コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ

Re: 最強次元師!! ( No.331 )
日時: 2010/04/11 14:59
名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)

番外編(前回の続き)

 「「「いらっしゃいませー♪」」」

 ロクとルイルとミルの満面の笑顔からスタートした蛇梅隊特別メイド喫茶店。
 流石、ルイルやミルは可愛く、ロクは腰に手を当てて出迎えている。
 キールアも強制参加され、女子隊員もにぎやかに。

 「もう男子どもー、さっさと出てきなよー」
 「あたし、レトのメイド姿みたいなー・・・」
 「ガネストー!遅いよ〜?」

 3人が呼びかけしたものの、やはり恥ずかしいのか3人の男子は来なかった。
 まぁ当たり前と言ったら当たり前だ。
 今まで戦闘を続け、男として生きてきたレト、ガネスト、ラミアがまさかメイド服を着ているなんて。
 
 「でもラミアもかっわいー!やっぱり髪が長いだけあるよねー」
 「ガネストは元々女の子みたいな顔してるから可愛いのは当然だよぉ♪」
 「レトは、金髪でしかも一つ結びだから女の子みたいな髪型だもんねー」
 「まぁまぁレジはティリに任せてさっさと来なよー」

 ルイルとロクとミルが言っている事は確かに納得できた。

 ラミアは長い青色の髪を一つに結び、たまに女性に間違えられるほどの美人で、
 ガネストは泣いた顔も困った顔も笑顔も全て女の子同然。
 レトは金髪、というイメージからしてご令嬢のような感じなので、何かと女の子っぽい。
 3人とも端の方で体育座りをしながら固まっていた。

 「もうー、情けないなー」
 「レト、こういうの嫌いだもんね」
 「・・・・」
 「何?ロク」
 「キールアは医者な分可愛すぎるね。少しずるいよー」
 「えぇー!?そんなの関係あるのー?」
 「あると思う」
 
 ロクがトレイを片手にキールアをじろじろと見つめた。
 ロクはこういうのが趣味なのか何なのか、いつも以上に張り切っている。

 「うし!たくさんお客さん呼ぶよー!」
 「もう来てるから、オーダー宜しく」
 「え、あぁ本当だ。あたし聞いてくるー」
 「宜しくねー、ロク」

 男子3人はため息をつき、ぐちぐちと何か語っていた。
 やはり班長への文句だろう。

 「うぜぇ、あとで3人で班長フルボッコしに行こうぜ」
 「俺賛成。つか大賛成」
 「僕もです。一発弾丸でも撃ち込んでみますかね」
 「しょうがない、まぁ一回くらいなら働くか」
 「え、レトやるのか?」
 「まぁ、あとで怒られるの嫌だし」

 レトがすくっと立ち、可愛らしいピンクのフリルのメイド服で歩いた。
 その勇敢な姿にラミアもガネストも立ち上がった。
 
 「レトー、ミルクコーヒーとチョコパフェお願いー」
 「分かったー、ガネストに伝えとくわー」
 「やっぱガネストなんだ・・・」

 ガネストが注文通りの品を作り、見事綺麗で美味しそうなパフェとミルクコーヒーが出来上がった。
 それをレトが受け取り注文場所へと持っていく途中。
 お客さんの足につっかかり、ばたんと勢いよく倒れてしまった。
 
 「わぁッ!」
 
 コーヒーを頭にかぶり、びしょ濡れになってしまったレト。
 しかもひっかかってしまった足の主は男性だった。

 「あ・・・・、ご、ごめんなさい・・・」

 とか弱い声でつい謝ってしまったレトのその顔の可愛い事。
 潤んだ瞳を光らせ、本物の女性のような顔を男性に向けてしまった。
 その表情に一瞬にして男性はどきりと胸を躍らせ、レトに手を差し伸べた。

 「大丈夫ですか?お嬢さん」
 「え・・・・あ、はい・・・」

 お嬢さんと言われ、レトは一瞬戸惑った。
 周りのお客さんも和んでいる様子で、確実にレトを女の子だと思ってしまっただろう。

 「レト、反則ー」
 「な、何が!?」
 「可愛すぎ、はい反省しなさい」
 「意味分からん・・・」

 ロクに指摘を受け、レトが更衣室へと向かった。
 ガネストもため息をついて、また作り直す。
 ラミアはとっくに男性に囲まれていて、逃げる隙もないとか。
 
 「たく・・・、俺は男だっつうの」
  
 レトがため息をつきながらロッカーを開けると、
 やはりというか、新品のさっきよりもフリルの多いメイド服が出てきた。
 というか、まさしく猫耳らしき物も。

 「俺に何を着ろってんだ、あの班長はぁぁぁぁ!!」
 
 レトが更衣室で叫んだ。
 その声は更衣室中を駆け巡り、他の人には届かなかった。
 班長の目的が、ますます分からなくなったレトだった。