コメディ・ライト小説 ※倉庫ログ
- Re: 最強次元師!! ( No.337 )
- 日時: 2010/04/13 17:10
- 名前: 瑚雲 ◆6leuycUnLw (ID: 9H03YzTC)
第064次元 任務ランク
「・・・なんて言った?」
「だーかーらー、キラーは逃した」
「何でだ?」
「・・・・、だってすばしっこいんだもん」
「いいか?キラーはあの剣闘族の一族。殺し屋なんだぞ?野放しにしておいたら何しだすか分からんし」
「でも、本当に逃したし。それに、あいつ速すぎ」
「班長、あたし達は頑張りました」
「棒読みで言うな。まぁいい、ちょっとリスクが高すぎたな。あとは蛇梅隊になんとか任せろ」
「「はーい」」
班長に叱られ、しぶしぶと任務室に向かった。
その騒がしい様子、どうしたのだろうか。
「なんかあったのか?」
「別に特にないけどー、ラミアちゃんがSS級任務行ったのー♪」
「SS級?」
「ほら、任務ってランクがあるじゃん?Dが一番下で、SSが上のやつ!」
「あぁ、俺らほとんどAだもんな」
「うん」
「あのSSランクを、ラミアちゃんが1人で行って皆すごい喜んじゃって」
「ラミアさんは強いですもんね」
「ちなみに言うとミルちゃんはその一番上のG級に行ったのだーッ」
「ミルってそんなに強かったんだ。んで、内容は?」
「それがすごいの、ミルちゃんは昔大暴れした怪物『レンドン』の退治!」
「ラミアさんは融合物体の元魔の100匹退治に行ったそうです」
今から30年くらい前。
ここセンターの隣町、『ミレイド』では地中深く、何千年も眠っていた怪物が目を覚ました。
その怪物がレンドン。
レンドンはその巨大な体からどんな怪物もなぎ払い、次元師の技でも防ぐ事はできなかった。
だが、1人の謎の次元師がレンドンは一時期封印し、また地中に埋めたという伝説もある。
だが今回、また目を覚まし町を暴れているとの情報で任務が来たためミルが向かったのだ。
「レンドンはどんな次元師でも倒す事はできなかった大型の怪物なんだよー♪」
「なるほどね。それでラミアとミルが帰ってくるの待って早くも打ち上げらしきものをやってると」
「そゆことッ」
「でも、ラミアが融合物体の元魔を100匹退治なんてすごいなぁー・・・」
「ラミアちゃんならきっとすぐ帰ってくるさ♪」
「そうだろうな。んじゃティリは?」
「ティリちゃんは、ラミアちゃんの任務には行かなかったー」
「へぇ、何で?」
「めんどくさいからに決まってるじゃない」
ロクの後ろで、足を組みながら堂々と椅子に座っているティリの姿が見えた。
周りにはいつもどおり幽霊が纏わりついていて、踊っているようにも見えた。
「てぃ、ティリいつの間に・・・・」
「めんどくさいし、あんなの1人で十分よ。あたしが行くまでもない」
「さっすがティリちゃーん♪」
「まぁルイル姉さんに言われるほどでもないけど」
「本当にルイルの前だとキャラ変わるなぁー・・・」
「何か行ったかしら胃袋異空間少女」
「な、い、異空間!?」
「もうブラックホール状態だからなぁ」
「あたしは任務なんてめんどくさいからあんまり行きたくないし。幽霊の面倒もあるしね」
「何故に異空間・・・?」
ティリは颯爽と任務室から姿を消し、自室に戻っていった。
ルイルやロクはあの逞しさを羨ましそうに見つめていた。
どうやったら目上の人にあのような口調ができるのか、と。
「任務ランクか、俺達も一回G級かSS行ってみるか?」
「勘弁して、あたしはラミアやミルじゃないもん」
「まぁそうだけどさ」
「確かランク順ってD、C、B、A、S、SS、G、だよね?」
「そう、だな・・・。Dって結構簡単なんだよなぁ」
「もういいじゃん。さっさAランクに行きましょうか」
「そだなぁー」
暢気な2人を見て、どれだけの人がやる気を失くしただろう。
ミルやラミアのように強い次元師はいるが、
この世には弱い次元師もいる。
皆最初は弱かった。
そこから強くなっていかなければいけなかった。
「強く強くって・・・、そう簡単になれるもんでもないのにね」
「まぁいいじゃん、弱くても」
「へ?」
「それでも俺らは次元師だ」
レトが一発変な事を言ったため、ロクは一瞬固まってしまった。
確かに、レトの言う事は合っていた。
ロクは任務掲示板を見つめ、ばッとAランクの紙を取った。
それをレトに向け、また新たに任務へ向かう。
あの2人がG級に挑む日か来るのだろうか。
何処までも暢気な兄妹だった。