コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.308 )
- 日時: 2010/04/05 09:32
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第063次元 俊足
隊長からの緊急任務を受け、早速レトとロクは外へ出た。
まだこの町にいるはずだろう、と思った2人はとりあえずそこらへんを歩いてみた。
だが、いる気配さえ感じない。
本当にいるのだろうか。
「おい、歩いてから2時間経ちますが俺は一体何すればいいんだ?」
「知らないよー、あたしも疲れたぁー!」
「気配さえ感じねぇ。本当ならいるはずなんだけどなぁ」
「本当だよね、一体何処に—————」
ロクがそういいかけたその時。
2人の心臓が一瞬大きく揺れ、鼓動が高ぶった。
この感じ、この嫌な感じは・・・・。
「うわぁぁぁあああぁ!!」
町の人が悲鳴をあげ、その場からどんどん逃げていった。
そう、町の道路の交差点にいたのは——————、あのキラーだった。
「あんのやろう・・・・、あんなところにいたのか」
「行こう、レト!!」
「あぁ!」
レトとロクは駆け出して、キラーのいる場所へと向かった。
車が沢山止まっている交差点で、ただ一人威厳のこもった顔をし立っている。
「・・・・、また会ったな、小僧」
「俺は思い出したいわけじゃない」
「そうか、なら—————————」
男は戦闘態勢に構え、赤く鋭い目をレトへと向けた。
レトも双斬を武器化し、キラーの前に立つ。
「——————殺すまで!」
キラーが猛スピードでレトに向かって駆け出した。
キラーの腕がレトの双斬に当たり、双斬が金属音を鳴らす。
その横でロクが腕を構え技意の準備をした。
レトは一瞬で避け、後ろに下がり、双斬を握りなおした。
「動きがはえぇ・・・」
「双斬か・・・、二つの双剣・・・」
「雷撃ーーーーー!」
キラーの横で、ロクが雷撃を撃った。
今のは紛れもなく直撃だった。
煙の中では大きな体をしたキラーの姿が見える。
「ろ、ロクか・・・」
「・・・・まだ終わってないね」
「・・・・・・・、ロクアンズか、貴様」
「あぁいかにもほどにもあたしはロクアンズ・エポールだ!」
「お前は戦闘中でもボケを忘れないのか。立派なお笑いさんになったもんだ」
「そう言いながらもレトだって突っ込んでんじゃん」
「あ」
「今頃ですか・・・」
ロクとレトのショートコントを終え、キラーはレトの方に目を向けた。
金髪赤目、それは殺人鬼の象徴。
剣闘族の一族は皆このような姿をしているのか。
そう、剣闘族はキラーだけじゃない。
他にも多数いるのだから。
「ちくしょう・・・・、ロク、慎重に行くぞ」
「今身長って言った?」
「変なところで反応するなバカ」
「あーーーッ!またバカって言ったーーー!」
「またって何だよ、今日はまだ一回目だろ」
「まだって言う予定あるの?ねぇ?聞いてる?」
「うるせぇな。つうか今そういう話じゃないだろ」
「あ、そうでした」
ロクとレトは2人いれば何処でも漫才ができるような気がしてきた。
さて、そんなロクとレトに殺意を向けている男が1人立っていた。
2人の目の前で。
「・・・・まぁいい。戦いは今度にしよう」
「!?」
「何で!?」
「逃がさねぇよ?」
「・・・・」
キラーはレトが瞬きした瞬間に高い家の上にいた。
その瞬間的な速さに、レトは追いつけなかった。
「速すぎるだろ・・・」
「俊足の殺人鬼ねぇ、あたしもしくじったッ」
「いや、確実にお前のボケのせいだろ」
「えー!?あたしのせい?それ突っ込んだレトのせいじゃない?」
「いやだって突っ込まなかったらボケした本人がいかにも寂しいだろ」
「あ、そうかも」
キラーが逃げても暢気な2人は、せめてもの思いでキラーの位置だけは探るようにした。
まだこの町に留まっていれば好都合なのだが。
レトはため息をついて、ロクとともに本部へ帰還した。
報告次第で、レトもロクも怒られるのだろう。