク達は、夜の10時過ぎに蛇梅隊へ帰った。
結局収獲はゼロ。
13時間も図書館にいたわりには、何も知る事はできなかった。
「ちぇー、何もなかったな」
「第一図書館に裏切られた気分だよー」
「俺もー」
二人が食堂に向かっても、やはり朝のような活気はなく、数えられる程の人数しかいなかった。
広い食堂に二人は腰をかけ食事を頼む。
「なぁロク」
「ん?」
「本当に、神族を倒せると思うか?」
いきなりのレトの弱気な発言に、少しロクが戸惑った。
「え・・・」
「だって、あんなに強いんだぜ?それに、そんな奴らがあと5人もいる」
「・・・勝てるよ」
「根拠は?」
「根拠なんていらないでしょ?そのためにこれまで頑張って来たんじゃん!今更弱音は許さないから!」
「・・・ロク・・・・」
「どうしてそういう事言うの?だって神族を倒すのがあたし達の目的なんだよ?」
「・・・そうか」
レトは何か悲しそうな表情を浮かべて口の中に水を運んだ。
ロクも負けじと水を一気飲みした。
「何で競ってんだよ」
「それがあたし達でしょ?」
「へ?」
「今まで喧嘩もしてきたし、協力もしてきた。競い合うのが基本だったみたいに」
「そうだっけ?」
「そうだよー。あたし、5歳の時レトの妹になって、それで現在に至るんだから」
「そういえばお前が妹になった時、俺冷たかったなぁ」
「そうだったよね。レトったら性格冷たいんだもん」
「懐かしいよ、全部」
「そだね」
ロクがレトの妹になってから早8年。
あれから色々な事があったと思うと、数え切れなかった。
「まぁまぁそれは置いといて、さ、食おう・・・・」
「おかわり下さい!!」
「もう食い終わってたのか・・・、いつの間に・・・」
ロクはレトの言葉さえ気にせずに食べ物をぐいぐいと口へ運んでいった。
その光景はまるで告白に失敗した少女がやけ食いをしているようだった。
「もう少し常識を学べ、常識を」
「あたしの辞書に常識なんて言葉はない!!」
「んじゃ書き加えろよ」
「冷たいのは昔も今も変わらないんだね、レトって」
「黙れ」
「・・・・この頃突っ込み早くなってるよ?そんなんじゃ芸能界生きていけないよ?」
「俺がいつ芸能人になったのか3文字以内に教えてもらおうか」
「う・・・っ、3文字・・・・、『きのう』!」
「ご馳走様」
「あー!軽く流さないでよー!」
真顔で食堂から出て行こうとするレトをロクが大声で引き止めた。
いつでも何処でもうるさいこの兄妹を、止められる人は存在するのか。
食堂にいた蛇梅隊部員達はひっそりとそんな事を思っていた。